マテ貝のバター焼きを食した。そもそもマテ貝の形状が異様であり、珍味的味わいの一品ではあった。体長は10cm前後の、棒状の二枚貝。貝を開くと幾つもの関節を有した長筒状の、まるでタケノコの身にも似た独特の身が現れる。その代表的な産地は九州長崎県の五島列島界隈であるという。マテ貝固有の巣窟が、砂浜の各地に存在するのだといい、そんな特別の巣窟を見つけ出して捕獲するのが地元漁師の技となる。
こんなに特別なる個性的なマテ貝なのだが、其の味わいと云えば、癖のない二枚貝的なのであって、バター焼きの調理法にも全く違和感がない。むしろバター焼きには好相性な食材なのだった。