小金井市の「江戸東京たてもの園」を久しぶりに訪れた。「江戸東京たてもの園」には数回訪れていた。ちょうど此処では「ジブリの立体建物展」という企画展が開催されていたので、それを見ることも一つの目的だった。
ジブリの人気は相変わらずに高いとみえて、大勢の20~30代の若者達の姿が会場に集っていた。ジブリ映画に特別の関心や思い入れがないおいらではあるが、若いアニメファン達と同じ場所にて立っているだけでも様々な触発を受けるに充分ではある。先ずは彼ら、彼女らの眼差しの多くが、セル画に集中しており、ひとえにアニメファンならではの光景の一つである。然しながらおいらはそれら以上に、所謂エスキースの鉛筆画等々の下書きのスケッチに興味を注がざるを得なかった。それら設計図としての下書きスケッチ達の中にこそ、ジブリの監督たちの発想の原点が凝縮されていると思えたからであった。
最も興味を唆られたのが「油屋」という建物の図である。「千と千尋の神隠し」の物語の舞台となった、架空の宿泊施設であり、群馬県四万温泉の「積善館」がモデルとなったとされている。積善館についてはおいらも少し前に宿泊したこともあり、日本最古の湯宿建築としての評価が高まっている。其の建築物の古色蒼然として角の立った粋な佇まいといい、其の場所としてのつぼ的シチュエーションといい、其れ等に稀有な存在感を漂わせる図に対する思いも強く感じ取ることができたのだ。
■江戸東京たてもの園
〒184-0005
東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)
042-388-3300(代表)
http://tatemonoen.jp/