春が先かホタルイカが先かは知らぬが、両者が相まっての風物詩なのである。そんな神秘の光を思いながら味わうホタルイカ(蛍烏賊)の味わいは、この時期ならではの逸品である。春近くなるこの頃が云わばホタルイカの旬ということになる。春の夜には、海上に青白い光を放つ。その姿は、神秘的な光そのものではある。ホタルイカの料理には様々あるが、さっと湯通して茹でたホタルイカは「桜煮」と呼ばれており、もっともホタルイカらしい料理だとかんがえることが可能である。
月別アーカイブ: 2015年2月
巨きなニンニクの串焼きを食した
巨大なニンニクの炭焼きを食したのだった。其のニンニクは通常のものの3倍くらいはある巨大なものであった。マスターに産地を尋ねると中国産だという答えが返ってきた。気になっている肝臓病対応のために、とりわけ気にして摂っているのが大蒜である。一房一房を串に指し、炭火でじっくりと焼き上げる。じわっとニンニクの実からエキスが漏れ出てくれたら食べ頃なり。食感も味わいも満足の逸品だ。巨大な国土を有する国だからニンニクが巨大に育つとも考え得難い。ある種の特別な特別変異があったのかとも想像されるが、確かな証拠はどこにも見当たらない。いったいこの巨大な大蒜の正体は? とりあえず記しておくことは、その巨大な大蒜の味わいは充分に大蒜のそのままの味わいであり、美味だったということ。例えば不味かったとすれば却って論点が整理されたのだが、決して不味い食材ではなかった。日本の農家にでも作ってほしいと思われるくらいの代物であったのである。
「イワシのなめろう」で一献
有りそうでなかった八王子「一平」の「カレーコロッケ」
有りそうでなかったという逸品のメニューが「カレーコロッケ」なのである。コロッケ風の揚げ物でありながら、具は通常のジャガイモでもその他のイモ類でもなくて、カレーなのである。カレーの具がコロッケの衣に包まれて、とても味わい深い、云わばソウルフードとしての思いを強くしている。コロッケとはそもそも洋食でありながら日本の大衆食の代表でもある。主にジャガイモを原料としているが、ひき肉、カボチャ、クリームソース等々を原料としたものもある。それにも増して意外な材料の「カレー」を原料にしたのが「カレーコロッケ」。カレー味のジャガイモコロッケではなくて、カレーが丸ごと具の原料として用いられている。馴染みの居酒屋のランチメニューとして出していたカレーの残りを使ってコロッケにしてみたのが、此の新メニュー誕生のきっかけだと聞いた。まさに揚物界のニューウエーヴの味わいなのである。箸で衣を突つくととろりとしたカレーがしみ出して行きピリリとした馴染みの辛さがのどを突つく。此の具材はインドカレーや洋食カレーではなくとろみの備わった日本風カレーでなくてはならないのである。
■一平
東京都八王子市東町11-5
042-644-8512
パナソニック汐留ミュージアムの「ジュール・パスキン展」を訪問
都内汐留地域のパナソニック汐留ミュージアムでは「ジュール・パスキン展」が開催されている。パスキンという名前は、おいらが高校に入学して間もない頃にであい、特別な愛着を感じ取らされる、特別なアーティストの名前として刻まれていた。画に記された「Pascin」というサインは、ピカソの其れかそれ以上に優雅なサインとしてアピールしているくらいに特別な存在である。そして今また彼の作品に接して画家が描いた強烈な魅惑のあれこれが襲って止まないのである。
ジュール・パスキンとはブルガリア出身の、エコール・ド・パリ(=パリ派)の貴公子とも呼ばれた代表的な画家であり、彼の独特の画風は、画家が活躍していた当時のフランス・パリの世相を反映し、退廃的なムードが漂っている。画家が好んで通っていたという娼婦の館の関係者たちをモチーフにした素描もこの時代のパスキンらしさが現れている。特に1920~30年にかけての「狂騒の時代」と呼ばれる頃の作品には、その傾向を顕著にしている。「真珠母色の作品群」と称される彼の作風が開花したのもこの時代である。1930年に45歳にて自ら死を図ったというパスキンは、おいらを含めて未だに多くの愛好家たちの心を魅了して止まないのであった。
■ジュール・パスキン展
パナソニック汐留ミュージアム
〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1
パナソニック東京汐留ビル4階
ハローダイヤル 03-5777-8600
午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
2015年1月17日(土)~3月29日(日)
毎週水曜日休館
一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料
http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/15/150117/
アメ横「カドクラ」で「和牛バラ焼丼」のランチを味わう
上野アメ横の「カドクラ」といえば、今では立ち呑み居酒屋として有名である。我が国において立ち呑みスタイルを普及させた代表的な居酒屋であり、毎日の夕刻からは呑兵衛たちの足跡が消えることがない。1杯250円の酎ハイ等の安価なメニューはもとより其れのみならず、呑兵衛向けの豊富なメニューで人気を博しているのだ。
■カドクラ
東京都台東区上野6-13-1 フォーラム味ビル1F
03-3832-5335
同「カドクラ」店の魅力は立ち呑みメニューにとどまらず、ランチの丼があるのだ。「バラ焼丼」は同店の代表的な丼メニューであり、ランチに集まる人々に支持されている。こってりと焼いた牛のバラ焼きをベースに、キムチと温泉玉子とキャベツの千切りが一体となって丼が完成されている。2012年のTD-1グランプリというイベントにて、3位入賞したという云わばお墨付きのメニューでもある。和牛と和風調理の美味いところ取りとも云えるくらいに胃袋に染込む味わい。ランチの「カドクラ」を見直したメニューなのだった。
八王子「道の駅滝山」の名物「滝山うどん」を食す
八王子北の郊外に「道の駅滝山」というスポットが存在する。東京都内では最初に生まれた道の駅なのであり、地元の農産物を中心にした直売場がメインとなって地元食材をアピール。販売処にとどまらずに地元食材を使った料理を展開する食事処もある。地元民としては地元食材にこだわるこうしたスポットの存在はとても気になるのであり、屡々足を運ぶのである。
■道の駅滝山
〒192-0011
東京都-八王子市滝山町1-592-2
042-696-1201
http://www.michinoeki-hachioji.net/
道の駅滝山にて食事処を展開するのが「八農園」だ。そんな八農菜が提供するメニューは、地元八王子の新鮮野菜や旬の屋しをふんだんに使い、こだわりの調味料や独自の調理法でやさいのちからを巧みに引き出したメニューを取りそろえているという。近頃の代表的なメニューが「滝山うどん」なのである。所謂つけ麺うどんである。素朴な中にもパワーを感じさせる。大きくカットされた葱、豚肉、茄子、油揚げ、等々の地元食材を丁寧に調理した漬け汁にツルンとしてのどごしの良いうどんを浸してツルンと食すれば、地元の味覚にうっとりとしてしまうこと請け合い、美味いことこの上なき味覚なのである。
高級食材化する「ホッケの開き」を味わう
このところホッケの漁獲量が減り、値段も高騰しているというニュースを耳にした。一節によればホッケの漁獲量低下の原因が、地球温暖化によるものだとされ、一時的な現象ではなさそうなのだ。そんなことからこのところ久しぶりに食指が動いていた。いつもはあまり行かないスーパーを周り、沼津産のホッケの開きをゲット。朝食にホッケの開きを食したのだ。脂が程よくのっているその身の味わいはあっさりしていて食べやすい。朝食の一汁一菜の具材としては充分上出来な逸品である。昔からこのホッケの類いは長い間冷遇されてきた。某百科事典には「不味い魚」という記述があったほどなのである。高級魚か大衆魚かといった評価はさておき、食べられるうちに食べておきたい日本食のひとつである。
関東風「串かつ」は関東でしか味わえないソウルフードとなりつつある
地元の何時もの居酒屋で一献。今宵は「串かつ」がお供のメニューである。由緒正しき関東の「串かつ」とは、大阪界隈のジャンクフードの串揚げとは似て非なるものであり、串かつのネギと豚肉のハーモニーの絶妙さを思えば串揚げなどは邪道的フードとしか思えない。そもそもおいらは串カツが大好きである。豚肉のカツと揚げられたネギの甘味と香ばしさとの調和した味わいは、串カツならではのものであり、関西的ジャンクフードこと串揚げの比ではない。串揚げには断然勝っていると云ってよいのである。由緒正しき関東の「串かつ」とは、大阪界隈のジャンクフードの串揚げとは似て非なるものであり、串かつのネギと豚肉のハーモニーの絶妙さを思えば串揚げなどは邪道的フードとしか思えない。おいらは串カツが大好きである。豚肉のカツと揚げられたネギの甘味と香ばしさとの調和した味わいは、串カツならではのものであり、関西的ジャンクフードこと串揚げの比ではない。串揚げには断然勝っていると云ってよいのである。かねてから思うに、串揚げを食べてもなかなか満足できないものがあったのだが、しかしながら、あえて限定すれば関東風の串カツ口にしたときの感動や満足感は、他を圧倒していたものなのである。関西ジャンクフードの限界とともに、関東圏の食文化の歴史を改めて感じ取ったという訳なのだ。関西的串揚げには無くて串カツに有るものとは何か? まずはその豚肉とネギとの相性の良さであろう。豚肉の質、ランクはそれ程良いものを求めなくても、豚カツとネギ揚げとの相性の良さで、串カツの美味さは決定付けられると云っても良い。関東風「串かつ」は関東でしか味わえないソウルフードとなりつつあるようなのであり、これからは関東風の串かつの良さをアピールしていく必要性が求められているのだ。
「菜の花のおひたし」で春の香りを味わう
地元の定食屋煮て春の香りの漂う「菜の花のおひたし」が夕食のメニューに載っていた。黄色い花を咲かせる菜の花は、花を咲かせる前の蕾がとりわけ美味である。毎年2月にもなればこの味が欲しくなる。春の灰汁とも云うべき鮮烈な苦みが喉を潤してくれる。黄色い絨毯と称される花か咲く前に収穫されて食用に供されるものである。しかもビタミンCやミネラル豊富であり、春季の豊富な栄養素たっぷりの、春を代表すべき食材の一つなのである。どこぞかの地方で菜の花の黄色い絨毯が咲き誇る前の畑をレポートをしていた。そんなことも手伝って、菜の花は大変至極に待ち望んでいたのだ。そんな地域は房総であろうか、あるいは伊豆地方だろうか、四国の某地域なのであろうか? 何処であろうとも既に春の準備は整っているということだろう。
冬の根菜+生なめこのクリームシチューに舌鼓なのだ
冬の根菜を使った料理は和風の煮込みや煮染め料理ばかりではないのである。本日作った料理はと云えば、日常的に作られるクリームシチューである。ただしいつもと違っていたのは、冬の根菜としてのじゃが芋、人参、玉葱にプラスして、生なめこをたっぷりと使ったこと。牛乳ベースのスープになめこの甘くてまろやかな味覚が融け合って想像以上にほっこりと温まることができたのだった。シチューに代表される洋風メニューには、牛乳等の乳製品が主要な地位を有しているのであり、和風料理には見られないものだが、山なめこを和風料理にばかり限定させていては勿体無いのであり、敢えて洋風のシチューに用いてみたのである。酒のつまみとしてもとてもナイスなのであった。
タウリン豊富なタコブツは、定番メニューの一つなのだ
魚介類のタコには、肝臓その他の内蔵類の健康には無くてならないタウリンという栄養成分が豊富であり、おいらも時々、意識してタウリンを摂取している。と云う訳で食したのは「タコブツ」だ。刺身の様な包丁捌きは見られない。ただ、ブツッと切って器に載せて出されると云う代物。だがそんなことはお構いなしに生気の源のタウリン等が身体を軽くしてくれる。この効果は恐らくイカを遥かに凌いでいるのだろうと思われる。
体調が勝れない日々の食生活にて心がけているのは、胃腸を楽にして過ごすこと。こってりした脂モノや肉食類は却ってマイナスであることを、おいらのこれまでの実体験が物語っている。肉類や脂っこいものを食せば、翌日の大便の色がとても悪しき泥臭さで染まれていくのだ。であるからしておいらは翌日の便の色の健康色を保とうとして、野菜類と魚介類の摂取を基本にしているのだ。
府中の梅まつりで一足早い春に触れた
府中市郷土の森博物館では「梅まつり」が開催中だ。散策路が整備された広大な敷地には1100本の梅の樹が立ち並んでいる。会場の入口近辺の梅はまだまだ蕾ばかりであり、梅まつりと称するには些か拍子抜けの感がしたが、会場の奥に歩みを進めるに連れ、紅白の梅の花たちの可憐さに目を瞠るのだった。最奥の一帯には黄色い梅の一種こと「ロウバイ」が、こちらは早咲きの品種と見え満開なのだった。春の香りを黄色い花びらの中で嗅ぎ取ることができ、ぽかぽか陽気も幸いして、一足早い春を感じることとなっていた。
■郷土の森 梅まつり
2015年2月7日(土)~3月15日(日)※期間中無休
府中市郷土の森博物館
東京都府中市南町6-32
大人200円、中学生以下100円、4歳未満無料
9~17時(入館は~16時)
前橋「モモヤ」の「とんかつうどん」に舌鼓
上州前橋市内には豚カツの美味い名店がある。そんな中で味わったメニューが「パーラーモモヤ」の「とんかつうどん」なのだった。帰省する度にちょくちょく訪れていた「モモヤ」ではあるが、「とんかつうどん」はインパクトのあるメニューではあった。
上州では一般的な細めのうどん麺に醤油味のスープに、薄くスライスされたヒレカツが乗っている。更にトッピングとしてのヒレカツが添えられていて、食べ応え感が満点なのだ。おいらはまたこのメニューを口にして、大いにトントンメニューを味わっていた。上州的なうどんの出汁と薄い豚カツの咬み応えとが相まっていて、とても美味しく味わっていたのだった。
そもそもは、上州前橋は豚肉料理が有名であり、「TONTONのまち前橋」を標榜しているくらいに豚肉料理が人気である。そんなトントンの町のメニューとしての「とんかつうどん」に舌包みなのであった。
パーラーレストラン モモヤ
住所/前橋市千代田町2-12-2
電話番号/027-231-5017
武澤久師の「アヴィニヨンの妖精」
先日購入した武澤久師匠のカード画集の中で、最も惹かれている作品が「アヴィニヨンの妖精」である。ご存知ピカソの代表的な作品「アヴィニヨンの娘たち」にインスピレーションを受けて制作された、130号の大作である。師は書いている。
-----(以下引用)
ピカソの26歳の時の絵である。アヴィニヨンはフランスの、日本でいう娼婦の街だそうだ。当時ピカソは売れっ子の画家であったが、この絵を発表した時は非難され、マチスも攻撃的だったとか。娘といいながら非常に暴力的な表現ではあるが、線の若さが、原始芸術の素朴な人間性に感動して自己に問いかけたのではないかという気がするのである。私はアヴィニヨンの娘を妖精として、愛情を込めて描くことにしたのである。
-----(引用終了)
線はまるく柔らかく、色彩は明るくおおらかに描かれている。ピカソの作風とは大きな距離を感じさせるが、師ならではのピカソの作品解釈が込められているものであろう。
「山芋磯辺揚げ」で大地の恵みを味わう
「牛スジ煮込み」で酒が進むのだ
おいらが好きな「煮込み」と云えば、一般的なモツ煮込みよりも「牛スジ煮込み」である。牛スジのゼラチン質や繊維質が豊富であり低カロリー、しかも馥郁とした出汁が味わえるというのであり、どこぞの酒場に足を運んだときには先ずは此の牛スジ煮込み料理を物色している。美味い牛スジ煮込みは其れくらいに求むべき酒のつまみでもある。一般的に「煮込み」という料理には「もつ煮込み」と「筋煮込み」が双璧をなしている。おいらの好みはといえば筋の煮込みの中でもとりわけ「牛筋煮込み」ということとなっている。牛筋とはアキレス腱の部分や腱がついた肉の部分を指しており、にはゼラチン質が豊富に含まれており、脂身は少ない。ホルモンの部位とは異なり、あまり小売 店のショーケースには並ぶことが少ないと云う。専門店での調理法が映える部位なのである。名店の「牛筋煮込み」は、ほぼ飲兵衛たちの支持によって長い命脈 を維持しているのだと云っても良いのだろう。近頃の好みは〆として素麺にかけて食べることだ。これも文句なしにGoodだった。そうして今宵も酒が進むのである。本日もまた地元のスーパーマーケットで新鮮な牛スジを仕込んでいて、自家製の牛スジ煮込みづくりにチャレンジしたのだった。購入した牛スジを3〜5cmにカットして、その他、人参、玉葱、蒟蒻の具材を用意して、圧力鍋にて煮込んだのだ。味付けは少量の醤油と塩と生姜の細切れのみであり、牛スジから滲み出る出汁とコラーゲンが味の決め手となっていた。
みどり企画ギャラリーに新作を追加しました
「ブロッコリーのきんぴら」は見た目以上の味わい
武澤久師のカード画集「愛と平和」が届いた
先日は前橋の「アーツ前橋」にて、恩師の武澤久先生の作品に接したのであり、武澤師の作品がこのところ気になって仕方がなかった。そもそもおいらが高校生の時に触れていた武澤師の作品はといえば、石膏デッサンやクロッキーの作品ばかりであった。勿論その時の師の作品はおいらにとっても芸術的真実に関する啓示的なものを示していたのだが、接する作品たちは限られていた。そんな中で調べていたところ、師のカード画集「愛と平和」が出版されていたことを知ったので、注文していたのだった。そのカード画集が本日届いた。一見したところ、葉書サイズのカード画集にプラスして師の言葉が添えられていた。一例で示すと、画家を志す人へと題して以下の言葉が綴られている。
-----(以下引用)
画家を志す人へ
絵画は平面に精神的な空間を構想し、いかに新しい生命感を生み出すかが問題。その基本は充分なデッサンの練習にある。基本なき運転は暴走する。芸術は人生において様々な洗礼を受ける中で、絶えず自らの在り方を問いかける道だ。ピカソは、“今日の私は昨日の私ではない”として、マンネリを戒めている。私は心して歩いてきたつもりだ。
-----(引用終了)
おいら自身も師の考えに共鳴して以来、師の言葉を心して歩いてきた一人ではある。今更ながらではあるが、師の影響力の強さを感じ取っていた次第なのである。