下北沢「珉亭」の「ラーチャー」は中華料理の王道

mintei01
下北沢に立ち寄った際に、一番行きたかった「珉亭」を訪問したのだった。地元の人々に愛される中華料理店の名店である。何年ぶりかは失念したが、それでも思いついたら此処のラーメンが食べたくなることはまぐわいなき真実ではある。

さて、いつもは「江戸っ子ラーメン」を注文していたおいらであるが、本日はちょいと嗜好を変えて、何番目かのサブ的メニューの「ラーチャー」を注文していた。一般的な「半チャンラーメン」に似たようなメニューであり、半分のラーメンとは文のチャーハンがセットで提供されるのである。やはりチャーハンは中華料理の王道的メニューであり、其れと共に味わうラーメンもまた興趣を唆ること請け合いでもあり、本日は名店こと「珉亭」のチャーハンにより関心が高まっていたというべきなのかもしれない。

mintei02

最初に出てきた半分のチャーハンは、オリジナルの赤い叉焼(チャーシュー)が味や見た目のポイントである。豚肉叉焼であるには間違いないが、とても個性的なビジョンが演出されているかのごとくに食欲中枢を刺激しているのだ。半分くらいは丁度良いなと合点していた頃に運ばれたのが、半分のラーメンであった。此のラーメンが凄いのである。何よりも澄んだスープの味わいは何とも云えない気品さえ漂っている。がむしゃらに麺とトッピング類とスープを食べ尽くしても尚、お代わりがしたくなるラーメンは、此処のラーメン以外に感じたことは無い。それくらいの逸品なのである。

おいらはこの店には学生の頃から通っているが、常に地元下北沢住民の胃袋を満たしてきているのを目のあたりにしてきた。下北沢には数多くの劇団や音楽事務所が軒を並べている。売れないミュージシャン、劇団員、アーティストたちの支持を集める御贔屓御用達の名店であるとともに、若いミュージシャンたちが同店でアルバイト勤務をするなどと、密接に地元に溶け込んでいる。2階の座敷席に着けば、この店を愛するタレント、アーティストたちの色紙が壁面を飾っていることに気付く。味に惹かれて、しかも下北沢という土地に根付いた独特の雰囲気に惹かれて、大勢のファンが集っているのだ。

■珉亭
東京都世田谷区北沢2-8-8