おでんを食したのだが、なかでもがんもと大根はこの季節ならではの絶品味であった。大根煮といえばおでんにはなくてはならない具であり、おいらも「おでんの中で何が好きか?」と問われれば、「大根だ」と答えることにしている。実は以前は、多少日和っていた時期もあり、「牛蒡天」だ「ちくわぶ」だと云ってはいたのだ。けれどもやはり「大根」の存在に敵う訳もないことを充分に認識し、今更ながらに大根の恵みの素晴らしさに感動したりもするのだ。そして「がんもどき」の省略形だとされている「がんも」だが、豆腐をベースに、ニンジン、ゴボウ、シイタケ、コンブ、等々を混ぜ合わせて丸めてあぶらで揚げたものである。雁の肉に味を似せたとされることから「がんもどき」と云う名称が付いたとされる説があるが定かではない。精進料理の具材としても特筆される「がんも」のおでんは、冬季の和食のヒットメニューなのである。