「鰯の山椒煮」の奥深い山椒の味に驚く

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鰯の煮付けを食したのだが、其の味付けが一風変わっていて、山椒の葉を加えて煮込まれていた。甘辛の味付けに山椒の奥深さが顔を覗かせていた。山椒といえば其の実が貴重として珍重され、古くから香辛料のほか、薬用にも使用されてきている。夏の味覚の代表である鰻の蒲焼きには、山椒の実を摺ったものを振り掛けて味わうのが定番である。振り掛けのほかに薬味として添えられることもあり、ピリリとして辛く、鮮烈な味わいは夏の鬱陶しさを一時忘れさせてくれるに充分である。

近海の魚は高騰しているだが、こと「鰯(いわし)」に関してはそのような動きは無くて安定しているので、いつも普段も値段の事など気にせず注文できる。さらには、青魚の原点とも云うべき豊富なEPA、DHAが含まれており、成人病(生活習慣病)予防には必須の食材なのである。青光りとも称すべき光輝くいわしの光明は、呑兵衛のみならず生活習慣病予備軍の人々に対して相当なる光明となって一段と光輝くはずである。「弱い魚」などと蔑んでいる人はまだこの鰯の凄さを知らないのだというべきなのである。