今年3月には銀座の名画座「シネパトス」が消えて、三原橋界隈はてっきりと寂しくなってしまった。
シネパトスと軒を並べていた半地下街の食堂街はほとんどが其の営業に終止符を打って、今では名店の誉れ高き「食事処 三原」が一軒のみ。思えば同店には1年以上訪れていなかったのだが、久しぶりの「カツカレー」にはガツンとまいってしまった思いなのである。
衒いのないカレーの味ははじめて訪れた時のままであり、店内の雰囲気も其のままである。上にのったカツは前より些か小さくなったかのようでもあるが、カロリー控えめ志向のおいらにとっては丁度良いくらいの大きさであった。つけあわせの古き良きラッキョウがまたカレー味にアクセントを添えている。そしてなによりも、こんがりと揚げられた香ばしいカツとカレーのルーのハーモニーが夏バテ気味の胃袋を元気にしてくれていたのであった。