大根の味わいを累乗した以上の旨い「カクテキ」を味わう

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大根のキムチこと「カクテキ」を食した。辛くてさっぱりしていて、サクサクポリポリとしたその食感が絶妙であり、胃袋にも優しそうである。辛さをもたらす唐辛子じたいの味わいもまた、優しい味わいがしていた。その味わいは大根料理としての発見をもたらすものでもあったので、その印象的なる邂逅についてはとてもインパクトに満ちていたのだ。

胃袋にも優しそうだったという印象には根拠がある。水分が豊富であり、食物繊維もまた充分に豊富だ。そんな特別な食材に、辛さとともに旨味がプラスされているのだから、プラスアルファ、累乗された美味しさを味わえたと云えるのだろう。インスタントなキムチの基などでは決して作れない味わいである。

そもそも大根料理には奥が深いものがある。例えば大根とともに煮込んだ煮物は、大根が脇役になるにもかかわらずに、無くてならない食材が大根だ。鰤をはじめとする魚の脂が染みた大根は脇役としての大根の良さをアピールしている。あるいは美味いおでんの大根は、具が出している複雑な味わいを充分に染み入れているからこそ、美味くなっているのである。