東京下町の某居酒屋に入って目に付いたメニューが「鯛のカブト焼き」であったのであり、おいらは思わず知らずに(すなわちオートマティック的に)注文していたのである。
注文して出てきたその期待のメニューは予想に反して小振りであった。20㎝未満、15cm程度であったと記憶している。
時間をかけてじっくりと焼き上げたそのカブト焼きは、鱗が光る鯛カブトの表面をまるで芸術作品のような手が加えられて出てきたもののようではあった。
先ずは鯛の身の表面に慎重に箸をつける。するとこんがりと塩焼きにされた鯛の皮の先には、生身感漂うジューシーな鯛の身が姿を見せて、おいらはそんな愛すべき鯛の身にむしゃぶりついていた。塩味がきいていて、いつもより塩辛い味の鯛かま焼きであったが、ほっとする味わいに満足至極なり候。
鯛カブトの目の裏の部分には、ご存知健康成分の筆頭とも云えるDHA(ドコサペンタエン酸)の宝庫である。頭がよくなり血液さらさらにさせるというのだから、有難くいただいていたのである。