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今年の9月に、恩田陸さんの文庫版「六月の夜と昼のあわいに」が発行されている。当代きっての人気作家こと恩田氏の作品と云うことであり、興味をもって読み進めていた。
同書のスタイルがまたふるっているのであり、絵画作品と詩と俳句と短歌からなる序詞によって成り立っている。つまりは過去の一時期にはブームを呼んだ、いわゆるコラボレイト的な一冊となっている。
同書の帯には以下のような言葉が踊っている。
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懐かしいあの人、風呂敷の模様、Y字路、砂浜に寝そべった男、不思議な酒場「酒?ローレライ」、眩い才能を持って生まれた田久保順子、「グルメ」がやってくる夜、いつも聞き役の私、列車で隣り合わせた男女、夜から朝へと向かうあわいの出来事…
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甚大な関心や期待を抱いて読み進んだ「六月の夜と昼のあわいに」ではあったが、読了感はいまいちの興醒めであった。コラボレイトと称する割には関連性が薄く、なおかつスパークするような緊張感さえ感じ取ることが出来なかった。
結果的に評するならば、人気作家の知名度を傘に着て出版された薬にも毒にもない凡作と云うことになるのだろう。