上杉隆氏による「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」(1)

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昨年末に、自らの意思にてジャーナリストの休業を宣言した上杉隆氏による、意欲的な1冊である。世の「ジャーナリズム」と云われる世界のひどさを身をもって体現し、其れへのアンチとしての抗議の休業宣言ではあるが、其の書を読む限りに論調にしみったれたところは微塵も無く、却ってからっとして爽やかさが満ち満ちている。ある意味で潔く、前向きである。これから先も何かやってくれそうな期待感がもたらされており、ジャーナリストの卒業宣言として受け取ることも可能である。

「3.11」を経てジャーナリズムへの嫌厭の念は頂点に達したようであり、前書きでこう記している。

―――以下引用
「3.11」後の混乱状況に際して、マスメディアは情報を隠蔽し、国民を欺き、国家の信頼を著しく毀損した。しかも当事者たちは、みずからの行為の意味も、それが後世に与えた影響の甚大さも、まったく自覚していない。
―――引用終了