久しぶりにタジン鍋を引っ張り出して鍋料理。「春キャベツ」として売っていた、いかにも新鮮な葉色のキャベツをメイン材料に使用した。新キャベツとも云い、文字どおり春が旬の食材だ。それに加えて新じゃがいもと、きのこ類、ワカメを少々。
春キャベツなどの新鮮野菜を味わうには煮る、炒める、よりも蒸すのが一番であり、その点でタジン鍋は少量の水分と調味料とで蒸し調理が手軽にできる、最適調理法と云えるだろう。
味付けはいつもの和風だしに「柚子こしょう」を少々。それにポン酢ダレをつくって食べたのだ。柚子の香りは味にアクセントが付き、これまた愉しめる。
ちなみに柚子こしょうの辛味原料は唐辛子が基本でありこしょうは使用されていない。昔は辛味調味料は「胡椒」が一般的だったためにこの名称が付いたとされている。
以前にも書いたが、「タジン鍋」は北アフリカのモロッコが発祥とされている。上にかぶせる、とんがりハットのような独特の蓋が特徴的だが、細くなった蓋の上部には素材から滲み出た水分が水蒸気となって充満しやがて滴り落ちた水分が容器の隙間をふさぐので、鍋の中が密封状態となる。肉や野菜類の香り、栄養素を閉じ込めるという、とても意義深い鍋なのだ。