秋葉原駅周辺を歩いていたところ、あるビルの1階ホールに蝟集する人々の姿が目に飛び込んできた。ほとんどは黒か紺色スーツを身にまとったサラリーマンたちであり、彼らに混ざってOL、おたく青年たちがまばらに入り込んでいる。近づいてみたところ、「缶’s Bar」という立ち飲み店であった。
入り口周辺には大量に並べられた缶詰めの棚がそびえている。それを眺めながら入った客は、各々好きな缶詰を手にとってカウンターへと進み、これまた好きな酒とともにの注文を行なう。缶切りがさりげなく置かれており、会計を済ませた缶詰は客が自ら缶を開けていく。そんなセルフサービススタイルが自然にマッチしている。立ち飲み店の新しい姿と云えよう。
棚に並べている缶詰は、鮭、ツナ、オイルサーモン、コンビーフ、貝類、焼き鳥、うなぎの肝缶等々、多岐にわたっており、中には「おでん缶」なるアキバ名物もその一角を占めていた。品揃えの多様さ、おたく受けするマニアックさ等から、アキバならではの品揃えと頷くこと請け合いなのだ。
こじんまりとした狭いスペースながら、店員等の関係者が多く見受けられていたのだが、この店はJR東日本関係の社内ベンチャーの一種の、さる企画で立ち上がったのだという。オープン当初の賑わいはまるでお祭り騒ぎである。この喧騒が果たして何時まで続いていくことやら、注目していきたいところではある。
■缶’s Bar
東京都千代田区神田花岡町1-19
JR秋葉原駅総武線高架下