「ヨコハマトリエンナーレ2011」のあとで、黄金町から日の出町駅ガード下のスポットを訪れた。伊勢崎町の市街地からも近いこの一帯はかつて売春窟として有名であり、犯罪の温床ともみなされていた場所である。2000年代に入ったそう遠くない頃に、古くからの地元住民や警察関係による浄化の運動が展開されてきた。かつての売春宿や違法店舗が消えて空き家になった場所に、アーティスト達が活動や発表の場所として利用している。街ぐるみでアートのスポットとして再生させようと、様々な試みが行われているのだ。
2008年からの「黄金町バザール」は、今年は「ヨコハマトリエンナーレ2011」と合わせてスタートし4回目を迎えた。町興しに日本国内外のアーティストが参加し、今流行の「絆」を深め合おうと云う活動が展開されている。ガード下には新しいスタジオや制作の拠点が生まれており、町の再生という目標を後押ししているとも云えるのだ。
「黄金町バザール」の事務所を兼ねる「竜宮美術旅館」では、古めかしい旅館の建物の場を利用して、松澤有子さんの作品「ひかりを仰ぐ」等の作品を展示している。木賃宿風情の一角には風呂場が設置されているが、その場がアートとして再生されており、希望者が申し込めば1日1組に限り入浴も可能だと云うことだ。場とアートとイベントとが一体化したユニークな試みとして注目される。機会があればおいらも一風呂浴びたいものだ。
その他、ガード下を歩けばアートグッズを扱うショップや、若手アーティストの制作現場に遭遇することとなる。9月からは作品発表の場として様々なイベントが企画されているようなので注目しているところである。