やっとかなった「ほや酢」の登場は、東北復興の一歩だと思いたい

いつもの居酒屋で「ほや酢」のメニューが数ヶ月ぶりに再登場していた。

つまりはずっとずっと東北の大震災以来、このメニューは無くなっていたのだ。東北の漁港や加工工場、その他諸々の施設が壊滅的な被害にあい、「ほや」を漁することがずっと出来なくなっていたという事情があったのである。

居酒屋の女将さんは少し前に語っていたのだ。

「ほや」は取れなくて、取れても非常に高くなって、とても買うことが出来なくなってしまったんですよ。東北の漁港からほや漁がほとんど出来なくなっているんだ…」

だが漸く「ほや」も入荷が出来て居酒屋メニューに再登場していたのだから感激もひとしおなのである。

ほやの身と肝が溶け合って、何ともいえない風味を奏でていた。肝には少々の酢で締めてもらったほうがより身がぎゅっと締まって引き立つのである。このメニューには東北の料理家達の研鑽の跡を見ることが出来るのだ。