鐘ヶ淵、酎ハイ街道の「和楽」にてほろ酔い

浅草と北千住を結ぶ東武伊勢崎線沿いの「鐘ヶ淵」には、鐘ヶ淵通り、別名で通称「酎ハイ街道」と呼ばれる呑兵衛御用達の通りがある。昨日はそこの「和楽」という店をぶらりと訪れて、一献傾けたのだった。

小さな私鉄駅を降りて5分程度あるくとその場所に行き当たる。右手には今や下町のシンボルとなりし「スカイツリー」がそびえている。

「和楽」はその地で最も親しまれてきた老舗の居酒屋である。カウンターに10人も並べばいっぱいになるくらいの小さな店だが、50年もの間暖簾を出し続けてきた。

店の看板には「奥様公認」とある。果たしてどういう意味なのか? この店では決して浮気はありませんよということならば、今時の「出会い系居酒屋」の正反対のスタンスをとっている古き良き居酒屋だということになるし、あるいはまた、浪費はさせないお安い店だということで、奥様の財布の味方であることをアピールしたのかもしれない。マスターにそのことを訊ねていないので、真実は定かではない。

さてここの一押しは「和楽ハイボール」だが、通常のウイスキーで割るのではなく、本格麦焼酎を炭酸で割るというスタイルだ。まずはジョッキに冷えた炭酸を客が自ら注ぎ込む。そして本格麦焼酎をお好みで足して割るというシステムで、客は自分のハイボールを作っていく。

琥珀色した本格麦焼酎はとてもまろやかで口当たりが良く、喉越し爽快である。しかも呑み応えも充分に胃袋にも染み込んで来る。「おかわり」の一言が、いとも自然に発せられていく。

つまみは「煮込み」と「まぐろのぶつ切り」を注文。刺身でなくともまぐろはぴちぴちとして新鮮であり、たらふく箸を重ねていた。

酔い心地も爽やかに杯を重ねたが、店を出て数分歩くと酔いが回っていた。ふらふらになっていつの間にか普段の適量のアルコール量をオーバーしていたことに気付くのも、いささか遅かったのでありました。