初ガツオ(初鰹)の季節が早くも到来

地元のスーパーで「カツオの刺身」を目にした。宮崎県産の生ものだという。宮城県産などの解凍ものは1年中出回っているのだが、生のカツオがこの時期に出回るものとは知らなかった。早速購入して味わってみたのは云うまでもない。

カツオは生食にされる魚の中でも比較的足のはやい傾向があり、新鮮なものは旬の時期の生ものに限る。年中出荷されている解凍ものは、どこかどす黒い色味をしているのが気になって仕方がない。おいらもあまり解凍ものは好んで食べようとは思わないのだ。

それなのに今回の生カツオは、見るからに艶が良くて、ほのかに桃色ピンクの色彩を放っているのには少なからず心奪われていた。紛れもなく今季初の「初カツオ」である。口にふくめばまるで青い青年のように純な味わいが拡がってくる。脂がのって濃厚な「もどりカツオ」の濃厚なものとの違いは歴然として一線を画している。

そもそも古の頃より「初カツオ」の季節というのは初夏とされており、2月のこの時期に食されるものではなかった。「目には青葉 山ほととぎす 初がつを」の句に詠われた旬の時期は、目に鮮やかな青葉が生育し新緑に染まる5月の頃なのだとされているのだ。

あらためて考えてみれば不思議な現象ではある。猛暑や大雪が日本列島を襲っている昨今、あまりに早過ぎる「初カツオ」の収穫を目にして、異常気象の表れではないことを願ってしまう。

美味しい初カツオを味わった食後のコメントにしては、少々陰鬱なものになってしまったようである。嗚呼、マイゴッド!