風呂より圧力鍋が相応しい「ふろふき大根」の味わい

旬の食材である大根のふろふき大根を食したのです。大根を軟らかくなるまで煮込むには、少し前まではゆうに1時間以上の時間を必要としたが、最近は圧力鍋を使って、20~30分程度も煮込めば充分軟らかくなる。今回いただいたふろふき大根も圧力鍋を使用して調理されている。調理時間の短縮に圧力鍋の果たした役割は甚大なるものがあるのだ。

とてもシンプルな大根料理でもある「ふろふき大根」は、充分に煮込まれた大根に、味噌だれをかけて食される。味噌に味醂、醤油、砂糖、酒、等を合わせて煮詰めるのが味噌だれ作りの基本である。

ほっこり味わいのふろふき大根を味わいながら、おいらは「ふろふき大根」という名前の由来について思いを馳せていた。一説によればその「ふろふき」とは「風呂吹き」から来ており、風呂で大根を吹かしたことから由来するという。風呂の湯で大根を煮込むのではなく風呂で大根を吹かすというのが味噌ということだが、その真相は定かではない。いずれにせよ大量の湯にて大根を煮込んだ(吹かした)ものというのが語源ではあるようではある。

もののレシピ本によれば、米のとぎ汁を加えた昆布の出汁で煮込むのだという。そうすることにより、白くて上品な味わいのふろふき大根ができるというのだが、おいらは鰹出汁と醤油味で煮込んだ大根のほうが好みである。昆布出汁には違和感がある。それらの理由については後に別稿で改めて述べていきたいと考えている。