ふと紅葉が見たくなり、岩手県の八幡平に出かけたのです。
盛岡駅前から乗り込んだのは、「八幡平自然散策バス」という名のツアーバス。八幡平頂上停留所乗り場から、地元の登山ガイドさんが無料で案内をしてくれるという特典つきなのだ。それ以外にも、紅葉の名所の大橋、地元の観光広場などで休憩時間を取るので、一便で八幡平を満喫できるというすぐれもの。特に関東圏からの観光客を対象に組まれたバス便のようだ。こんな機会はまたとないと強行軍を敢行した次第なり。
東北自動車道を降りて八幡平温泉郷に入った頃にはもう、あたり一面の樹木は黄色、赤色に彩られていた。さらに走り行き温泉郷から松川温泉までの通称「八幡平樹海ライン」に入ればまさに紅葉の見ごろ。近くの紅葉、遠方に並ぶ紅葉、高みから眺め渡す紅葉、等々、バリエーションも申し分がない。
頂上停留所に着くと冷んやりとした空気が襲い掛かった。聞けば気温が約5度程度だという。樹木の葉はすでに落ち、紅葉の「こ」の字も無かった。いつもより厚着をしたつもりだったが想像以上の冷え。気合を入れて散策に臨んだのだ。
細い登山道に入れば2~3メートルの樹木が覆い、今にも熊が現れそうな光景だ。だがここは急激に冷気がもたらされるため、熊の生存には適さないのだという。鏡沼、メガネ沼を通り過ぎて山頂へ到達。山頂とは見えず案内板でやっとそれと判るくらいのなだらかな山肌なのだ。そして後半は、ガマ沼を過ぎ、八幡沼を眺めつつ、見返り峠へ、それから整備が半端な石段を下りて行程は終了したのだ。
振り返れば1時間少しの散策だったが、澄んだ空気や新鮮な景色に触れて心底からリフレッシュできたのでした。この山頂散策は7月が見ごろだという。またぜひその季節に来たくなったのでありました。