民主党代表選で、小沢一郎の「夢」が潰えた記念日

本日の民主党代表選の結果は、菅直人現総理大臣の圧勝という結果に終わった。それはまた、小沢一郎候補の「夢」が潰えた記念日でもあった。

先日当ブログで「小沢一郎有利」と記した初期選挙戦の予想は外れることになり、いささか面映い思いもあるのであるが、おいらは政治予想屋ではないので大目に見て頂きたい。

http://www.midori-kikaku.com/blog/?p=2108

当初の政治マスコミ予想が外れたということは、暗黒政治の一歩を踏み出すことが阻止されたということの1点で幸いであった。本日の選挙結果に接し、民主党にも基本的な良識というものが存在したということを素直に評価しておきたい。

小沢一郎が菅直人に敗退する可能性に触れて、おいらは下記のように記した。
「小沢一郎の敗北がもしあるとしたら、こうした取巻き議員達による失言が原因となる可能性があるが、こうしたマイナス要因くらいでしか小沢敗北が期待できないというのも情けない。」(8/29「小沢一郎有利(菅直人不利、鳩山由紀夫変節)という民主党代表選の行方」より)

だが本日の雌雄を決した最後のポイントは、小沢一郎自身のスピーチにこそあったというべきだろう。以下にその詳細を述べて行きたい。

本日の投票前に行われた最後のスピーチで、スピーチライターが書いたであろう小沢一郎の演説内容には、極めて特徴的なポイントがあった。一言で述べるならば「私には、夢があります」という一節が示す、そのスタイルであった。

周知のように「私には、夢があります」という一文は、かつてアメリカの黒人運動の指導者、キング牧師による有名なスピーチ(原文では「I Have a Dream.」云々。詳細はアキンさんに聞いてください)からのコピーである。

世界の歴史に残る名演説のスピーチをコピーすることで、小沢一郎は民主党議員を洗脳できると考えたのかもしれない。だが滑稽なことに結果は、大敗北といっても良いものであった。

最後のスピーチでこの言葉をコピーした背景には、「民主党は俺のもの」的な驕りがあったのだろう。すなわち、日本の「民主党」なんてものは俺が(鳩山由紀夫たちと)つくってあげたものだから、俺がキング牧師の役を演じることで民主党議員は俺になびくだろう、等々の、なめきった意識が底流に流れていたのだろう。そしてそのような目論見は崩壊したのだった。

菅直人候補が一言引き取って「私にも、夢があります」とスピーチしたのは、当然だとはいえひとつのカウンターパンチとして有効でもあった。

小沢一郎の敗北を祝うというのも情けないが、ある種の茶番劇の敗北劇として興味深いものがある。