「マーボーなめこ(麻婆滑子)」はいけるのだ

おいらの好きなメニューの一つに「麻婆豆腐」が挙げられるが、今では「麻婆茄子」「麻婆春雨」など様々なバリエーションが登場している。云わば「麻婆家族」と云っていいくらいだ。ときどきおいらが具に選択するのが「なめこ」である。水煮していない生のもので、特に大ぶりなものが好ましい。

つくり方としては麻婆豆腐と大きな違いは無い。少量のひき肉を炒め、生のなめこを少し火にかけ、醤油、甜麺醤、豆板醤、砂糖、酒、等の調味料で味付けをし、最後に片栗粉でとろみをつける。なめこ自体の天然とろみが効いていて食感が抜群なり。通常の半分程度の豆腐を合わせれば、味もまろやかで食べやすい。

このメニューはあくまでおいらのオリジナルである。他の食堂、中華屋、等では見たことが無い。お試しあれです。

魚の串焼きは、居酒屋業界起死回生のメニューとなるのか?

魚介を串に指して焼くというシンプルなメニューが、増えているようだ。近頃は専門店までも登場しているらしい。

先日食したのは、海老、烏賊、帆立、鮭、シシャモ、鯖、キス、等々を串焼きにしたものだ。それぞれに焼き物として出される食材であり、調理法は軽く塩をふって炭火で炙るくらいのもの。それが一口ごとに多種類を味わえるのだから悪くない。理にかなったメニューである。

何故これまで、このようなメニューが無かったのかと考えてみた。基本的な調理素材として「焼き鳥」用の炭火焼器と炭があれば充分である。備長炭ならば良いのだろうが炭であれば事足りる。たとえ炭火でなくともガスの遠赤外線焼物器を使用しても、家庭のガスコンロでは出せない遠火焼きが可能だ。

それ以上に大切なのは、焼き方。すなわち熟練した職人による焼き加減である。焼き鳥屋、居酒屋といった関係店舗も売り上げが減少し、稼動しない炭火焼器を休ませているのもままならない。新しいメニューを考えざるを得なかったということかもしれない。

牛スジ煮込みの出汁でつくった「冷やしジェルそうめん」

夏の定番素材のそうめんが残っていたので、一寸変った冷やしそうめんを作ることにした。スジ煮込みの出汁を冷凍室で冷やしてカキ氷状(ジェル)にして、それを砕いてかけるだけの簡単メニューなのだが、味は中々本格的なのだ。

トッピングはみょうがと梅干。とくにしっかりと塩と紫蘇で漬け込んだ真っ赤な(もちろん無添加物の)梅干は、口の中ですっぱく刺激し、食欲も快復させる。冷やしそうめんにとって重要な素材なのです。

桐野夏生著「東京島」は、女視点で女性の怖さを描いている

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桐野夏生氏の話題作「東京島」を読んだ。現在同名の映画がロードショー公開中であり、TVCMその他で物語の独特な設定やセンセーショナルなテーマが盛んに喧伝されているので、興味を持った人も多いに違いない。映画が公開されていることを知って、先日あえてこの原作本を購入したという訳である。

その昔「映画が先か、原作が先か」といった映画CMのキャッチコピーが踊っていたことがある。その伝でいけば、さしずめおいらの志向性は「原作が先」ということになる。当時、メディア・ミックスという言葉もマスコミ関係者を中心に氾濫し、メディア・ミックスにあらずんば先進メディアにあらずというくらいの、文化風俗を席巻した俗説だったと云えよう。

物語の登場人物は、世界一周クルーザー途中の難破舟から無人島に辿り着いた一組の男女夫婦、そして後から同様に難破舟で漂着したフリーターの若者たちである。後に「東京島」と名付けられた無人島の島人は、31人の男とたった1人の女(清子)。極めて特異なシチュエーションの無人島を舞台にしてドラマは進行する。

読了した第一印象はいささか陳腐な言葉になるが、やはり女性の逞しさ、そして根源的な畏怖の存在感を強烈なイメージを通して感じさせたといったところだろうか? 女性人気作家が女性の視点から男と女の性をカリカチュアとして描いたストーリーと捉えることも可能だ。あくまで女が無人島の規律を司るかのような物語の流れは、男にとっては衝撃的な展開である。あくまで物語の中の話だとは云え、徹底して女性目線のストーリーが展開されていくようだ。

だがこの物語を、現代日本の縮図として捉えることには無理がある。作者もそんな意図は無いであろう。一部の批評家たちによってなされるこのような評論は無効である。もっとプリミティブな架空のストーリーとして物語を捉えたい。

夫婦として流れ着いた夫は、無人島という過酷な環境に適応することが出来ずに衰弱し、ついにはあっけなく生命を落とすことになる。夫の「死」の原因はつまびらかにされることがないのだが、31-1名の誰かの嫉妬が原因による殺人だ…という、云わばサスペンス仕立ての味付けなどが添付されながら、ストーリーは曲線的かつ重層的な軌跡を描いていくのだ。この程度のストーリー解説はネタ晴らしには当たらないだろう。もし気になった人にはご容赦願いたい。

酒のつまみにもよい、ネバネバ素材6種の自家製ばくだん

居酒屋に行くとよく「ばくだん」というメニューが目に付く。昔は何だろうという興味半分で注文していたが、近頃はその素材の内容を確かめてから注文するようになった。

大まかに説明すれば、納豆(これだけは必須素材)を中心にして、ネバネバしたものばかりを混ぜ合わせて食べるという簡単料理のこと。そして何故「ばくだん」と呼ぶかといえば、具が沢山混ざっていてばくだんのようだからという説が一般的だ。特に納豆が日本人好みのくせして、ある種の嫌われ者の一面があることを揶揄して、こんなネーミングが定着したのだろう。

さて、自家製「ばくだん」の素材としたのは、以下の6種なり。

・納豆(ばくだんをつくる基本の食材)
・おくら(さっと湯がいて細かく刻むとネバネバが発生。今が旬)
・山芋(すりおろして使う。ネバネバ食材の代表格)
・なめこ茸(きのこの中でもネバネバ度が抜群。おいらの好物)
・モロヘイヤ(緑黄色素材の注目株。湯がくとネバネバになる)
・根コンブ(コンブの根部分で、ミネラルも豊富)

今回は6種類でつくってみたが、語感があまり良くないような。もう1品加えて7種にしたいのだが、他に何が相応しいだろうか? まぐろ、いか、といったよくある種類のものだけは避けたいと考えているのだが、果たして如何?

中野のせんべろ居酒屋「極楽屋」の豚足焼きに感動した

たった1000円でべろべろに酔えるというのがせんべろである。そうしたせんべろ居酒屋探検を遂行しているおいらであるが。中野の「極楽屋」のメニューが秀逸であったのでレポートしておこう。

豚足焼き(450円)
むちむちっとした食感を損なうことなく焼き上げた「豚足」は見事というしかない。しかもその皿には、3つの豚足のために、3枚の新聞紙が用意されて出てくる。焼いた豚足は脂っぽいから新聞紙で手を保護してください等といった、細やかなるおもてなしがナイスなのである。

いぶりがっこ(300円)
秋田の名物なり。いぶりがっこを秋田人にばかりに独占させておくのは不条理である。この「極楽屋」で提供されているいぶりがっこもまた、秋田の味覚を東京人への橋渡しをしているようであり、注文も途絶えることが無いようなのだ。お勧めである。

甲斐の国にて、夏向けの「ほうとう」こと「おざら」を食す

青春18切符が1回分残っていたので、それを消化すべく甲斐の国こと山梨県方面に向かったのです。相変わらずの猛暑酷暑で、気分爽快とは云えずにいたのだが、甲府地元食堂で食べた「おざら」というメニューは、中々面白い出会いであった。

「おざら」というのは簡単に説明すると「ほうとうのつけ麺」あるいは「冷たいほうとう」といったところ。夏場では流石に熱々のほうとうは食べる気にもならず、かと云ってせっかくの甲州に来て名物を食べずには帰れない。そうした観光客をターゲットにして、注目を集めているようだ。元来は甲州の田舎では夏場のメニューとしてポピュラーだったという話もあり、一概に観光客相手だとばかりは断定できない。

さて、そんな「おざら」を食した第一印象はと問うならば、それほどの感激もなかったと云うべきか。ほうとうに使用される極太の麺は、冷やし麺として食べてみればきしめんをもう少し太くしたような、いかにもフツーのものである。決して上州の「水沢うどん」のようなもちもちっとして雅なる、独特の味わいがある訳ではない。

冷やした麺とともに出される漬け汁は、椎茸や人参、油揚げがトッピングされていてとても濃厚でくどい位に甘味が強いが、所詮それ以上のものではない。そもそもほうとう麺が冷やしになって、味噌味で無くなる理由というのがわからない。味噌味とほうとうめんは表裏一体と考えていたのだが、何か裏切られたという思いさえもが生じてしまうのだ。

あまり他県の批判はしたくはないが、甲州の「おざら」は上州の「水沢うどん」の足元にもおよばない代物であったということか。

不漁の年の秋刀魚(さんま)の季節がいよいよ到来

不漁だ不漁だとマスコミで喧伝されながらも、いよいよさんまの季節が到来である。秋の刀のような形をした魚(秋刀魚)と書く。ネーミングそのままの、秋の風物魚なのだから、9月にもなったら食べないわけにはいかないのだ。

近くのスーパーで1人前の秋刀魚の刺身を買って食べたのだが、味は決して悪くない。味覚を刺激するだけの旬の勢いがある。見た目もピチピチとしており、初物として味わう感動を与えてくれる。

目黒の「さんま祭り」ももうすぐ開催(9月5日予定)。これからは秋刀魚焼きが美味しい季節だ。毎年、岩手県宮古漁港直送の新鮮な6000匹の秋刀魚が振る舞われ味わえるとあって、地元人のみならず全国からの愛好家が訪れるという。
http://www.owarai.to/meguro/

自宅では中々瓦斯コンロでは焼き難いので、美味しそうな秋刀魚が出ていたら食べてみたいと思う今宵なのでした。

ファザコン政治の象徴、小沢一郎ガールの研究

小沢一郎の記者会見場では、テレビカメラを意識するかのように数名の「小沢一郎ガール」達が陣取っている。ガールと云っても歴とした国会議員なのであるが、立ち居振る舞いがまるで男性俳優に群がる追っかけギャル達にも似ていることから、自然とこのような呼び名が冠せられている。そんな小沢一郎ガールとしてメディアを賑わしている一人が、田中美絵子代議士だ。

田中美絵子
売れなかった過去には出版マスコミ界の仕事で生計を立てていたことがあり、数々のユニークな企画をものにしている。その後、「盲獣vs一寸法師」というエロス的(しかしながらマイナーな)映画にも出演した経験を有している。乳房を露出する彼女の出演するシーンは頗るエロい。まだまだ彼女の女優としての可能性は捨てがたいものがあり、おいらも大いに評価しているのである。その過去の履歴については自民党特捜班が暴露したが、「東京スポーツ」がスキャンダラスに取り上げたことによってマスコミの餌食にもなってしまった。そんな逆境にいても積極的にターゲットに当たるその姿勢は、他を圧倒している。だが何故、田中美絵子代議士は小沢一郎ギャルとなってしまったのか?

ふてぶてしい面構え、独断専行的な態度が、ある一定の取巻き連中にとっては「男らしい」「貫禄がある」「リーダーシップがある」等々の飛躍した評価となって、人格疑わしき類の支持者を集めていく。その結果として導かされるものはまさに、ファザコン政治そのものである。

「ファザコン政治」の特徴は、ある種のマインドコントロールが幅を利かすということである。そこから反面で、正当な批判力、判断力、実行力が阻害されていく。日本のビジネス社会、ある種の封建的な村社会によく見られる現象である。

むさ苦しい組織の論理を優先しようという姿、イメージが表出されている。こんな男に一国の最高権力者になって欲しくは無いということを、益々痛切に思うのである。

菅直人氏には「ファザコン政治の一掃」を公約に掲げてもらいたいものだが、だがそれをすれば党内亀裂が決定的になるだろうから、残念ながら現実的には無理かも知れない。

八王子ラーメンの名店「弘富」のネギラーメン

一般的に八王子ラーメンの特徴というものは、醤油ベースのスープ、刻み玉ねぎのトッピング、そしてスープ表面の脂の存在、の3点である。「弘富」のラーメンは、人気の八王子ラーメンでありながら、とても個性的な創作ラーメンとしての様々な工夫が活きている珠玉の逸品なのである。

当店の「ネギラーメン」は、八王子ラーメンの基本の刻み玉ねぎに加えて白ネギがトッピングされていること。やはりラーメンには白ネギが不可欠として考えるおいらのいつものチョイスである。

スープの基本は魚介類の出汁によるものとなっている。煮干、アジ、さんま、うるめ、かつお、さばをバランスよく配合して調合されているということだ。一般的な魚介出汁に比べるととても深いコクがある。

■東京都八王子市明神町 3-11