信州の大町は黒部ダム観光の玄関口として有名だが、民話と日本酒づくりが盛んな町でもある。町なかには三つの蔵があり、それぞれに「金蘭黒部」「白馬錦」「北安大國」という銘柄酒を製造している。
夕方になり街を散策していると、風情ある暖簾のかかった居酒屋が目に付いた。その一軒に入ってみたところ、「原酒3点セット」というメニューが飛び込んできたのだ。おいらは迷うことなくそれを注文。グラス製の洒落たお猪口に3種の原酒を注いで出されたその光景は、目と嗅覚とを虜にし、喉に流した原酒はピリリとしてとても刺激的に感じられた。
東京では中々こんな体験はない。まさに大町でしか体験できない種類のものだったと云えよう。いつかまた大町に来て、ここの日本酒酒場を踏破したいと、密かに願ったくらいなのでありました。