新宿西口の思い出横町に向かった。目指したのはモツ焼きが美味しい「ウッチャン」という店である。
最初の注文はもちろんホッピーである。すると店員は冷凍庫からカキ氷状のものが入った容器を取り出し、グラスに入れたのだ。それこそがこの店の名物。キンミヤ焼酎を凍らせてカキ氷状にしたものをホッピー飲料で割り、特別なホッピーを提供する。これをシャリキンホッピーと云う。カキ氷状のキンミヤ焼酎を入れたグラスにホッピーを注ぎ入れて味わう。これがもつ焼き「ウッチャン」の流儀なり。
世にも稀なるシャリキンホッピーに口をつけると、まず初めには苦味走ったホッピーのほろ苦さが咽をくすぐる。そしてその後に襲ってくるのが、キンミヤ焼酎のキーンと来る刺激なのだ。カキ氷の姿と化したキンミヤ焼酎はグラスの表にぷかぷかと浮かんでいて、口をつけたおいらの唇、舌面、咽越しに、ピリリと刺激を与えていく。ぷかぷか浮かんでいるキンミヤ焼酎カキ氷のアルコール度は結構高いのである。心地よい刺激である。これこそホッピー文化が育んだ呑兵衛にとっての理想郷に近いものがある。