関東地方も梅雨に突入したという。梅雨の訪れとともに、色鮮やかな紫陽花が目に付く季節でもある。紫陽花の花言葉とは「移り気」「高慢」「辛抱強い愛情」等と云うことだが、場の状況や時間の推移とともに花の色を移り変えていくということからも「移り気」というのが最も的を得ているように思われる。何しろ「七変化」と云えば女性の心と紫陽花の花弁と考えていたほうがよさそうである。紫陽花とはこの季節でしかまぐわうことのできない花なのであり、特別な興味関心を持って追求していきたいと思うなり。
本日は銀座散歩をするおりに、ふと「ガクアジサイ」の咲き誇った姿に遭遇したのである。これはよく古里の寺に行くと沢山棲息している。派手さはないが地味なりにとても色鮮やかに己を主張している品種なのだ。よくみる紫陽花はといえば「セイヨウアジサイ」という品種で、これは丸く赤、青、紫といった紫陽花色を満遍なく主張しておるのでそれはそれでとても紫陽花っぽいのだが、何となく白々しい思いを禁じえないものとなっているのである。
雨露の季節とともに、紫陽花は開花するのである。それまでは暑さでしおれているように見えていた紫陽花の花弁は、雨滴の染み入る花弁となることによって、ピンピンと生き生きした様がとても興趣をそそるのである。