安原顯著「奇人・怪人伝 シュルレアリスト群像」を読む

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安原顯(安原顕という表記もある)の著書「奇(奇の字は田へんで難しいので変換できない)人・怪人伝」を古書店で見つけたので読んでいるのです。※もっと普通に書くならば、安原顯の「奇人・怪人伝」を古書店で見つけたので読んでいるのです。

安原顯と云えば、相当に個性的な編集者だったようである。「個性的な」と書いたのはいわゆるひとつの愛嬌であり、相当に憎まれ嫌われていたと云うのが、もっぱら世間一般の評価だ。そんな安原顕が今頃になって脚光を浴びているのかと云えば、ベストセラー「1Q84」の作者こと村上春樹先生との関係からであろう。「1Q84」に登場する辣腕編集者こと小松は、安原顕がモデルになっているという言説が、村上フリークのみならず幅広い文学愛好家たちによって囁かれているくらいなのである。村上春樹作品の、しかも社会ニュースにも取り上げられているベストセラー小説のモデルとして名前が取り上げているのだから、本人もさぞかし草葉の陰から喜んで見ているのだろうと想像する。

ところで些か前置きが長くなったが、安原顕の著作についても触れておこう。「奇人・怪人伝 シュルレアリスト群像」と云う書を先日は古書店にて目にして購入したのだった。副題に「シュルレアリスト群像」とあるように、そうとう「シュールリアリズム」のアーティストたちに対する尋常ならざる強烈な思い入れを感じ取っているのだろう。早稲田大学文学部仏文科を中退し、大手出版社に入社。その後は輝かしきキャリアに彩られていたようである。だがしかし、晩年はといえば、そう幸福ではなかったようなのである。

飲み屋に行くとたびたび目にする光景。>>「おれは早稲田出て出版やっていたんだ。村上春樹はおれが育てたんだ。知らなかっただろう!」等といったおやじのボヤキなどが聴こえてくるのである。

さてさて今日のブログはここで止まってよしと幕を閉じる訳ではない。安原顕の「奇人・怪人伝」についてももう少し触れていこう。
(以下、この稿続く)