多摩の富士森公園で観る桜も、桜吹雪が舞っていて綺麗でした。そして、良寛和尚が詠んだという有名な一句「散る桜 残る桜も 散る桜」を想い起こさずにはいられないほどの、春うららの日和でありました。
この一句、良寛先生の辞世の句という説もあるが、定かではない。これほどに決まった名句を、辞世の句として詠めたとしたら、天才中の天才としてその名を歴史上の至るところに記すことになることでせう。だがそんなことはなかったらしい。とても人間的な良寛和尚の、陽春の頃に詠んだ一句だと想いたい。命の表象としての「桜」の、さらに晩年の命としての「散る桜」。それは生命力を全うして散っていくという姿を表象しているのかもしれない。ところで今年の開花前線は、専門家泣かせであったらしい。寒かった春が一挙にポカポカして陽春を主張し出したのだから難しいのだろう。「女心と春桜」という一句を詠んでみたのだが、全然決まらぬ。