真央ちゃんといっても浅田真央ではなくて井上真央である。井上真央といえば、映画やTVドラマに引っ張りだこの当代きっての人気アイドルである。可愛らしいのはもちろんだが、同じ人気アイドルの新垣結衣、戸田恵梨香たちと比較して、凛とした気品がある。愛くるしいだけのおバカタレントたちとは一線を画していると云ってよい。
かつておいらは、カード評論家として数多のアイドル・テレカを評価鑑定していたことがあった。
「必勝アイドル・テレカ虎の巻」
それらは「必勝アイドル・テレカ虎の巻」(JICC出版局発行)の1冊にまとめたのだが、今の時代がもし、テレカ全盛の時代であったならば、井上真央のテレカは間違いなく、超の字の付く程のプレミアム的価値を生んでいたはずである。たんに人気の高いということにプラスするαが、井上真央の何処かに潜んでいるのである。企業CM関係者にとっては、もっともスカウトのし甲斐のあるアイドルであったのだ。
今回彼女が起用されることになったのが、みずほ銀行のカードローンCMである。「カードローン」などと小奇麗な呼び名で繕われているが、何てことはない。所詮は消費者ローン、即ちサラ金のCMである。当代きっての人気アイドルをCMに起用することができて、みずほ関係者はさぞホクホク顔を隠せきれない事だろう。
そう古くはない昔には、一流人気タレントといえば、出演するCMのジャンルや内容を取捨選択していたものであるが、今や何でもござれである。吾が国は今ここに来て、ある種のルビコンの川を渡ってしまったのではないのか? という疑念が生じる。行き着く先はといえば、アメリカナイズされた殺伐として味気ない渇きの風景か…。いやいやそんなことはあってはならないのである。