銀座四丁目の三越では最近になって突如改装工事を始めた。あの猛々しいライオン像が見られなくなって、何やらいぶかしい匂いを感じ取っていたのであるが、このライオン像がいつの間にやら他の場所へと移動させられたというニュースを目にした。
新しい移転先は、墨田区内の三囲(みめぐり)神社だという。だが、ネット上でいろいろ検索していくと、このライオン像は、閉店した三越池袋店にあったものらしいのだ。簡単には移動させることもできないであろう、重々しい青銅製のライオン像というのも一致している。もっとよく調べてみれば、もともとライオン像は日本橋本店に周囲を睥睨するかのようにあったというが、いつの間にか銀座店、池袋店などに模造品が建てられたというのだ。
我が世の春を謳歌していた時代のライオン像は、とても厳かに映っていたが、今になってみれば、幾つもの模造品の引き取り場所にその身を隠すように居るのだろうか。いずれにせよ銀座三越のライオン像は、この場所から離れることなく生涯を全うしてほしいと願いのである。