北尾トロ著「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」を読んでいる。単行本の刊行が2003年11月(鉄人社)で、文庫本化は2006年7月(文藝春秋社)である。この数年間「裁判員制度」導入による動きから、一般の関心が高まって来たのにつれて、本も売れ続けているようだ。ブックオフのお勧め本のコーナーに積み重ねて置かれていたのだ。
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本の中身はと云えば、「裏モノJAPAN」という雑誌の企画で連載されていた記事をまとめたもの。ひょんなことから裁判を傍聴することになってしまった著者が、全くの素人としての目を通して面白可笑しく、ときに不謹慎ととれるあっけらかんとした好奇心を武器にレポートしていくのである。おいらも著者とは面識があり(魚仲間の1人なり)、本人のキャラクターを十全に発揮した切り口がモットーとなっている。そのあまりに軽薄な描写は、事件レポートには相応しかねると思えるのだが、裁判の現場を知るという意味において役に立つものとなっている。
しかもこの本を元にして、同名のコミックが発行され人気なのだとか。映画やTVドラマ化もされていくようで、時代のポジションに乗っかっているかのごとくなり。作家とはどこでどういう売れ方をするのか、とんと判らないものである。
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