久しぶりに「バカガイ」別名「アオヤギ(青柳)」の刺身を食したのだが、これがツルリとした食感で愉しませてくれたのだった。たしか我が国でも平安時代の頃から食用に供されていたというものであり、江戸時代に入ればポピュラーな寿司ねたとして流通されていたとされる。名前以上に珍重されるべきねたであることは間違いない。
中身は綺麗なオレンジ色の色味で魅了させてくれる、別名「バカ貝」との異名をとるのが「青柳(あおやぎ)」である。食感もまたつるっとして独特の風味を感じさせてくれる。決して侮れないこと請負である。二枚貝の外見はと云えば、蛤にも似ており、其の昔は江戸前寿司ネタの主要アイテムであったと云うことだが、最近はそんな姿を隠してひっそりとしており、マニアックな食通の舌を唸らせているかのごとくである。其の身の視覚的印象は、べろっとだらしないように舌を出したかの如くでもあり、そんな風体から「バカ貝」との嬉しからざる命名をされたと云う説がある。或は「馬鹿に捕れる」と云った、とても捕れて嬉しいのだと云う、本来は賛嘆すべき形容がその謂れであると云った説も根強く流布しているのだ。どちらの説が正統であるか? といった試みには、残念ながら手立てを失っているのであるが、それにしても、「青柳(別名「バカ貝」)」のしっとりとした食感にはいつに無く舌鼓であったのである。
「小林活夫のブログ」カテゴリーアーカイブ
ブリの煮付けを、行く冬を惜しみつつ味わった
寿司ねたにはいまいちだが、酒の肴としてはいける「アボカド」
アボカドを酒の肴、つまみとして、所謂つまみ食いをしたのだった。何時ごろからだったのだろうか? 寿司屋のねたケースに乗っていたのを見つけて、試しにとその「アボカド寿司」を食べてみたのだが、その当時には全然ピンと来なくて、それ以来おいらは、アボガド寿司は邪道であるとの一念を通してきたのではある。然しながら先日、わさび醤油につけて食した「アボカド」は、其れまでの思い込みを払拭させるべきほどのインパクトでおいらの味覚を刺激していたのであった。これは酒の肴に打ってつけであると確信すべきものではあった。
メキシコと中央アメリカが原産とされている。然しながら近頃では国産のアボカドも生産されているのであり、秋期に収穫された国産のアボカドが充分な熟成を経て出荷されている。おいらの狙いは実は、そうした国産のアボカドなのである。
狂い咲きした今年の上野の桜たち(夜桜編)
今年の桜は例年よりも1週間以上も早い開花であるということから、一般ニュースにもこぞって取り上げられている東京の桜たち。いち早く咲き誇っているという姿を見たくて上野の不忍池界隈へと歩を進めていたのである。
到着した時間は既に日没を過ぎており、宴会が禁止される午後8時にも近いという時間帯であった。何度か訪れたことのある上野不忍池周辺には、おびただしいくらいの観光目的な人間があふれていたのであり、その一部人間たちは青いシートやらを目印に陣取っての酒盛りに興じていた。世に云うところの「花見」の光景ではある。散策する一般観光客たちとはある種のバリアで隔てられているのだが、それにしてもこのような光景はこの時季ならではのものである。今日を過ぎては出遭うことの叶わぬ光景なのかとも感じ取っていたのである。
夜桜のビューポイントには、スポットライトが当てられて、夜なのにまるで生温かな空気が行き来しているかの錯覚にとらわれていたかのようでもある。仄かなピンク色した桜の花弁の集団的息遣いに、息をひそめて観測していたのであった。
枝豆をよく見れば立派で麗しい姿形をしている
大豆を成熟する前の幼い枝をつみとって、茹でて出される料理が「枝豆」というメニューだ。枝つきの豆房を「枝豆」として称したことが命名の根拠ということである。此れが和食店や居酒屋にては、しばしばつけだしとして提供されることが多い。
ついつい何の気なしに口に運んでしまうのだが、よく見ればとても立派で麗しい姿形をしている。強固な豆を内にふくんでプクリとした房に、枝から刈り取った野性味あふれるえだが支えている。こんな絵になるべき食物はそう多く存在するわけではない。
これから春から夏にかけての季節は、枝豆がとても美味しくなる、云わば旬を迎えるのであり、枝豆の有難味を認識しながらあじわっていこうと思った次第なのである。
「八王子ロマン地下」の「沖縄食堂めんそーれ」の「ゴーヤチャンプル」
「八王子ロマン地下」は昼は昼食を提供し、夜には個性的な酒場が出現するスポットであり、時々足を運ぶ好みのエリアである。ここの店舗は時々入れ替わっている。つまりは繁盛店はそのまま生き残りつつ繁盛しない店は潰えていくという、ある種の世の世相を反映するかの現象を見る思いではある。近頃足を運んだときには、「沖縄食堂めんそーれ」という沖縄料理店に目がとまり、同店の「ゴーヤチャンプル」を食したのであった。
同店ホームページのメニューの欄にはこうあった。
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ごーやちゃんぷる
沖縄と言えばこれは絶対外せない!ごーや、沖縄豆腐、ポーク、そしてタマゴが入った沖縄野菜炒めです。
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PR文にも気合が入っていたのである。さらにはとても苦味と旨味が一体化した同店の代表メニューの「ゴーヤチャンプル」に舌鼓を打っていたのであった。沖縄の味であり、しかも苦瓜(ゴーヤ)の苦い旨味が満点である。
■八王子ロマン地下
http://hacchika.jp/
■沖縄食堂 めんそーれ
http://hacchika.jp/shop/shop16.html
春の息吹を感じるたびに小金井「大黒屋」の「ふきとう味噌」が味わいたくなる
春の息吹を感じるたびに味わいたくなるのが、小金井「大黒屋」の「ふきとう味噌」である。ふきのとうの芽を細かく刻んで、味噌と味醂などで合えて、竹べらにつけて、炭火でじっくりと焼いて出される。手が込んでいるがとても素朴なふきのとうの香りが漂ってくる。
此れを味わうために毎年此の時期になると、武蔵小金井駅に途中下車して、大黒屋へと足を運ぶのである。
デジカメを取り出して撮影していたおいらに対して、同店の女将は「黒すぎて何も写らないでしょう」と声をかけていた。「いえ、明るく撮っているから大丈夫ですよ。香りが匂って来るような写真が撮れそうですよ…」などと答えていたおいらであった。すると女将はある一定の間を置いて、「黒くて見えなかったら、店に食べに来てくださいね…」と、珍しく個人的な感想を口にしていたのだった。いつの間にかおいらが当ブログにて「大黒屋」のことを記していたのを知ってしまっていたらしい。おいらも少々照れくさかったことは間違いない。
■大黒屋
東京都小金井市本町5-17-20-101 1F
風雪に耐えて芽吹いた我が庭のチューリップ&アネモネ
思いの他に苦い「佐原屋」の「ニガ玉」はかなりのおすすめメニュー
御徒町駅ガード下界隈の居酒屋「佐原屋」には、他店には無い数々の逸品メニューが存在する。当ブログにてもこれまでいくつか紹介してきているが、おそらくこれが初めての紹介コメそのントとなるだろうものが「ニガ玉」である。「ニラ玉」ならぬ「ニガ玉」なのであり、苦い卵料理だ。一言で述べれば其れは卵料理の一種である。ニガウリことゴーヤを用いた苦い卵料理と云えば良いだろうか、苦味走った味が口腔内を直撃する。そのニガウリの量が半端でないので、口にする瞬間において「苦い‥!」という感嘆の呟きを発することが必至となる。
味覚の領域において、味のカテゴリーは6種とも7種類とも云われるが、こと「苦味」をシンプルに味わうにはニガウリことゴーヤをおいて他の食材は見つからないのである。苦味はこと人生においては避けたいジャンルのひとつではあるが、料理の領域においては決して避けるべきものにあらずなりである。
満開の河津桜の下に土筆を見つけた
漸く春の気配が漂う中で、逸早く桜が見たくなった。伊豆に行けばきっと満開のらに桜に出会えると思って、電車に乗って河津に向かった。今年は極寒の冬が続いたことから河津桜の開花も2週間程度遅れていたということであり、ちょうど今が満開の真っ盛りとなっていた。当初に予定されていた「河津桜祭り」は昨日10日に終了したが、引き続き「かわづ春うららまつり」として、3月11日(月)~3月17日(日)の間、開催されている。まつり会場となった河津川沿いには多くの露店が並んで旅人を迎えてくれた。「さくらうどん」「桜餅」などの桜にまつわるメニューにはことのほかに目を奪われてしまい、実際にそれらのご当地メニューに舌鼓を打っていた。
桜並木が連なるイベント会場には、併走するように人の踏み入れない場所が確保されており、黄色の菜の花の派手な色彩に隠れるようにして、土筆の芽が何本も何本も地下から土壌に芽生えている姿に遭遇していた。子供のころに見た覚えがあるが大人になってからといえばずっと見たくてもはっけんできない、見つけられない姿かたちなのであり、とても大きな感動とともに立ち尽くしていたのであった。
phaの「ニートの歩き方」は、読む価値ある面白さだった
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結構意外性もあり面白かったという感想に満ちていた本である。作者のpha氏については、おいらも詳細を知らないが、過去に京都大学を卒業して著名企業に就職して後にニートになったという人物であるらしい。その後においてpha氏はニートという自らのスタンスを基準にして様々な提言をしているようである。この「ニートの歩き方」という著書
はまさしく、ニートになるかもしれないし、なりたいなという願望を抱いている人達に対しての、指南書的な書物ではあるが、しかしながら、ニート以後の生活スタイルにまて論を展開しているのであり、決してハウツー本の類とは異なるのであり、一線を隔てているある種の正統的書籍の佇まいである。
「Facebook」の成り立ちをドキュメント的に描いた映画「ソーシャルネットワーク」にはがっかり
DVDにて映画「ソーシャルネットワーク」を視聴した。ご存知のように「Facebook」の代表者ことマーク・ザッカーバーグが「Facebook」事業を成功させるまでの成り行きをネタにして興行的にもヒットした映像作品である。だが遅ればせながらに視聴してみれば、「Facebook」の成り立ちをドキュメント的に描いた映画「ソーシャルネットワーク」にはがっかりという思いを強くしていたのだ。
主人公のマーク・ザッカーバーグを一言で述べるならば、彼はひじょうなスキャンダラスな経営者である。彼はまず、ハーバード大学生の当時に付き合っていた美貌の彼女から振られた腹いせに、女子大生を格付けするサイト「Facemash.com(フェイスマシュ.com)」を立ち上げて注目を浴びるが、そのプライバシー侵害的お宅サイト作成が元で、大学からはおとがめを食らうことになる。そして次なるスキャンダルである「facebook」の作成へと向かうのだが、その彼の人生の多くが訴訟にまみれており、映画のストーリーの2本の柱の1本が、「facebook」をめぐるスキャンダラスな法廷映像で占められていたのであり、少なからずに辟易する気分にじゅうまんされていたのた。
法廷でのやり取りの様子を見る限り、サッカーバーグは何も確固たる信念をもたないひ弱なお宅である。こんなお宅が、ビジネス界で成功するのだから恐ろしいといえばそれまでなのだ。ふられた相手である元彼女に対しておこなった行為は極めて卑劣であり、我が国のストーカー規制法に抵触するであろう以上に、偏執的な臭いを振りまいていた。ただプログラミング的能力に長けていたというだけで、今日のITビジネス界を牛耳ることのできるサッカーバーグやフェイスブックには、極めて強い失望の念を抱いたのである。
「ふぐの一夜干」は低カロリーな逸品のメニューだ
人気No.1の街こと吉祥寺の横丁を散策した
本日のニュースでは吉祥寺での殺害が、深い関心と共に報じられている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130301/crm13030110090002-n1.htm
人気度ではナンバー1、住みたい街の1位にランクされるというくらいな吉祥寺にてこのような殺戮が行われてしまったことへの驚きは、おいらも含めて大多数の日本人の抱いた思いではなかろうか。かつて吉祥寺に住みたくても経済的等々の諸事情で諦めてきたかつての記憶の思い出がだぶって、とても落ち着かない気分でいる。住みたかった街の事実はどうなのだろうかと云う思いも手伝って、吉祥寺駅に途中下車してみたのだ。
殺害現場となっている場所は北口から数分の繁華街を抜けてそう遠くないところにあり、そこで殺戮が行われたという事実が信じ難いくらいである。容疑者として逮捕されたのはルーマニア国籍の17歳の少年というのが、より一層に殺害の不可思議さを増長させているかのようだった。
春の味覚である菜の花こと「ナバナ」を味わった
「豆腐ステーキ」は驚きのメニューだった
会津産の「馬肉刺し」は我が国食文化の賜物だ
馬刺しこと馬の生肉を食した。福島県会津産だそうである。長野県に旅して馬肉刺しを食べたりしたことがあるが、久しぶりに口にする馬肉というのは、赤身の生の美味さとでもいうのか、繊細な味わいが刺激的であった。
その見た目は牛肉にも似ている。アメリカでは牛肉と称して馬肉が混入されているという国際ニュースが少し前に報道されたが、そのときの驚きはといえばこれだけ味覚に違いのある馬肉と牛肉の区別が付かないという、アメリカ人の味音痴ぶりに対してのものだったと云えるかもしれない。反面教師的米国の食文化の薄っぺらさを思えば、会津産の「馬肉刺し」は我が国食文化の賜物である。
TPP条約などが今後もし、締結されてなどしてしまうと、日本人の味覚は破壊されと馬肉と牛肉との区別さえ付かないものになってしまうだろう。そして何よりも食の安全性が脅かされることになる。TPP条約反対の根拠はいくらでも存在するのだ。
本日は日本がアメリカの属国となる1歩を踏み出した日、即ちTPP参加に舵をとってしまった日として語り継がれることになるだろう
前々から何度か述べているが、おいらは「TPP」への参加や参加を前提とした動きに対しては絶対反対である。その主張は過去から未来永劫に関して揺るぐことはない。いまどきの流行言葉で云えば「ぶれない」のである。我が国日本がTPPという不当な条約を結ばねばならない理由などは存在しないのであり、全てはアメリカの圧力による日本国の属国化への企みと云うべきなのである。
本日の2013年2月23日という日は、安倍晋三首相による実質的な「TPP」参加を表明した日であり、オバマとの日米の愚かなる密約を結んだ日である。記者会見場における安倍晋三の振る舞いには、みょうに着飾った言葉が羅列されているのだが、それらの多くは随行した日本の官僚とオバマ政権側とで取り引きされた、表現にまつわる一語一句に対する取り引きの影がちらついている。そんな汚わいにまみれた言葉を発する安倍晋三が我が国の最高権力者として居ることに対して、国民の一人としての屈辱感を感じずにはいないのだ。
本日は日本がアメリカの属国となる1歩を踏み出した日、即ちTPP参加に舵をとってしまった日として語り継がれることになるだろうことは明らかである。
冬に美味い「ヤリイカのげそ」を食した
魚肉の赤いソーセージも侮るべからず
上に示した写真は、か日食したソーセージ3種のセット料理。豚肉を詰めたドイツ風のものから茶色い羊肉を用いた「ウインナー」と呼ばれるもの、魚肉を用いたもの、等々の種類が存する。
中でも子供のころからポピュラーで馴染みだったのが、魚肉を使った赤いソーセージ。赤い色はコチニール色素などの着色料からきているのでけっして身体には良くないのだが、それでも愛着はある。ドイツをはじめとする欧州的食文化とは異質なる、日本的食文化の一端をこの赤い魚肉ソーセージが示しているのではなかろうか。
主な原材料はスケトウダラ等の魚身であり、そのままでは見た目の華やかさに欠けることから赤い着色料が用いられるようになったようであり、今でこそ着色料の無い薄赤味色のものが出回っているが、あまり食べた心地がしないというのか、薄味というのか、興醒めに感じることが多いのである。だからこそたまには、赤い色艶のある魚肉ソーセージにありついたりすると、古き食生活などが偲ばれるのであり、けっして侮ることなどできないのである。