秋味の王道はやはり「銀杏」の実を抜きにしてはありえない

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イチョウと云えば今のこの時季に銀杏の実が結実するという特別な樹木である。昨今では冷凍ものも流通するというのだが、今の旬の時季こそは、銀杏の実の炒め物や煎り物が美味しく味わうことが出来るのである。

昨日は秋の今年度の紅葉に対する批判的な書き込みをしていたおいらなのだが、秋の紅葉とそれに伴う味覚を支持する気持ちには変わりがない。ぶれることなど無いのであり、以前よりも高まっているくらいなのである。

秋味の王道はと云えば、銀杏の実を抜きにしては扱うこと等出来ない、あり得ないのだということは確実である。

麗しからざる紅葉の色彩に自然の異変を感じる

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都会で見る今年の紅葉はおしなべて麗しくない。むしろ汚い部類に属するのではないかと思われるくらいだ。赤色は鮮紅には程遠く赤黒く色付いてあり、黄色は黄金色には似ても似付かぬ枯色黄土食とも呼ぶべき色彩なり。こんな紅葉に接した覚えはこれまでかつて思い出すことが出来ない。やはりと云うべきか、自然環境の異変を実感させられるに充分な事象ではある。

今年の秋はまるで素通りされたようである。ずっと暑苦しい夏日が続いていたのが、秋を感じさせることなく急激な気温の低下とともに、冬の季節に突入したのだ。これでは秋を感じさせるいとまなど無きに等しい。悪い季節感をこれからは受領し続けなくてはならないのかと思えばとても心重苦しい限りなのだ。

マイブーム的「大なめこ」はこれから欠かせない食材

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一昔前に「なめこ」というのは小さくてぬめっとした感触が特徴ではあった。成長しきらない途中のぬめぬめ感を強調する様ななめこが、真空パック的な入れ物にてスーパーマーケットの食材コーナーには並んでいた。だが、近頃ではそんな昔式のなめこを横に見ながら、大きな生々しいなめこが見入られることが多くなっている。

実はおいらも近頃の大きななめこが大好物なのであり、味噌汁や蕎麦の付き合わせにはかかすことが出来ないのだ。

本日も味噌汁に大なめこを使用して、明日はたぶん、蕎麦かうどんの汁にこの大なめこを食べ尽くすのであろうと思うのである。

上野アメ横の屋台でエスニック的「マーランタン(麻辣湯)」を食す

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上野のアメ横界隈を歩いていると、先頃では中華屋台風の店舗に出会すこと多くなった。脂ぎっとりの肉食関係は控えているおいらだが、エスニックな香りにに惹かれて度々は屋台に立ち寄ってしまうのだ。今回立ち寄っていたのは「マーランタン(麻辣湯)」が看板にしていた台湾系のアジアン屋台店だったかと思う。焼き小龍包やら餃子、焼売類が豊富に提供される中でも「マーランタン(麻辣湯)」は一押しメニューであった。

「マーランタン(麻辣湯)」というメニューは、豊富なアジアン野菜類のスープに加えて春雨がただよっており、アジアンな極辛の辣油を調味料にして味付けがポイントのアジア的麺類の一種である。所謂中華料理とは一線を画しているから、アメ横を訪れる観光客の誰もに関心が持たれている、云わばアメ横的メジャーアジアン屋台の逸品である。

下町四ツ木の居酒屋「ゑびす」を探索

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前々からとても気になっていた東京下町の居酒屋「ゑびす」を探訪した。「四ツ木」駅を降りて10分弱ほど歩くとその店は在った。訪れたのは開店時間に合わせて午後4時にほぼ近くの時刻。ちょうど店員が大きな暖簾をかけていた最中であり、そんなスタッフを横目にドアを開けたのだが、そうたところで「其処は常連さんの席なので、あっちから入ったください」という女将の声。云われるがままに反対側の扉を開けて席についた。

ところでさる本からの情報によれば、此処「えびす」は地元の呑兵衛たちに支持される名店だということだが、その実態が想像できないままにいた。何しろメニューの数がべらぼうに多いという。場末の居酒屋でまかなえる数ではないのかと感じていたのだ。そして実際にカウンターの前には膨大な量のメニュー短冊が掛かっていた。しかも其れを見て注文する客のオーダーに対しては全てを受けており、欠品は存在しないかのようなのだ。

大量のメニュー短冊の中からこれまで口にすることのなかった「カワハギの刺身」を発見したので早速注文した。出てきたものは肝付きであった。カワハギの肝を山葵醤油の中で交ぜて味わったカワハギの身は想像以上の美味。肝と身の相性が抜群であったのだ。さらに二品目には、常連客の注文が多かった「肉豆腐」にほっこり。薄めの味付けが優しくて玉ねぎの甘さがじんわりと出ていて、居酒屋メニューとしてはとても評価高なのであった。そしてさらなる三品目には今や珍しくなった「ドジョウ鍋」にもありつくことができたのだった。

もしかしたらこの「ゑびす」という居酒屋こそ、呑兵衛にとっての理想的な一軒なのかもしれないと思わせるに充分なのてあった。

■ゑびす
東京都葛飾区四つ木1-32-9

「生タコの刺身」の吸盤に舌堤みなのだった

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生きていた生のタコを切り裂いて提供される「生タコの刺身」とやらを口にしていた。調理場では数分前には生きていたタコがその身を動かす姿が見て取れていた。こんな生のタコを目にするのは、かつて北海道を旅行していた時以来である。

吸盤がコリコリしているのは今までも出遭っていたが、本日の吸盤はと云えば、コリコリに加えてシコシコとして吸着する粘力さえもが感じさせられていたのである。

通常的に食べている茹でダコの食感に比べて格段に、コリコリとした食感がとても食欲なりをそそぐのである。この写真を見てそのさまを判断していただきたいのだ。

これから冬にかけてこそ味わい深い「ホタテの醤油バター焼き」

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急激な寒さが関東を襲っているが、冬が近づいて旨くなるものの一つにホタテこと帆立貝が挙げられる。丁度そんなことを考えていたときに遭遇したのが「ホタテの醤油バター焼き」。口にしてみたらやっぱり期待を裏切らない美味なのだった。

二枚貝であるホタテを遠火の炭で焼き、醤油とバターで味付けをしたメニューであり、日本料理の王道的調理法でありながら、なかなかこの味は他の食材では生むことが出来ないものである。やはりこの時季からの帆立貝ならではの味わいだ。

しかも帆立貝と云えば栄養的にみて、低脂肪かつ高タンパク、低カロリーなのであり、日常的にダイエットに気を使うおいらにとっても特別な食材だということになる。

ホタテの貝殻に乗せられた引き締まった貝の身が見た目もそそる。これから冬にかけては逸品の、殻付きでこそ食べたいメニューなり。

「里芋と鱈の子の炊き合わせ」にほっこり温まった

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地元の居酒屋ではおすすめ的メニュー欄に「炊き合わせ」というメニューが載っていた。その食材等を聞いたところ里芋とあれこれということだったので、注文して味わったのである。

提供されたのは里芋、人参と、鱈の子供であり、所謂「たらこ」であった。おいらのような通風持ちには禁忌的な食材なのであった。幸いにおいらの身体には今までのところ異常が起きていないので、ラッキーであったというべきであろう。

白子料理はポン酢にかぎる「白子ポン酢」に舌鼓

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冬が近づく今頃の季節になると、「白子ポン酢」というメニューがお目見えする。主に冬に収穫される鱈(タラ)の精巣がその身の食材である。ポン酢でしめたこのポン酢和えが一般的な料理ではある。見るだけで冬の到来を感じさせる。

近頃では鍋料理にもこの白子が使われるというが、勿体ないことこの上なく、やはり白子はポン酢に限るのである。

つるつるっとした食感に、奥深いほんのりとした甘さと旨み。たんぱく質が豊かであり、ビタミンDやビタミンB12といった成分も豊富な食材である。

最大の 難点は「プリン体」が多いということで、通風もちのおいらにとっては鬼門的食材なのだが、それでもたまには口にしないとおさまらない。有り難くもあり危険 でもある、扱いが難しいことこのうえないのである。

「マグロのユッケ」の美味さを発見

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牛肉のユッケは食べる気にならないが、マグロのユッケと云う興味深いメニューに遭遇し、注文してみたところ、これが意外や意外の当たりなのであった。

叩いたマグロの身を辛めのタレにつけて、その上にウズラの卵の黄身が乗っている。いつものマグロ刺身とは一風変わってマグロ料理の新しいハーモニーを奏でていたのを発見したのだった。卵の黄身はマグロの身をまろやかにさせてマグロの甘みを際立たせている。

朝鮮料理の調味料にはユッケダレというものがあることは知っていたが、まさか生マグロに似合うとは知らなかった。生マグロとこのユッケダレがあれば家でも簡単に出来る料理らしい。今度は家で調理してみたいと思わせるメニューなのだった。

第二の故郷こと上州「たくみの里」を散策したのだ

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おいらの出生は上州の都こと前橋なのであり、さらにその出生をたどるなれば、上州の旧新治村の「たくみの里」ということになる。

夏休みやその他定例の休暇があればよくこの場所に通っていたものである。夏休みの一時には必ず其の地に居を得ていたのだ。其れくらいにおいらと母の出身地であるたくみの里との繋がりは深いのである。

 

秋の季節の「マグロの二色丼」に食欲満点

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我が国の刺身の代名詞であるのがマグロの刺身。そんな一般的なマグロの赤身と、ビンチョウマグロとを二色に丼にあしらえて提供したのが「マグロの二色丼」である。

一般的なマグロの赤身に加えてビンチョウマグロという二種類二色のマグロの旨味を丼に押し込めたというべき、絶品の味わいではあった。

東京都内で天然の虹を見た

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秋の季節の乱れ頃かと思われる本日、降ったり止んだりの雨模様の間の、一瞬の雨上がりの空には天然の虹が掛かっていたのを発見し、しばしの間見とれていたのだった。

眺めていた虹はと云えば虹色と云われる7色の光彩が弧を描いており、得も云えぬ光景だった。都会の空に見た虹は十年以上なかったことなのである。

虹を見た想い出としてはっきりしていたのは、かつて「いのちの祭り」が開催されていた長野県大町地区でのものだった。調べてみたら2000年8月の開催だったから、13年以上昔のことになる。

http://www.ultraman.gr.jp/peace/

雨模様だったその日の、一瞬の間に現れた日の光に照らされるかのように、奇麗な虹が掛かっていた。天空から地上への架け橋にも見えていたものである。

たまには東京という大都会にも、天空から大地への架け橋の様な一筋の虹がかかる。ささやかでひそやかな願いを込めて虹を見ていた。

寒さが染みる季節に「ブリの照り焼き」は旬の味わい

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冬に近づくにつれ日本海のブリには脂がのって旨さを増していく。ところでブリ料理と云えば、ブリ刺し、ブリのアラ煮、ブリ大根、等々の豊富なメニューが挙げられるが、忘れてならないのが「ブリの照り焼き」。

照り焼きとは、醤油に砂糖や味醂等の甘み成分を加えたタレを塗りながら艶を出して焼き上げる調理法也。オーブン等で上からじっくりと時間をかけて焼く調理法が一般的である。

照り焼きの調味料はつやを出しあたかも照りを生むかのごとくであることから照り焼きというネーミングが生まれた。そもそも照り焼きという調理法自体がブリの為にあるくらいにベストマッチングなのだから外せないのだ。

寒い季節にはいっそうに脂が乗って旨味を増すブリは、照り焼きの材料としてはこれ以上ないくらいなのだ。甘過ぎるくらいの濃い目の味付けも、ブリ照り焼きならば納得である。

食べる途中に箸を置いて眺めると、黒光りするブリの存在感に目を奪われていた。煮詰めた照り焼きのタレは黒々として照りを表現しているかのようだ。

上州前橋の「魯炉家(ろかや)」のユニークな薬膳カレーライス

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上州前橋の古里では先日来から「魯炉家(ろかや)」という看板などとても面白い店が気になっていて、ランチタイムに訪問し、一押し的「薬膳カレー」を食べたのだった。

見た目は普通の日本的なカレーライスだが、朝鮮人参などの薬膳的食材が用いられている。メニュー表には朝鮮人参のほかに、丁子、冬虫夏草、クコ、サンザシ、等が用いられているという。朝鮮人参とクコの実くらいしか食べた記憶がないが、やはり薬膳特有の苦くてピリリとした舌触りを感じていた。

ちょうど古里の気候も午前中の台風がらみの雨足が遠ざかったときでもあり、その「薬膳カレーライス」の仕業か否かは判然としないが、何やら身体の中からホカホカ、ポカポカとしてきたことは確かではある。

古里でまた面白い店を見つけたようである。

■魯炉家(ろかや)
群馬県前橋市南町3-42-5
027-243-7042

秋田のオリジナル駅弁「うめどー まず け!」を味わった

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秋田への旅行中は、地元名物の稲庭うどんばかり食べていた。つるつるとしてのど越しの良い稲庭うどんはさっぱりしていて何杯でもいけそうなくらいであったが、炭水化物ばかりの食ではさすがに飽きが来る。帰りの列車に乗る前に購入した駅弁の「うめどー まず け!」は、そのネーミングの面白さも相まって愉しませてくれた。

そのネーミングの意味はと云えば、標準語では「美味いけど不味い」という連想さえ掻き起こすが、愛知の方言で云うところでは「おいしいので、とにかく食べてみて!」という意味だという。まったく逆の意味をもじったような云わば逆転の発想的なネーミングの駅弁ではある。

そしてその味わいもまたご飯が冷めて食べることが基本としての駅弁の基本的要素を逆手にとって、満足できるものだった。秋田フキの炊き込みご飯や、いぶりがっこのピカタなどの、10品あまりを詰めた素朴なものだ。ご飯はあきたこまちそのものの美味さを味わえる。

この駅弁は、秋田デスティネーションキャンペーンのオリジナル駅弁コンテストで金賞を受賞したということでも注目されている。

「あさりバター」で甦るあさりにまつわる想い出

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「あさりバター」を食した。酒浸りの身体にとっては肝臓に優しく、二日酔い予防にもなる。二枚貝の有り難さを感じ取ることこの上ない。数ある魚介類の中で「あさり」は、おいらにとっても、幼少の頃から最も身近な食材であり、つねにことある毎に口にしてきたものではある。それなのに日常的にはあまり存在感を感じることがなかったのは、ある意味では残念なことなのだった。

薄れた記憶をたどれば、小学生時代に1〜2度は千葉県内の遠浅海岸にあさり刈りに出かけたことがあった。内房総のどこかであるが其の詳細は未定のまま也。慣れない手つきであさり狩りを行なった記憶がこびりついている。何処かであさり狩りが特別な体験だと刷り込まされていたのかもしれなかった。

上京してからはあさり料理もよく食した。あさりの味噌汁、あさりの酒蒸し、そしてあさりバター、たまには中華料理の老酒漬けやイタリアンのあさりパスタ、等々のメニューがおいらの胃袋を満たしていたのである。だがなぜかその存在感は薄いままであったのだ。

世間一般的には肝臓の友として「しじみ」の効用が蔓延しているからなのかも知れない。だが「あさり」はそれ以上に優しい想い出として染みじみとした想い出とともに感じ入るのである。

「生姜の酢漬け」を試してみた

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両親が高齢なこともあり、毎週帰省している。食事を一緒に摂ることも少なくないが、先日89歳になった父親が好む食卓の隅には「生姜の酢漬け」が乗っている。鮮度の良い生姜を酢に漬けて、そのまま丸かじりするといった代物である。あまりつきあいたくない、つきあおうという気持ちをそぐかのごとくなメニューだが、妙に気になってしょうがなかった。そんなところで同様の居酒屋メニューがあることに気づいて試しに口にしてみた。

居酒屋では「谷中生姜」「谷中」などという名称でも提供されている。茎が長くてピンと張っているのが特徴であり、鮮度の良さが視覚的にも実感出来る。まずピリリとした刺激が舌を刺し、喉を行き交い胃袋に送られるところのものは特別な存在感を示して通り過ぎる。胃袋に働きかける食材としては最良のものかも知れない。弱った胃袋には意外に効くかも知れないのである。

今季の初の鍋料理は「牛のもつ鍋」だった

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今季の初の鍋料理は「牛のもつ鍋」だった。云わば初めてのもつ鍋は、もつが少なくて其の分野菜のエキス、旨味といったものを享受することができたのでラッキーだったのだ。とても温くさせていたのだ。今季初の鍋としては例年になくラッキーなメニューであったというべきである。

コラーゲン豊富な「牛すじポン酢」

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「牛すじポン酢」などという奇妙なメニューが目に付いたので注文してみたら、何のことはない、牛筋の煮こごり的なものであった。

一般的な「煮こごり」といえば、魚のゼラチン質を集めて冷やしてゼリー状に固めて提供されるものを指している。今回の料理の食材は魚ではなく牛筋であったということで、至極もっともなるメニューの一つだ。牛筋の煮こごり的なものはかつて様々な状況で遭遇し目にしていた。主に牛筋を扱った料理の残り物的なものとして目にしていた。それをたまたま口にしたら美味だったという記憶が残っている。

ならば牛筋を使った煮こごりがあって然るべきであったのだが、巡り合ったメニューは牛すじの煮こごりではなく「牛すじポン酢」というのだから、何とも複雑な心境にとらわれてしまった。まるで「煮こごり」が魚限定のメニューとするべき業界的な談合があったのではなかろうかという思いが頭を掠めた。

それはそうとして、煮こごりの成分にはコラーゲンが多く含まれている。魚類であれ牛筋でありその他の食材であれ共通に、なのだ。近頃では鍋料理の具として「コラーゲン」の塊が出されることもある。だかそんな人工的なるコラーゲン玉より以上に、牛筋からとったコラーゲンが有り難く、健康にも寄与することは云うまでもない。