初夏のブリもまた美味だった

buri01
鮮やかなピンクに彩られた初夏のブリは、寒ブリとして評価の高い冬のブリ以上に脂が乗っているようにも見えた。そして想像していた以上に美味であった。

我が国の大型肉食魚としては代表的な出世魚が「ブリ」である。ハマチが成長してブリになるが、特に冬季のブリは「寒ブリ」と呼び、脂が乗って旨いというのが定説であるが、冬以外の季節にもブリは収穫されており、全国的日常的に食されている。養殖魚として出回っているハマチとは味わいも旬度も桁違いに上まわっている。

和食の典型定番的「肉じゃが」でほっこりなのだ

nikujaga01
居酒屋にて「肉じゃが」を食した。とてもしっとりとして定番的なメニューである。豚肉とじゃがいもという食材がこれくらいに特筆されるのは、まさに和食的メニューの筆頭的な代物であるのに依っているのであろうと思われる。

少し前には旬を迎えた「新じゃがいも」は、通常の年を通して流通されるものに比べてみれば、まずは皮が薄く柔らかく、大きさは小振りである。固い殻を纏う前の、いくぶん無防備な姿かたちを印象に写し取る。半面で見ればそれだけ瑞々しい細胞に満ちていることでもある。肉じゃがのケースに限らずこの季節の新じゃが料理は、カットすることなくそのまま丸ごと使う。しかも皮も剥くことなく丸ごと使用するのが定番である。角が無く丸い姿かたちの新じゃがは煮崩れすることもなくて、丸ごとほくほく。こんなメニューは春ならではと云ってよい。通年的なじゃがいもの皮はアクが強いためになかなか口にすることは難しいのだが、丸ごと調理に向き、薄皮もまた野性味溢れて味覚を刺激してしまうのだから食べない手は無いくらいなのである。皮が薄く瑞々しい新じゃがには出汁や肉の旨味が奥深くまでに染み込んでいくのであるから、通年食材としてのじゃがいもでは作れないという逸品として通用するのだ。新じゃがいもの相棒食材には、豚肉に加えて、人参、椎茸、獅子唐をノミネートしてみたら、この相性もまたグッド良好なのであった。特に味の染みた獅子唐はまた思いがけなく食欲をそそる料理に仕上がっていた。

「らーめん百馬」は「八王子ラーメン」専門店のニューウエーブ

hyakuma01
八王子市内には「八王子ラーメン」の名店が数十店、百店舗ほどが存在する。濃厚な醤油ベースのスープに刻み玉ねぎのトッピングが特徴の八王子ラーメンを提供するニューウエーブ店が「らーめん百馬」である。醤油ラーメンには珍しく麺は細麺。濃厚なスープを充分過ぎるくらいに吸い込んで喉に入る麺の味わいはド~ンとしたインパクトだ。細麺が八王子ラーメンに適しているかについては疑問があるが、八王子ラーメンの個性的な一杯であることは間違いない。

当店のマスターは研究熱心だと見えて様々なユニークメニューをアピールしている。夏季の近頃のお勧めとして「アボカドとサーモンの冷製和え麺」が目についた。アボカドとサーモンにネギ、紅生姜、刻み海苔、等がトッピングされている。ワサビをアクセントにして酢をかけて食べるのが店主のお勧めだとか。なかなか他に無いユニークメニューなのだ。いつか機会があれば口にしてみたいとも思うのである。

■らーめん百馬
東京都八王子市子安町4-1-5

こんな真夏日には「もろきゅう」の味覚に癒される

kyuri01
まだまだ梅雨の季節以前なのに、強烈な暑さが身にしみる。そんな折にきゅうりが恋しくなり行きつけの居酒屋できゅうりを注文していた。夏野菜の代表格の一つがきゅうりである。瑞々しい生のままで食しても、それ自体で充分美味しいのではある。それにもまして美味しくするのが、もろみ味噌だ。「もろきゅう」というメニューにてもろみ味噌が添えられている。此のもろみ味噌という代物はもろきゅうと共にある。云わばもろきゅうともろみ味噌とは「もろきゅう」の表裏一体的関係を有するということなのた。

「もろきゅう」というメニューで提供されるのが、きゅうりにもろみ味噌を添えたものである。一般的な味噌以上にきゅうりの味覚を高めてくれる。一見したところは味噌の一種にも見えるが、じつはこれが、醤油の醸造過程においてつくられるものだという。麦・大豆・米などとそれらの麹を原料にしてつくられる。味噌よりもあっさりしている分、夏のきゅうりには良く似合うのかもしれない。

東北からの恵みの「ホヤ刺し」を食したのだ

hoya01
おいらが大好きな肴ではある「ホヤ刺し」を久しぶりに口にした。主に東北地方で収穫されるホヤの身は大震災の影響もあり、なかなか口にする機会も減ってしまっていた。だが復興のシンボルとしてのホヤは、ようやく震災前の状況に復活しつつあるようだ。

外見はグロテスクなことからなかなか口にしない日本人も多いというが、この味を知ってしまったら食べないわけにはいかないと云えるくらいに逸品の味わい。軽く酢で〆たものが素材の味を引き立てている。東北の地場食材としてもっとも愛着に満ちた逸品である。まさに東北からの恵みの味だ。

上京して間もない頃のおいらは、「ほや」は食べられなかったと記憶している。原始的記憶以降のものであるので、その信憑性は大である。いつから「ほや」が食べられるようになって、しかも何時からかは「ほや」こそ酒の肴の逸品であると思うようになったのであるから人生はまた不可思議なのである。日本における主な生息地は東北の北東部であろう。一部では「海のミルク」などと称されることもあるようだが、決してミルクのような味わいはないだろう。むしろ、磯の香りがぷんぷんと漂っていて、とてもはじめての人にとっては箸を付けたくないような、そんな香りの肴なのである。

真夏日には宮崎風の「冷や汁」が有り難い

hiyajiru01
春の季節を感じ取ることもままならないうちに、急激な真夏日が襲っている。道を歩くだけで汗がたらたら。汗っかきのおいらにはたまった季節ではない。そんな真夏日に有り難いのが「冷や汁」である。ご飯を入れた冷や汁も美味しいが、晩酌の友にはご飯の無い汁だけの冷や汁もまたいける。

冷やした胡麻味噌ベースの汁に、きゅうり、ねぎ、しそ、みょうが、大葉、豆腐、焼き鯵等々の具材が入っている。焼いた鯵の身が濃厚な出汁となって胃袋に染み入る。九州宮崎県の郷土料理だと持てはやされていた時期もあったが、なんてことは無い、夏野菜中心の具材を材料にしてつくられた、冷製味噌汁という、とてもシンプルで伝統的な料理なのだ。特別な料理ではないが、出汁の効いた味噌の深い味わいがポイントだ。猛暑の夏日だからこそ味わえる逸品メニューなのである。

初夏の名物「ヤモリ」が今年早くもまた出没したのだ

yamori01yamori02
梅雨になると通常は出没する「ヤモリ」が、今年は早くも今晩から目撃された。今宵は少なくとも2匹のヤモリに遭遇したのである。亜熱帯性気候が例年の気象を壊してより早いヤモリの出没を出来させたのかもしれない。それでもそもそもに古えより日本には「ヤモリが家にいる間は、その家には悪いことがおきない」という言い伝えがある。この言葉を信じてヤモリとは良き隣人として生活していきたいと思うのである。

主には窓ガラスの外からそのシルエットをのぞかせている。その独特な吸盤やらコケティッシュな仕草やらにて、とても愛嬌を振り撒いている。おいらも愛玩動物にしたいくらいに好きな生物のひとつなのだ。4本の足の指には吸盤が備わっているので、壁や木の高いところまでするすると素早い行動が特徴的である。ハエや蜘蛛などの小動物を餌にして活発に動き回るのがこの季節のようだ。もともと人間の生息範囲とヤモリのそれとは、特別な区分があった訳ではなく、人間や小動物のすむ所が生息範囲なのだ。

獰猛な顔つきに似合わず繊細な味の「カサゴの煮付け」を食した

kasago01
「カサゴの煮付け」を食した。カサゴとは水深の深いところに生息するからなのか、獰猛な顔つきに似合わずその味わいは脂が乗って繊細で、とても味わい深いのだ。

そもそもは頭が大きく、張り出した背鰭や胸鰭を笠に見立てて「笠子」と名付けたとされる。白身の味わいを食べ尽くすならば煮付けの料理がベターだろう。うす赤いその身は煮付けのスープによって光り輝いていたくらいに特別な料理であった。

ラーメン麺でつくる「ラ・ポリタン」を食す

raporitan01
八王子の飲食店が近年「八王子ナポリタン」の普及に力を注いでいる。「八王子ラーメン」の特徴である刻みタマネギをナポリタンにトッピングするのが一つの決まり事。だがいろいろと其れ等のメニューは試行錯誤の跡を愉しむことが出来る。

八王子南口から徒歩数分の処に位置する「ライクオニオン」では「ラ・ポリタン」というユニークなメニューが人気のもようだ。名前は単にフランス風なのではなくて「ナポリタン」ならぬ「ラ・ポリタン」、即ちラーメンの麺を使ったナポリタンスパゲティー風の料理だ。ラーメンの麺はパスタと同じく小麦が原料だが、その食感はかなり異なっている。ラーメンスープの麺に適するラーメン麺をナポリタンに使用するというアイデアは天晴的に特筆されるが、成功しているとは云い難い。ラーメン麺はパスタ麺のようなモチモチ感が無くて、トマトベースのナポリタンソースの旨味を活かしているとは云えないのだ。発想の意外性や情熱には頭が下がるが、メニューとしての完成度がいまいち低い。これからの益々の研究による完成度アップを期待したいものである。

■ライクオニオン
東京都八王子市上野町18-20

赤羽「丸健水産」のおでんでほっこり

0000
久しぶりに赤羽に途中下車し目指したのは、何度か通った鯉料理が美味いと評判の「まるます家」であったのだが、数十人が入り口に押し寄せているという光景を目にし、すなわち其れは入店するのに数十分以上の時間を要するという事態に立ち寄ったことから、同店をパスすることにした。そして数十メートル離れた「丸健水産」へと歩を進めたのである。基本的な情報としておいらが得ていたものは、「まるます家」から数分、距離にして数十メートルというものではあり、そんな曖昧情報を頼りに探し求めていたらば、案外簡単に「丸健水産」の店舗に出会うことが出来たのだった。

出会った赤羽の「丸健水産」といえば、所謂商店街にておでんだねを販売する店舗の様相なのだ。そこで立ち飲み的スタイルでおでんの具材を注文する。そして缶ビールか何かのお酒類を注文。おでんと酒とを一緒に注文するスタイルの稀有な居酒屋的店舗なのだった。
店頭でおでんだねを注文する。必須の大根とつみれの他はお任せだと告げておでんメニューが小皿に乗っていく。練り物おでんだねがお勧めなのか、練り物ととともに提供されていたおでんを口にしながら舌包みを打っていたのである。

けだしおいらが想像した以上の美味との邂逅を得ていたのである。

絹ごし豆腐を素揚げにした「自家製厚揚げ」で一献

atsuage01

地元の居酒屋には「自家製厚揚げ」というメニューがあるのだが、これが存外酒の肴としていける逸品なのだ。所謂「揚げ出し豆腐」とは異なっていて、しっかりとした衣がさくさくとした食感を醸しており、中は絹豆腐のトロリとして繊細な風味が舌を襲う。生の豆腐を注文を受けてから植物油で揚げて調理されるものなのだからであり、それだけ手が込んでおり、料理人の思いが詰まっているのだ。こんな料理はまさに「Tokyo is a city of Dinamic ・・」云々と云った前東京都知事こと猪瀬直樹の言葉を惹起させるが、実際は其れ以上の逸品的な代物ではある。

厚揚げとはどこのスーパーにも置いてある日常的大衆メニューであり、取り立てて騒ぐこともないのは重々承知なのではある。だがしかし、こんな自家製厚揚げはといえば特別な裏メニューなのだ。おいらの出身地、群馬の田舎では、厚揚げのことを「生揚げ」と呼んでいる。生のままの絹漉し豆腐をそのまま油に潜らせる。10数分を経て揚がり上がったほ くほくのものを、葱、生姜、鰹節をのせ醤油を掛けていただく。まさしくほっかほっかの豆腐の旨みに加えてカリカリとした殻の食感がたまらない旨さのハーモ ニーを醸し出すのである。

■酒蔵一平
東京都八王子市東町11-5

青々として瑞々しい空豆を食した

soramame01
青々として瑞々しい空豆を食したのだ。空豆については豆の大きさが特筆されるが、大きいことは良い事だということばかりではないのである。押しの強い見た目に加えて、ビタミンB群をはじめとする栄養素豊富であり、食感もまた他には得がたいものがある。豆の生豆として味わうならば、空豆を第一番に推奨するのが常識的でもある。

見た目の青々さにくわえ豆類の中では大降りの存在感を示すのが、この季節の「空豆(そらまめ)」である。名前の由来は、豆果が空に向かってつくため「空豆」とされたという説が有力である。これからの季節には、「空豆(そらまめ)」が酒場のメニューにのる機会が増えるのであり、チェックも怠り無くなる。

調理法としては、そのさやのまま焼いたものや揚げたものなどあるが、ふつうに茹でたものが実に美味いのである。もちろんこの場合もさやごと茹でるのが基本だ。味付けは振りかけた塩のみ。フランス料理や中華料理にはない和食の基本が生きている。

夏野菜の茄子の素揚げには夏の季節の到来を期待させる

agenasu01
夏野菜の代表的な一品が茄子なのであり、酒のつまみとして味わうならば、素揚げにした茄子がもっとも味わい深い。本日はそんな茄子の素揚げを食したのであり、夏の到来を味わうことが出来た。そもそも茄子は、トマトとともに夏の代表的な野菜類であり、揚げ物特に素揚げにむいている。瑞々しい水分を含んだ茄子は脂料理ととても相性が良く、適度に水分を吸っていく。熱を通すことにより、その身にも適度のモチモチ感やこくを付け加えてくれるのだから有難いのだ。

だが茄子の素揚げ料理に関しては、その体脂肪率に及ぼす影響は小さく、そもそも茄子と植物油との相性はすこぶるよろしいのである。表面にピンと張った油面が茄子自体の美味さを倍増させている。此れからの時期に「冷やし麺」「冷やし蕎麦」「冷やし冷麺」「冷やし饂飩」「冷やしソーメン」等々には茄子の素揚げはベストなトッピングなのである。シンプルかつ夏の代表的料理としての「茄子の素揚げ」は、今後は注目されるメニューとなっていくに違いない。

「ひじき煮」と云えば我家の定番的メニューなのだ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ひじき料理といえば「ひじき煮」にとどめを刺すのだ。おいらの家ではこのひじき煮というメニューは定番中の定番である。煮込んだばかりのひじきが温かい湯気を発しているという景色は遭遇することの出来る料理関連の風景についての一番だとさえ考えられるくらいだ。

そもそもけだしおいらが此れまで生活習慣病も発症せずに生命的にも生息してこれたということは、ひじきの煮込み料理に依ることが大なのであるということを思っている。其れくらいに体調管理にとっては必須のメニューなのである。

「ひじき煮」としてのメニューでは脇役的食材としてひじきと共に普段的に煮込むのは、人参と大豆である。このコンビネーションは完璧と云ってよい。人参や大豆の料理として考えてみてモコの「ひじき煮」は特筆されるのだ。

ところでこれらの日本の伝統食の素晴らしさを世界に広めたのが、桜沢如一氏らによる「マクロビオティック」の食養生の思想である。欧州や米国の著名人たちが信仰している「マクロビオティック」という思想は、世界大戦以前に桜沢氏らによって広められた運動が基本となっているものだ。マクロビ思想によると、毎日の献立の中で「豆類、海藻類」を5~10%摂取することとされている。「ひじきと大豆の煮物」のようなメニューを、1割は摂りなさいと云うのが基本である。

「タコの唐揚げ」は日本の伝統的メニューでもある

takokaraage01
タコを揚げた「タコの唐揚げ」という料理を食したのだ。此れは実に日本の伝統的なメニューでもある。

近頃では時々は食らうようになったのが「タコの唐揚げ」というメニュー。食感は生タコ、茹でダコよりも弾力がありもっちりしていて悪くない。しかも柔らかくもあるが、タコのもっちり感はそのままに残されているので、特別な食感を愉しむことができる。そもそもタコを唐揚げにするという料理は、おいらの田舎には無かった。それどころかおいらが上京し、東京の都会の垢に染まりつつも都会生活の中で溺れていた時期においても食べたことは無い。

このメニューが全国的に注目を浴びたのはおそらく、菊正宗のCMであったのであろう。生かあるいは茹でたタコを食するのが通常の市民の慣わしであった時分に、いきなり変梃りんなメニューがブラウン管を席巻していたのであり、驚きであった。鶏肉に代わるくらいにこのメニューが普及することはあり得ないということは明らかなのだが、それでも「タコの唐揚げ」のメニュー促進についてはこれからもっと気合を入れてアピールしていかなくてはならないということが云えよう。

「筍炭火焼」は筍の美味しい季節の定番料理

takenoko
旬の筍(竹の子、タケノコ)を味わえる季節となった。筍(たけのこ)が美味しくなる季節となったということなのである。美味なる筍はこの季節にしか味わえないのだから、筍メニューには注目である。なかでも旬の季節の筍でしか味わえないのが「筍の炭火焼」なのであるから、このメニューを逃してはならないのだ。

地上に芽を出してからは数日以内のものが収穫されて食用にと提供されるが、若芽のごとくの筍は、芽を出したその当日に収穫されたもののことを指しており、其れが特に珍重されるのだ。味付けは醤油味のみが伝わってくる。

天然カルシウムの宝庫である「生シラス」を喰らった

shirasu01先日は天然カルシウムの宝庫である「生シラス」にありついた。生で食する機会はなかなか無いという「しらす」、すなわち貴重な「生シラス」を喰らったのだった。

シラスとは魚の稚魚を指して云うが、流通されて食卓に上るのはほとんどが鰯の稚魚である。イワシの稚魚を「シラス」と呼び、湘南地方ではとても珍重されている。否、湘南地方のみならずの全国的な旬の食材として、とても貴重であり、味わい深いものとなっている。その姿はまるで白く透明な、海の宝石のようでもある。

この時季に上州で味わう「鮎の塩焼き」に舌包みなのだ

ayu01

 

ayu02

古くにはとても繁栄していた上州前橋の弁天通り商店街を歩いていたら、美味しそうな鮎の焼きものに遭遇して、思わず購入して食べてみたら絶品の味わいなのだった。そもそも上州こと群馬県は海無し県として著名だが、川魚は海の魚に匹敵するくらいに美味であり、ことにこの季節の鮎などの川魚の味覚には感動すること至極なのである。特に遠火の炭火でじっくりと焼かれた焼き鮎の味覚には感動してしまう。この時季ならではのものなのだ。

春から新緑の頃にかけての川魚としてもっとも印象的なのが鮎である。鮎の塩焼きを味わえば春の訪れを実感することこのうえないのであり、鮎は川魚のなかでも特別なのであり、鯉や鮒や虹鱒くらいにポピュラーだった川魚とは一線を画して高嶺の魚だったのである。九州、四国など南国温暖の地区が早いようだが、細かく見てくるとそうとばかりは云えない。河川の周辺住民の意向や地域的文化事情、歴史事情等が絡んでいるようだ。おいらの出身県の群馬県でも鮎漁は盛んであり、これから鮎の本場を迎える。海無し県の川魚として鮎はとても愛されてきた魚なのである。今回の鮎の塩焼きもまた、絶品の味わいであった。何よりもまずは食材の鮮やかさが引き立っていた。繊細な食味でありながら、大衆的な人気食材でもあり、この季節には積極的に味わい尽くしていきたいものなり。鮎という川魚はシンプルに塩焼きにして食するのが最も味わい深い。これは他の川魚である虹鱒、岩魚、等々の川魚においても云えることなのだ。

地元居酒屋の「カレーコロッケ」に舌包みなのだった

currycolokke01
地元の居酒屋にて「カレーコロッケ」を食した。呑兵衛のおいらの食欲を刺激する馴染みのメニューなのである。馴染みの居酒屋のランチメニューとして出していたカレーの残りを使ってコロッケにしてみたのが、此の新メニュー誕生のきっかけだと聞いた。箸で衣を突つくととろりとしたカレーがしみ出して行きピリリとした馴染みの辛さがのどを突つく。此の具材はインドカレーや洋食カレーではなくとろみの備わった日本風カレーでなくてはならないのである。まさに揚物界のニューウエーヴの味わいなのである。

コロッケとはそもそも洋食でありながら日本の大衆食の代表でもある。主にジャガイモを原料としているが、ひき肉、カボチャ、クリームソース等々を原料としたものもある。それにも増して意外な材料の「カレー」を原料にしたのが「カレーコロッケ」。カレー味のジャガイモコロッケではなくて、カレーが丸ごと具の原料として用いられている。英語で云うところのアメージングな逸品なのである。