「冷やし中華」における胡瓜、ハム、錦糸卵の味覚トライアングル

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早くも冷やし中華が美味しい季節となった。梅雨の季節とはいえ猛暑日も多いのであり、今年も例年以上に猛暑との闘いを強いられることも必至の情勢である。

本日は今年に入ってたしか3度目の冷やし中華を食していた。定番の胡瓜、ハム、錦糸卵とトマトが豪勢に富士山型に乗っておりまさに理想的な姿を呈していた。赤、黄、緑といった色彩のトライアングルに加えて味のトライアングルが、冷やし中華と云うメニューの中で演じられているのだ。胡瓜のフレッシュさ、ハムの冷えて尚活きている濃厚さ、錦糸卵の甘旨さが、夫々に主張しつつ、夏の逸品メニューという全体的なトーンの中で協調しあってもいる。夏になって冷やし中華を食べたくなるのは必定であることを実感するのである。

さらに加えればタレは酢と醤油と中華スープのトライアングル。だがこちらは少々影が薄い。和辛子を加えるので和食的中華の象徴と云えるかもしれない。

故郷にて敗北の饗宴に接していたのだった

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週末の本日はいつものように帰郷の途についていた。上州群馬県の県都で駅を降りて市街地を歩いていると何時もとは異なって、賑やかな人の声のエコーがうなりをあげており、引き付けられるように歩を進めたところ、イベント会場で派手派手しい虹のアーチに迎えられており、喧騒の中に足を進めれば、所謂パブリックビューイングとの邂逅。ワールドカップにおけるジャパン戦がモニターに写されていたのである。

其処は県都前橋の臍とも呼ぶべきイベント会場でありながら普段は閑散としているシャッター商店街であるが、本日はおいらがこれまで経験したことの無かったサッカーサポータ達による饗宴のごときライブ応援会場であった。会場に着いて数分のところで熱い応援の声援が悲鳴にも聞こえるようなシーンが訪れていた。アフリカのコートジボワールによって逆転ゴールを受けてしまったシーンとともにあった。詳細は判らなかったが前半ではリードしていた日本のチームが逆転されたとして、がっかり悔しき声の渦に掻きこまれてしまった。日本の再逆転を願って重ねられた応援の声も最後の時間切れの笛と共に萎んでしまっていた。アフリカ侮ることなかれとは云われていたがそれにしても残念至極の光景なのではあった。云わば敗北の饗宴だったのかも知れない。

「焼き牡蠣」ならではの磯の香りにうっとり

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久しぶりに焼き牡蠣を味わった。焼いたばかりの熱や香りやらを目の前で感じつつ、おいらは想像していたよりも小ぶりの牡蠣の身を、醤油を数滴かけて味わってみた。やはり磯の独特の複雑な香りや味わいは牡蠣ならではのものである。その磯の香りがプーンと漂いつつ、極めてミルキーであるその磯に特有の風雅な香りにうっとりとした。これだけでも牡蠣を味わう意味があるのだ。「海のミルク」等とも称されるようであるが、蒸した牡蠣の風味豊かな味わいは特筆に値する。生牡蠣はよほど体調に自信がなければ口にしないいが、焼いた牡蠣はいつでもうれしいものだ。

ネバネバ感ただよう「スタミナ納豆」で一献

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かつては朝ご飯の友として身近であった納豆だが、今では晩酌の友としての役割が高くなった。納豆そのものも良き友だがそれにマグロ、玉子、山芋、きざみ海苔、等々を加えればネバネバ成分がまして味もまろやかになる。ここ数年前からはとくに、晩酌の友に「納豆」の出番が増えたのである。焼酎、ホッビーを飲みながらの納豆のネバネバ感はけっこう相性が良い。ねばねばした口腔内を爽やかなホッビーが洗浄していくようでもある。これはご飯と納豆との関係以上の親密性かもしれない。それを箸でかき混ぜれば、程よいネバネバの食感と共に、渾然一体となった納豆の香りが鼻腔を刺激するのだ。

この味わいに目覚める前には、例えば「まぐろと納豆」というメニューをランチで注文するときなど別々に口に入れたほうが良いとしばしば思っていたのだ。けれども海鮮ものとねばねば食材は良く似合うということを実感した今、そんな思いは吹っ切れていた。夜には熱燗のつまみにして一杯。そしてその後は、御飯とセットで食したい一品なり。

青魚由来の栄養素豊富な「アジのタタキ」を食した

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アジのタタキを食した。新鮮なアジの身を包丁で叩いて細かくして提供される。刺身よりも味がまろやかになり、味わいも増す。アジという魚はイワシとともに青魚の代表種であり、此の青魚がもつEPA、DHAという必須栄養素の摂取のためにも定期的に採り入れるべき食材なのだ。血液サラサラにする栄養素としてEPA、DHAへの関心は高まっており、この栄養素を摂取するのに生のアジこそがもってこいなのである。

日本で食される青魚の代表でもあるのが鯵である。「あじ」という名の由来は一説によれば「味が良い」からだとされている。たしかに魚の特有なこくが程よくのっている、美味な魚の典型ではある。鯵の干物にしても、また鯵の丸干しにしても、魚の脂が程よく染みていて、美味しさが一段と増すのだ。身近すぎることからあまり気付かなかったが、この鯵の恵みをこれまでどれだけ享受してきたことだろうか。この青臭い風味というのか、あるいは骨臭い食感というのか…、このような魚の個性を認めずに、肉類と比較してコメントするなどとはもってのほかではある。

北千住「徳多和良」の肴に舌鼓みなのだった

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北千住駅から徒歩で数分歩いたところにある立ち飲み居酒屋の「徳多和良」。おいらも前々から評判を耳にしておったのであり、是非とも足を運んでみたい店の一つであったが、ついに其の望みを叶えることができた。

同店の開店時間は午後4時だが、4時半位に到着したおいらは行列に遭遇することとなっていた。久しぶりの行列に並ぶこととなってしまったが、評判の店の味にありつきたいという思いの呑兵衛たちが行列する姿を目にしたら、そんな間も期待が高まってしまうのである。

期待が高まったところで入店となり先ず注文したのが「鱧の湯引き」だった。先日放映された「みをつくし料理帖」を視聴したことにより鱧に対する関心が高まっていたのが最大の要因。白くてふわふわした外観とは裏腹に鱧の骨の特有な食感が喉の味覚を刺激していた。其の食感と味覚により鱧の味わいはいっそうに味わい深くなっているのだった。鱧料理の次に注文したのが「シラス刺身」。そして「白海老のかきあげ」。

東京の居酒屋ではなかなか入手できない新鮮食材を使った逸品メニューの数々である。これらもまた味わい深くに味わい食していたのである。少しばかり調子に乗って色々注文していたようなのである。

■徳多和良
東京都足立区千住2-12

ピリリとした「塩らっきょう」は夏バテ予防効果が高そうだ

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地元の居酒屋では此の季節になると「塩らっきょう」のメニューが目につく。夏バテを防止する栄養素が充溢しているのだろうと思いつつ、そんな塩らっきょうを注文。ビリリとした味わいが刺激的であり、いつもの甘酢味のらっきょうとは確かに違う味わいだった。家で漬け込むらっきょうはだいたいは甘酢漬けと決まっているが、近頃では塩で漬け込んだ「塩らっょう」というメニューに接することが多い。甘酢漬けに比べて、よりらっきょうの野趣溢れる味覚が特長だ。若摘みにされたエシャレットに食感が似ており、酒のつまみには良く似合っている。また薬効も多くあり、殺菌効果、利尿、発汗、整腸作用があり、昔から薬用植物として広く利用されている。

食べたらっきょうは「塩らっきょう」ということであり、普段の甘酢漬けとは異なっていて、素材のピリリとした食感、食格を感じることができたのだった。呑兵衛にとってはらっきょうは毎日の乾きを満たす食材なのかも知れないのかと考えていた。毎日の食材が特別なものである必要などはなく、塩で漬け込まれたという此の店の味わいがピッタリするのだということも思うことができたのだった。

梅雨の合間の晴景色、八王子小宮公園を散策したのだ

梅雨が始まりいきなりの豪雨に襲われてからの数日は、おいらも雨が鬱陶しく感じることばかりではあった。本日はそんな梅雨の合間の晴景色だったのであり、Carl Zeissのレンズを装填したデジカメを持って八王子の小宮公園へと出掛けた。

花壇に咲く花々の間には、揚羽蝶の舞いを見かけた。蝶のように舞うというカシアス・クレイの名言を髣髴させるかのごとく、揚羽蝶の舞にうっとり。初夏の梅雨の合間の晴景色はワンダフルな出会いであり、公園に生えている初夏の木樹からは、鮮緑色の若葉の芽生えに出迎えられたのであり、鬱陶しい陰鬱な気分を吹き飛ばせてくれていたのがとても有り難かった。

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TV朝日の北川景子主演「みをつくし料理帖」のハモ料理にはグッときたのだ

本日TV朝日系テレビにて放映されていた「みをつくし料理帖」。美人女優の北川景子が主演するとあって放映前のPRにも力が入っていたとみえる。系列局のバラエティー番組での北川景子嬢の清々しいつくろいにはおいらもまたグッとくるところ大ではあった。そして今宵はおいらも此の番組を視聴したくなっていたと云う訳ではある。

酒宴、否おっとっと間違えたのだが、酒宴ならぬ主演の北川景子嬢は整った美人面の割にはツンツンするばかりではなくて他の出演者たちとの交流にも愛嬌を感じさせていることが見て取れるのであり、今時の「ツンデレ」たちとは似て非なる好感度の高いキャラクターであることをまずは感じ取っていた。これだけの整った容姿でありながら所謂ツンデレを越える演技が出来ていることにはとても驚いていたのである。

番組初頭のユキノシタを天ぷらにする光景からおいらはこのドラマに見入ってしまっていた。けれども北川嬢の美貌ばかりに見入ってしまってという訳ではない。おいらも大好きな居酒屋における人情劇に先ずは見入ってしまっていたという訳なのではある。

三つ葉や白魚をあしらった春のメニューたちは、夫々においらもすごく食べたくなるくらいの逸品的メニューである。それなのにあらぬ疑いを掛けられて、北川嬢扮する女性料理人は大変に大きな試練を受けることになってしまった。女性の感性が導き出した日本料理の逸品的メニューであるのだろうことは瞬時に理解出来ていた。和食、日本食として世界的にももて囃される料理が、日本の女性の料理人によってもたらされているということは、今宵は胸に焼き尽くすこととなっていたのである。夏のタコはいいですよと云ったり、徳川がらみのきゅうりのメニューを案じていたりとしていることからも、おいらは北川嬢演ずる主人公への思い入れは最高潮に達していたと云うべきなのである。

そしてクライマックスのハモを調理するシーンには、ある種の凄みを感じ取るに充分ではあった。近頃のTVドラマにしては出来すぎた内容なのだ。TVドラマの可能性や魅力は未だに健在なのかもしれない。

巣鴨庚申塚の「ファイト餃子」を食した

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久々のぶらり下町散策をした後、都電荒川線に乗って庚申塚駅で途中下車。都電荒川線の庚申塚駅から数分のところにあるのが「ファイト餃子」である。丸くて分厚い皮が特徴の変わり種的個性派で、カリッとした皮は硬くて慣れない人には食べづらい。おいらも最初に口にした瞬間、焼きたての熱さとともに、一旦口にした餃子を皿に戻してしまったくらいなのだった。カリッとして熱い皮の中からはコクの有る餃子の餡の味覚が広がっていた。人気メニューだけあり旨い餡である。何度か食べ慣れていくうちにやみつきになるタイプなのだろう。

■ファイト餃子
東京都豊島区西巣鴨3-7-3

初夏のブリもまた美味だった

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鮮やかなピンクに彩られた初夏のブリは、寒ブリとして評価の高い冬のブリ以上に脂が乗っているようにも見えた。そして想像していた以上に美味であった。

我が国の大型肉食魚としては代表的な出世魚が「ブリ」である。ハマチが成長してブリになるが、特に冬季のブリは「寒ブリ」と呼び、脂が乗って旨いというのが定説であるが、冬以外の季節にもブリは収穫されており、全国的日常的に食されている。養殖魚として出回っているハマチとは味わいも旬度も桁違いに上まわっている。

和食の典型定番的「肉じゃが」でほっこりなのだ

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居酒屋にて「肉じゃが」を食した。とてもしっとりとして定番的なメニューである。豚肉とじゃがいもという食材がこれくらいに特筆されるのは、まさに和食的メニューの筆頭的な代物であるのに依っているのであろうと思われる。

少し前には旬を迎えた「新じゃがいも」は、通常の年を通して流通されるものに比べてみれば、まずは皮が薄く柔らかく、大きさは小振りである。固い殻を纏う前の、いくぶん無防備な姿かたちを印象に写し取る。半面で見ればそれだけ瑞々しい細胞に満ちていることでもある。肉じゃがのケースに限らずこの季節の新じゃが料理は、カットすることなくそのまま丸ごと使う。しかも皮も剥くことなく丸ごと使用するのが定番である。角が無く丸い姿かたちの新じゃがは煮崩れすることもなくて、丸ごとほくほく。こんなメニューは春ならではと云ってよい。通年的なじゃがいもの皮はアクが強いためになかなか口にすることは難しいのだが、丸ごと調理に向き、薄皮もまた野性味溢れて味覚を刺激してしまうのだから食べない手は無いくらいなのである。皮が薄く瑞々しい新じゃがには出汁や肉の旨味が奥深くまでに染み込んでいくのであるから、通年食材としてのじゃがいもでは作れないという逸品として通用するのだ。新じゃがいもの相棒食材には、豚肉に加えて、人参、椎茸、獅子唐をノミネートしてみたら、この相性もまたグッド良好なのであった。特に味の染みた獅子唐はまた思いがけなく食欲をそそる料理に仕上がっていた。

「らーめん百馬」は「八王子ラーメン」専門店のニューウエーブ

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八王子市内には「八王子ラーメン」の名店が数十店、百店舗ほどが存在する。濃厚な醤油ベースのスープに刻み玉ねぎのトッピングが特徴の八王子ラーメンを提供するニューウエーブ店が「らーめん百馬」である。醤油ラーメンには珍しく麺は細麺。濃厚なスープを充分過ぎるくらいに吸い込んで喉に入る麺の味わいはド~ンとしたインパクトだ。細麺が八王子ラーメンに適しているかについては疑問があるが、八王子ラーメンの個性的な一杯であることは間違いない。

当店のマスターは研究熱心だと見えて様々なユニークメニューをアピールしている。夏季の近頃のお勧めとして「アボカドとサーモンの冷製和え麺」が目についた。アボカドとサーモンにネギ、紅生姜、刻み海苔、等がトッピングされている。ワサビをアクセントにして酢をかけて食べるのが店主のお勧めだとか。なかなか他に無いユニークメニューなのだ。いつか機会があれば口にしてみたいとも思うのである。

■らーめん百馬
東京都八王子市子安町4-1-5

こんな真夏日には「もろきゅう」の味覚に癒される

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まだまだ梅雨の季節以前なのに、強烈な暑さが身にしみる。そんな折にきゅうりが恋しくなり行きつけの居酒屋できゅうりを注文していた。夏野菜の代表格の一つがきゅうりである。瑞々しい生のままで食しても、それ自体で充分美味しいのではある。それにもまして美味しくするのが、もろみ味噌だ。「もろきゅう」というメニューにてもろみ味噌が添えられている。此のもろみ味噌という代物はもろきゅうと共にある。云わばもろきゅうともろみ味噌とは「もろきゅう」の表裏一体的関係を有するということなのた。

「もろきゅう」というメニューで提供されるのが、きゅうりにもろみ味噌を添えたものである。一般的な味噌以上にきゅうりの味覚を高めてくれる。一見したところは味噌の一種にも見えるが、じつはこれが、醤油の醸造過程においてつくられるものだという。麦・大豆・米などとそれらの麹を原料にしてつくられる。味噌よりもあっさりしている分、夏のきゅうりには良く似合うのかもしれない。

東北からの恵みの「ホヤ刺し」を食したのだ

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おいらが大好きな肴ではある「ホヤ刺し」を久しぶりに口にした。主に東北地方で収穫されるホヤの身は大震災の影響もあり、なかなか口にする機会も減ってしまっていた。だが復興のシンボルとしてのホヤは、ようやく震災前の状況に復活しつつあるようだ。

外見はグロテスクなことからなかなか口にしない日本人も多いというが、この味を知ってしまったら食べないわけにはいかないと云えるくらいに逸品の味わい。軽く酢で〆たものが素材の味を引き立てている。東北の地場食材としてもっとも愛着に満ちた逸品である。まさに東北からの恵みの味だ。

上京して間もない頃のおいらは、「ほや」は食べられなかったと記憶している。原始的記憶以降のものであるので、その信憑性は大である。いつから「ほや」が食べられるようになって、しかも何時からかは「ほや」こそ酒の肴の逸品であると思うようになったのであるから人生はまた不可思議なのである。日本における主な生息地は東北の北東部であろう。一部では「海のミルク」などと称されることもあるようだが、決してミルクのような味わいはないだろう。むしろ、磯の香りがぷんぷんと漂っていて、とてもはじめての人にとっては箸を付けたくないような、そんな香りの肴なのである。

真夏日には宮崎風の「冷や汁」が有り難い

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春の季節を感じ取ることもままならないうちに、急激な真夏日が襲っている。道を歩くだけで汗がたらたら。汗っかきのおいらにはたまった季節ではない。そんな真夏日に有り難いのが「冷や汁」である。ご飯を入れた冷や汁も美味しいが、晩酌の友にはご飯の無い汁だけの冷や汁もまたいける。

冷やした胡麻味噌ベースの汁に、きゅうり、ねぎ、しそ、みょうが、大葉、豆腐、焼き鯵等々の具材が入っている。焼いた鯵の身が濃厚な出汁となって胃袋に染み入る。九州宮崎県の郷土料理だと持てはやされていた時期もあったが、なんてことは無い、夏野菜中心の具材を材料にしてつくられた、冷製味噌汁という、とてもシンプルで伝統的な料理なのだ。特別な料理ではないが、出汁の効いた味噌の深い味わいがポイントだ。猛暑の夏日だからこそ味わえる逸品メニューなのである。

初夏の名物「ヤモリ」が今年早くもまた出没したのだ

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梅雨になると通常は出没する「ヤモリ」が、今年は早くも今晩から目撃された。今宵は少なくとも2匹のヤモリに遭遇したのである。亜熱帯性気候が例年の気象を壊してより早いヤモリの出没を出来させたのかもしれない。それでもそもそもに古えより日本には「ヤモリが家にいる間は、その家には悪いことがおきない」という言い伝えがある。この言葉を信じてヤモリとは良き隣人として生活していきたいと思うのである。

主には窓ガラスの外からそのシルエットをのぞかせている。その独特な吸盤やらコケティッシュな仕草やらにて、とても愛嬌を振り撒いている。おいらも愛玩動物にしたいくらいに好きな生物のひとつなのだ。4本の足の指には吸盤が備わっているので、壁や木の高いところまでするすると素早い行動が特徴的である。ハエや蜘蛛などの小動物を餌にして活発に動き回るのがこの季節のようだ。もともと人間の生息範囲とヤモリのそれとは、特別な区分があった訳ではなく、人間や小動物のすむ所が生息範囲なのだ。

獰猛な顔つきに似合わず繊細な味の「カサゴの煮付け」を食した

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「カサゴの煮付け」を食した。カサゴとは水深の深いところに生息するからなのか、獰猛な顔つきに似合わずその味わいは脂が乗って繊細で、とても味わい深いのだ。

そもそもは頭が大きく、張り出した背鰭や胸鰭を笠に見立てて「笠子」と名付けたとされる。白身の味わいを食べ尽くすならば煮付けの料理がベターだろう。うす赤いその身は煮付けのスープによって光り輝いていたくらいに特別な料理であった。

ラーメン麺でつくる「ラ・ポリタン」を食す

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八王子の飲食店が近年「八王子ナポリタン」の普及に力を注いでいる。「八王子ラーメン」の特徴である刻みタマネギをナポリタンにトッピングするのが一つの決まり事。だがいろいろと其れ等のメニューは試行錯誤の跡を愉しむことが出来る。

八王子南口から徒歩数分の処に位置する「ライクオニオン」では「ラ・ポリタン」というユニークなメニューが人気のもようだ。名前は単にフランス風なのではなくて「ナポリタン」ならぬ「ラ・ポリタン」、即ちラーメンの麺を使ったナポリタンスパゲティー風の料理だ。ラーメンの麺はパスタと同じく小麦が原料だが、その食感はかなり異なっている。ラーメンスープの麺に適するラーメン麺をナポリタンに使用するというアイデアは天晴的に特筆されるが、成功しているとは云い難い。ラーメン麺はパスタ麺のようなモチモチ感が無くて、トマトベースのナポリタンソースの旨味を活かしているとは云えないのだ。発想の意外性や情熱には頭が下がるが、メニューとしての完成度がいまいち低い。これからの益々の研究による完成度アップを期待したいものである。

■ライクオニオン
東京都八王子市上野町18-20

赤羽「丸健水産」のおでんでほっこり

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久しぶりに赤羽に途中下車し目指したのは、何度か通った鯉料理が美味いと評判の「まるます家」であったのだが、数十人が入り口に押し寄せているという光景を目にし、すなわち其れは入店するのに数十分以上の時間を要するという事態に立ち寄ったことから、同店をパスすることにした。そして数十メートル離れた「丸健水産」へと歩を進めたのである。基本的な情報としておいらが得ていたものは、「まるます家」から数分、距離にして数十メートルというものではあり、そんな曖昧情報を頼りに探し求めていたらば、案外簡単に「丸健水産」の店舗に出会うことが出来たのだった。

出会った赤羽の「丸健水産」といえば、所謂商店街にておでんだねを販売する店舗の様相なのだ。そこで立ち飲み的スタイルでおでんの具材を注文する。そして缶ビールか何かのお酒類を注文。おでんと酒とを一緒に注文するスタイルの稀有な居酒屋的店舗なのだった。
店頭でおでんだねを注文する。必須の大根とつみれの他はお任せだと告げておでんメニューが小皿に乗っていく。練り物おでんだねがお勧めなのか、練り物ととともに提供されていたおでんを口にしながら舌包みを打っていたのである。

けだしおいらが想像した以上の美味との邂逅を得ていたのである。