富山県氷見の海鮮料理に舌鼓

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北陸地方の富山県へと向かっていた。数十年ぶりの北陸旅行である。過去何度か北陸へと旅した時には富山は通り過ぎるだけの区域ではあり、今回はそんなことの穴埋めを兼ねて富山県を旅したいという思いを強くしていたのである。ところで富山県内の数数多の観光地の中で、最もおいらが関心を抱いていたのが氷見である。

氷見は「天然の生け簀」とも称される富山湾の西方に位置している。県内の富山市、高岡市に近く、富山湾の海の幸がもっとも集中している魚港を持つ。云わば富山地方における天然の生け簀の海の幸が集中する町のではないかという期待的な思いを強く抱いていた。そしてその期待は裏切られなかった。

氷見番屋街に併設している回転寿司店では、鮮度抜群の氷見前の握り寿司を提供されていた。多くは一皿200円程度の安価でコストパフォーマンスも十分である。ヒラメのエンガワや甘海老や白身魚の握り寿司には舌鼓を打っていたのではある。然しながら中では寒ブリだけが高かったのであり、おいらは特にブリには特別な美味いという思い入れもなく関心も薄くあるのでスルーしていた。

次に夕刻時に訪れた居酒屋にて、ほうぼうという魚の刺身を味わった。ほうぼうとは日本近海に分布するホウボウ科魚類では最大種であるといい、ヒレやウロコが強くて中々地元以外では食べられないという貴重な魚である。白身魚の中でも透明感のある白身であり、旨味が強い。刺身では特にコロコロとした食感が強くて生命力を感じるに十分だったのである。

海のミルクの牡蠣を味わう牡蠣鍋

kakinabe05今年も少し前から牡蠣が美味しい季節となっている。牡蠣は冬季の主役になり得る食材である。社会一般的には「海のミルク」等とも呼ばれるが、コクや味の個性においてミルクの比ではなく優れている。こんな時季は「牡蠣鍋」に限るのである。牡蠣が美味しい季節となっている。こんな時季は「牡蠣鍋」に限るのである。牡蠣のフライも悪くないが、厚い衣をがぶりと破って食らいつくのは、若い時のみの指向性であり、今のおいらには無いといえる。だからこその「牡蠣鍋」を十二分に味わえる季節は、今を置いてないということが云えよう。薄曇り色していた牡蠣の身が熱湯をくぐっていたその先には、ぷっくりとして白鮮やかな牡蠣の身が、視線を和ませてくれたり、美味しさの手引をしてくれたりと大活躍なのではある。

菜の花の香りは寒々とした心を癒すかのよう

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まだまだ冬の真っ盛り。北日本や日本海側の地域等では大雪が降り積もっての様子なり。そんな季節においらは、春の風物詩でもある「菜の花」を一足先に味わって、春気分に浸っていたのだった。そもそもおいらが子供の頃には、菜の花は観賞するために在る花であり、食用にされることすら思い描けなかった。それが江戸の街に出て以来、食用に供されることを知り驚いたという、カルチャーショック的体験があった。花よりも蕾の味覚に感動する。蕾が花を凌駕するという形容が成り立つとすれば、春間近の蕾ばかりの春の「菜の花」の香り、味わいはまさに、花の其れをも凌駕すると云って良いのだろう。春のほろ苦い苦味が辛し味と出逢い複雑な春の味となる。菜の花の蕾の香りは寒々とした心を癒すかのようだ。

「味噌ラーメン」でほっこり

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味噌ラーメンを食した。これが寒い季節には程よい愛嬌的な温かさをもたらしてくれたのであり、絶品とも云うべきなのかもしれないと思うなり。そもそも今流行のサプリメントの類では代用できない、生野菜がかもす味わいを求めているからなのだろう。モヤシ、キャベツ、人参がたっぷり入って、炒めて煮込んだ野菜を口にしていると、どこかで安らかな気持ちにひたってしまうのだから、これが良いのか悪いのかは実はわからないのだった。

「キビナゴの刺身」で一献

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キビナゴの刺身を食して一献したのだった。キビナゴとは日本では主に九州鹿児島県内にて食されてきた魚であり、見た目の良き上品な様とともに、青魚としての旨味もあってとても良い味わいである。

今では九州鹿児島県内に限らずに東京都内でも提供され、広く食されるようになった。刺身としてのキビナゴは、青光りする光沢がとても食欲を刺激するのだ。またこんなメニューにありついたならば何度でも食したい逸品の食材ではある。

「サバ文化干し」を肴に一献

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「サバ文化干し」を肴に一献していた。サバは冬の寒い時期に時季を迎えて脂も乗っていと旨し。そもそもながら、文化干しという魚の食材は、魚の干物をセロファンで包み込んでつくる手法を指している。天日干しならぬ文化干しという訳である。サバの文化干しにかぎってみれば、文化干しというネオ料理的工程は、正に理にかなったりである。豊富な魚身の脂味を最大限に活かしている、特筆すべき料理であると云えるだろう。魚類の脂身が豊富なのは、サバが特筆している。だが然しながら普段は足がはやいなどということから、酢で絞めた〆鯖などで食することが多いのだが、「文化干し焼き」という料理もまた、サバの身を味わうにうってつけだと合点したのである。

「けんちん汁」は冬の料理の定番

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「けんちん汁」をつくった。人参、大根、牛蒡、等々の根菜類が自然と貯まっていくこの季節、冷蔵庫の中の椎茸、蒟蒻等を合わせて「けんちん汁」にしたのだ。御存知けんちん汁とは、鎌倉の建長寺が発祥とされる精進料理の中の汁物料理の一種である。建長寺の汁こと「建長汁」がなまって「けんちん汁」になったといわれる説が有力である。元々けんちん汁とは、鎌倉建長寺のお坊さんによって考案された精進料理の一種とされている。肉類、魚類を用いるのはご法度と云う制限がある。此のメニューはと云えば、牛蒡、人参、蒟蒻、等々の根菜類を主体にして煮込み、醤油味で素朴に味付けをしているのが特長である。根菜類は秋から冬にその存在感を増していくということもあり、寒い季節の料理の定番的な逸品なのである。人参、大根、牛蒡、等々の根菜類が自然と貯まっていくこの季節。冷蔵庫の中の椎茸、蒟蒻等を合わせて「けんちん汁」にしたのだった。椎茸や根菜類から滲み出る天然の出汁で煮込まれるので、とても優しい味付けに仕上がったのだ。

冬真っ盛りの日に「静岡おでん」でほっこり

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仕事の帰り道に立ち寄った居酒屋で、先ず注文したのは「静岡おでん」だった。静岡風の「黒おでん」に食する機会がもてたのだった。静岡のおでんと云えば「黒おでん」が定番。黒おでんの特徴は、牛筋でとった出汁に黒醤油のスープである。黒々として脂もギトギトしていることからしつこいのかと思われがちだが、決してそうではない。定番的おでん種の大根をはじめとして黒い出汁に煮込まれたおでんは想像以上にほっこりと味わい深いである。関東風のおでんよりもこくがありしかもあっさりと胃袋に染み渡る。今や静岡を訪れる機会はほとんど無くなったが、昨今では都内にもこうした静岡風おでんを提供する店舗があるので、これからの冬の季節には屢々通いたいスポットとなっている。黒い出汁の基本は、牛筋からとっているので、コクがあり且つコラーゲンも豊かに息づいているのであり、東京でもしばしば見かけるようになってきている。ローカルな地域グルメがいよいよ全国区の予感なのだ。おいらもたまに静岡に旅行などした折には、必ず「おでんロード」こと「青葉横丁」に足を運んであつあつの静岡おでんを頬張る。そんな旅風情も、幾つも想い出として刻まれている。だが実を云えば、東京と静岡では、やはり肝心なところで味が違うのだ。その味の違いを今日は解明できなかったが、いずれの日にか解明して、当ブログで発表してみようと思っているところなのです。

3点盛り刺身の真ん中にはサーモン

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地元の居酒屋にて、刺身の3点盛りを注文。鯛とマグロの中トロと、そして真ん中にはサーモンが盛られていた。鮭の身ということサーモンの刺身といえば、日本以外に欧州や北米の人達にファンが多いという、云わば国際的な知名度を有する鮮魚なのではある。鮭の身は冬には石狩鍋やちゃんちゃん焼きの食材として多くの需要を集めている。そんな名物的高需要的食材の鮭を、云わば生調理のままの刺身で味わうことができたのはとてもラッキーではあった。

久しぶりの玄米食で一献

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かつてはもしおいらの記憶が確かならば、おいらは玄米食を食していた。だがいつの間にか月日とともにそんな習慣が薄れていき、長く俗物的食生活を送っていたものなのではある。

先日はそんな漫然的俗物的なる習慣を打ち下そうとして、玄米をネットにて購入していた。そして昨日の夜から玄米を水に浸して一晩おいて、朝には炊飯器にて普通に炊いていたのだった。

通常は玄米ご飯を炊くには圧力鍋を使うのが定番であり其れが一番美味しく炊けるのが自明であるのだが、炊き上がった後の玄米ご飯の扱いにはとても苦慮していた。炊飯器を使えば炊き上がった玄米ご飯をそのままに保温、保存することができる。至って便利なる料理器具なのであるからして此れを使わないではいられなかった。

そうして今朝はと云えば久しぶりの玄米ご飯に、いつもの味噌汁に納豆と焼き海苔で朝食を搔っ込んでいたのである。玄米ご飯は柔らかくふっくらしていて、普段よりも健康的なメニューではあった。そして夜食にも玄米ご飯と牛スジ煮込みをつまみに一献していた。これからの食生活が変るかもしれないという望みを胸にして玄米ご飯を味わっていたのであった。

海のミルクを「牡蠣のチーズ焼き」で味わった

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冬には牡蠣が美味いが、なかなか生牡蠣を食べる機会がない。メニューにはあるが、相当以前においら自身が生牡蠣が所以で食中毒にかかったことがあり、その体験がある種のトラウマ的な影響を及ぼしていることと推察可能である。だが焼いた牡蠣ならば話は別である。「牡蠣のチーズ焼き」には特段の食欲を刺激していたのであった。

寒さが身に染みる牡蠣が美味い季節になって、牡蠣料理を味わう機会が増えたが、「牡蠣のチーズ焼き」はやはり欠かせない逸品である。謂わばグラタン料理の一種のアイテムだが、他のグラタンにはない愛着を感じさせるメニューなのだ。そもそも海のミルクとも云われる牡蠣に、たっぷりのミルクやチーズを用いて調理するものだから、ミルクの風味がたっぷり至極の料理なり。気持ちや身体が震えているかのごとくの昨今のおいらには、たっぷりと温まれるメニューなのだ。

下北沢「珉亭」の「ラーチャー」は中華料理の王道

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下北沢に立ち寄った際に、一番行きたかった「珉亭」を訪問したのだった。地元の人々に愛される中華料理店の名店である。何年ぶりかは失念したが、それでも思いついたら此処のラーメンが食べたくなることはまぐわいなき真実ではある。

さて、いつもは「江戸っ子ラーメン」を注文していたおいらであるが、本日はちょいと嗜好を変えて、何番目かのサブ的メニューの「ラーチャー」を注文していた。一般的な「半チャンラーメン」に似たようなメニューであり、半分のラーメンとは文のチャーハンがセットで提供されるのである。やはりチャーハンは中華料理の王道的メニューであり、其れと共に味わうラーメンもまた興趣を唆ること請け合いでもあり、本日は名店こと「珉亭」のチャーハンにより関心が高まっていたというべきなのかもしれない。

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最初に出てきた半分のチャーハンは、オリジナルの赤い叉焼(チャーシュー)が味や見た目のポイントである。豚肉叉焼であるには間違いないが、とても個性的なビジョンが演出されているかのごとくに食欲中枢を刺激しているのだ。半分くらいは丁度良いなと合点していた頃に運ばれたのが、半分のラーメンであった。此のラーメンが凄いのである。何よりも澄んだスープの味わいは何とも云えない気品さえ漂っている。がむしゃらに麺とトッピング類とスープを食べ尽くしても尚、お代わりがしたくなるラーメンは、此処のラーメン以外に感じたことは無い。それくらいの逸品なのである。

おいらはこの店には学生の頃から通っているが、常に地元下北沢住民の胃袋を満たしてきているのを目のあたりにしてきた。下北沢には数多くの劇団や音楽事務所が軒を並べている。売れないミュージシャン、劇団員、アーティストたちの支持を集める御贔屓御用達の名店であるとともに、若いミュージシャンたちが同店でアルバイト勤務をするなどと、密接に地元に溶け込んでいる。2階の座敷席に着けば、この店を愛するタレント、アーティストたちの色紙が壁面を飾っていることに気付く。味に惹かれて、しかも下北沢という土地に根付いた独特の雰囲気に惹かれて、大勢のファンが集っているのだ。

■珉亭
東京都世田谷区北沢2-8-8

「臨江閣」に前橋市民の関心が高まっている

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NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の影響で、群馬県都の前橋市内の各処では、様々な場所への関心が高まっている。ちょうど昨日には「ぐんま花燃ゆ 大河ドラマ館」が群馬県庁内昭和庁舎2階にオープンしたのに合わせて、ドラマにゆかりの「臨江閣」もまた、内装を一新して来客をもてなす準備を整えている。一言で説明すれば「臨江閣」とは明治の初期に群馬県が迎賓館として建立した歴史的建造物である。この歴史的建造物の成立に関わった主要人物がドラマの中でも主要人物として描かれている、初代群馬県令(今で云う群馬県知事)の楫取素彦なのである。全国一般の「花燃ゆ」視聴者とは可成り異なり、強烈な地元愛の力学が作用して、群馬県都の前橋市民の大勢は、郷土愛を抱いて「臨江閣」を尋ねる姿をみせている。上州群馬県民的な郷土愛の表れなのかもしれない。

■臨江閣
群馬県前橋市大手町三丁目15番地

「タコの天ぷら」は滋養強壮に効果あり

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今でこそタコの唐揚げはポピュラーだが、果たして「タコの天ぷら」は普及しているのかはいざ知らずである。だが、地元の居酒屋にて食した「タコの天ぷら」は、海鮮もののアレンジメニューとしては、特筆すべき逸品であったと云えるだろう。先ずは何より、生タコよりももちもちとしていて食感が楽しめる。タコの生々しさに抵抗感のある御仁にとっては有難き料理である。そして、タコの主的栄養成分ことタウリンの栄養素を活かし得るメニューとしての評価が高いのである。滋養強壮に奉仕するメニューとして、この「タコの天ぷら」が注目される所以である。

「井の頭恩賜公園」へ久々の訪問

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吉祥寺へ用を足した帰りに、久しぶりの「井の頭恩賜公園」を訪れたのだった。此処は都立公園としての特筆する知名度もあり、都民に憩いを提供する公園として人気も高いのであり、途中下車しても訪れたい一帯ではある。だが実際に訪れていた井の頭公園の井の頭池周辺はといえば、枯木と共に凍えた都市の風貌を垣間見せていた。

春には桜を咲かせ、秋には紅葉で賑わう井の頭周辺ではあるが、冬には見世物がないことを露呈してしまっているかのようだ。それかあらぬか公園の風景は田舎染みていた。それが悪いというのではなく、逆であり、吉祥寺という街の持つ田舎臭さに親近感を抱いたということなのである。

井の頭池を隔てた向かいには、赤い旗と塗り壁が印象深い「弁財天」が存在する。池に面していて、池の水面と赤い塗り壁とのコントラストが印象的である。此処もおいらは訪れて、久しぶりにお参りしていた。かつて徳川家康がこの辺りの土地を水源として整備をさせたという。七福神の一つとしての弁財天としてではなくてそれ以上に由緒正しき弁財天なのである。

1月7日に「七草粥」は欠かせない

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本日は少々遅い夜食で「七草粥」をつくったのだ。正月気分が一段落つく今日1月7日は七草の日。「七草粥」をつくって食するのか日本全国一般のならわしである。おいらもこの日の「七草」を用いた料理の習慣はここ数年欠かすことなく続けている。正月になまった身体のメンテナンスに、「七草粥」ほど適切なメニューはないということを体験的に知悉しており、毎年かかすことができない。最近は有難いことに「春の七草」として七草粥の材料パックが売られている。パックの内容は以下の七種である。

せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ

基本的に七草と云えば、上記したせり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろの七種の薬草を指している。薬草とは云いつつも、スズナはカブ、スズシロは大根のことを指しており、セリは定常的にスーパーに並んでいる食材だ。これらの七種をまとめて調理することに特別な意味か存することは明白であろう。即ち、日常的素材に少しばかりの祭りの要素を取り込んだという、伝統的なイベントなのである。こんな野草粥は、本日に限らずこれからときどき調理して食したいメニューなのだとつくづく思う。七草はなかなか揃わないだろうか、三草、四草ならばいろいろ揃うことだろう。これからもときどきは、野草粥を有り難くいただきたいと考えている今宵なのである。

おでんの必須素材は大根とがんも

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おでんを食したのだが、なかでもがんもと大根はこの季節ならではの絶品味であった。大根煮といえばおでんにはなくてはならない具であり、おいらも「おでんの中で何が好きか?」と問われれば、「大根だ」と答えることにしている。実は以前は、多少日和っていた時期もあり、「牛蒡天」だ「ちくわぶ」だと云ってはいたのだ。けれどもやはり「大根」の存在に敵う訳もないことを充分に認識し、今更ながらに大根の恵みの素晴らしさに感動したりもするのだ。そして「がんもどき」の省略形だとされている「がんも」だが、豆腐をベースに、ニンジン、ゴボウ、シイタケ、コンブ、等々を混ぜ合わせて丸めてあぶらで揚げたものである。雁の肉に味を似せたとされることから「がんもどき」と云う名称が付いたとされる説があるが定かではない。精進料理の具材としても特筆される「がんも」のおでんは、冬季の和食のヒットメニューなのである。

初競りで賑わう築地界隈を散策

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今年も築地では初競りが行われていた。今年のマグロの初競りでは451万円の値を付けたというニュースを耳にし、そんな最高値の青森大間産マグロを見ようと築地市場へと足が向かっていた。散歩の途中で人熱れに巻き込まれていた場所が、すしざんまいの店舗前。4年連続で最高値を付けた「すしざんまい」店内を眺めたところ、当の最高値マグロが、ショーウィンドウの様にビジュアル配置されていたのであった。やはりなんといっても大間産の最高のマグロだという刷り込みが強くあって、すしざんまいの高級寿司店のショーウィンドウ的戦略が功を奏していたことは認めなければなるまいな。そんな光景を目にしたあとで、おいらは久しぶりの築地市場の海鮮料理を物色していたのであった。すしざんまいは何度か訪れたことはあるが、あまり雰囲気がすきではなく、特に最高値のマグロなどを待っている消費者風情の一人になるのは御免であり、細い路地の途中で目にした海鮮丼専門店にて、とてもオーソドックスな海鮮丼を注文していたのである。ウニ、イクラ、生エビ、マグロ、その他刺身で何時も食べているタコ、サーモン、等々のネタが築地ならではの鮮度を盛って提供されていた。築地らしい一品だった。某料理店の窓口では、適当な英語もどきを並べ立てていた店員の接待に呆れてか、米国人の集団に途中退場されていた光景などを目にしていたのである。築地を訪れる客の半分程度は外国人だとみえて、接客も英語が堪能な人材が不可欠とみえる。6年後の東京五輪のときまでには解決すべき課題が露呈されていたのではあった。

前橋「西洋亭 市」のカツカレー

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雑煮やおせちに飽きたら、やっぱりカレーが食べたくなる。帰省中の上州前橋では地元店でランチを食べる機会が多いのだが、「西洋亭 市」という一見ありきたりの店名のカレーは、特別な出会いを感じとっていた。此の「西洋亭 市」とは前橋の市街地の一角に店を構えており、郷土食として浸透している「ソースかつ丼」の元祖だか発祥だかの店だという。此処の「ソースかつ丼」は、地元産豚肉の旨さに加えてソース味がマッチしていることに感動を覚えていたものだ。だがそれ以上のインパクトを与えられたのが同店の「カレーライス」なのだった。カレーのルーに煮込まれた豚肉はじっくりと味が染みていて柔らかく、豚肉の旨い出汁が滲み出ている。西洋亭という名前に反して和風の味付けも処々に感じさせる。ソウルフードの一つにノミネートしたいくらいにその味はしっくりして、おいらの味覚に焼き込まれてしまうようなのである。カツの種類は豚のロース、ヒレ、そしてチキンと豊富だ。ロースを叩いて薄くしたクリスピーというカツも中々の人気のようで、今回おいらは其れを食した。円やかなカレールウにマッチして美味であった。もう一つ付け加えておきたいのが「西洋亭」の店内の趣き成。築数十年は経つであろうと思われる其の古き良き昭和の時代の外観以上に、その趣きは凄いものがある。おいら自身が青少年時代を過ごしていた頃のアイテム達が店内の至る所に蔓延していて、さながら昭和時代の時代的移築物のような趣なのだ。上州前橋出身の萩原朔太郎さんの実家が敷島公園内に移築されている以上のインパクトを感じ取るに充分なのであった。

■西洋亭 市 前橋店
群馬県前橋市千代田町2-12-12
027-235-6846