地元の居酒屋にて、ホウボウという珍しい魚を煮付けで味わったのだ。先ずは其の姿形に目を瞠ってしまった。なにしろ頭部が巨きくて背から尾にかけて細くしぼんでいる。目がギョロっとしてその目線にドキッとされたのだ。胴体の両側の胸鰭は異様に大きく、緑色、鮮青色、等々のまだら模様が目に刺さってくる。口はとてもつつましくておしとやかだが、それらのアンバランス感が何とも異様である。食用になる身の部分は限られていて少ないが、白身の身は滑らかな味わいで美味だった。
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地元店にて「自家製厚揚げ」にて一献したのだ
「自家製厚揚げ」にて一献。やはり晩酌は、手作り自家製のものに限るのである。地元の居酒屋には「自家製厚揚げ」というメニューがあるのだが、これが存外酒の肴としていける逸品なのだ。所謂「揚げ出し豆腐」とは異なっていて、しっかりとした衣がさくさくとした食感を醸しており、中は絹豆腐のトロリとして繊細な風味が舌を襲う。生の豆腐を注文を受けてから植物油で揚げて調理されるものなのだからであり、それだけ手が込んでおり、料理人の思いが詰まっているのだ。こんな料理はまさに「Tokyo is a city of Dinamic ・・」云々と云った前東京都知事こと猪瀬直樹の言葉を惹起させるが、実際は其れ以上の逸品的な代物ではある。そもそも厚揚げとはどこのスーパーにも置いてある日常的大衆メニューであり、取り立てて騒ぐこともないのは重々承知なのではある。だがしかし、こんな自家製厚揚げはといえば特別な裏メニューなのだ。おいらの出身地、群馬の田舎では、厚揚げのことを「生揚げ」と呼んでいる。生のままの絹漉し豆腐をそのまま油に潜らせる。10数分を経て揚がり上がったほ くほくのものを、葱、生姜、鰹節をのせ醤油を掛けていただく。まさしくほっかほっかの豆腐の旨みに加えてカリカリとした殻の食感がたまらない旨さのハーモ ニーを醸し出すのである。
「ヒラメ刺身」にはエンガワが付いて来た
八王子画廊散歩に出展した「月への階段」
焼き鳥屋小太郎の名物「玉ねぎの肉巻き」
少々遠回りしても味わいたくなるメニューの一つが小太郎の「玉ねぎの肉巻き」である。八王子市内の焼き鳥屋の名店といえば「小太郎」が先ず挙げられ、鶏や豚のモツ類を焼いた焼き鳥、焼きトン類はもちろんだが、それ以上においらの好みなのが「玉ねぎ肉巻き」だ。大雑把にカットした玉ねぎに肉を巻き、串刺しにしてじっくりと焼いて出される。それを特製のつけダレにつけて食するのがルールだ。そのつけダレとの相性が抜群なので時々これが食べたくなり足を運んでしまう。ベーコンの脂が玉ねぎに染みて、ポン酢より甘くさらりとしたタレと相まって、頬がとろけるような味わいなのだ。
■小太郎
東京都八王子市子安町1-7-8
http://yakitori-kotaro.com/
今回出展した新作の「里山の夕暮れ」
今回の「八王子画廊散歩」に出展した作品のひとつが「里山の夕暮れ」という作品である。
おいらがかつての故郷にて見て聞いて体験していたころのイメージを象徴したくなって描いた作品である。深緑の色彩はおいらにとっては途轍もなく輝いていたこともあり、ラメ色やその他の輝く、このような深緑色による表現となっていた。
「納豆オムレツ」は宵の酔いを進めるのだった
大阪の「紅生姜の串揚げ」には端倪すべかざるのごとし
「イカワタのホイル焼き」はイタリアンを凌駕している
イカワタのホイール焼きを食した。イカの身をカットしてホイール焼きにしたものは、シンプルながらイカスミの味覚を味わえるのだから理に適った逸品である。イカの内臓のスミはまさに抜群の調味料なのである。イカのワタを使った料理としては「イカスミパスタ」ばかりが有名だ。イタリアン料理にとってのイカワタの重要さは日本人が考える想像以上ではある。だが怯むことはなくて、日本料理にもそれに匹敵するか凌駕しているくらいの料理はあるのだ。「イカワタのホイール焼き」というメニューがそれである。イタリアンの調味料とばかりに評価されているイカスミだが、日本のイカスミ料理もまんざらではないと合点した。特に焼き物といった基本的な日本料理のメニューの中にもイカワタの王道料理が存在しているのである。イタリアンの王道にも匹敵するのが「イカワタのホイール焼き」なのである。ところで、イカ墨の色素成分はメラニンである。さらにはアミノ酸の含有率が高く、健康成分を多く含んでいる。黒いしきそはそれだけみればまがまがしくもあるが、調理に用いられたものを観察していくと、とても深遠なる色彩であることを発見する。そもそもは、イカ墨を原料とした顔料のことを「セピア」と呼ぶのであって、黒い色彩とばかりとは限らないのである。深い褐色の黒味をふくんだ色彩なのであり、その色彩表現力は強力なのである。
「中華風ちまき」はお菓子ならぬ一品の料理也
中国のちまきと日本のちまきは似て非なること大きいのだと合点したのだった。先日に食した中国風ちまきはといえば、お馴染みの日本ちまきと似ているが、やはり別種の食べ物だったのである。竹の葉に包まれていたそのちまきを開けば、甘酸っぱい濃厚な香りが鼻を突いたのだ。弾力性のあるもち米と、蒸し上げる製法による「ちまき」なる料理だが、日本と中国、あるいはアジア各国にて食されてきたものには、それぞれに特徴がある。植物の皮で包んで、もち米のご飯がぎゅうぎゅうに詰まっている。しかしながら中身はお国柄の違いが濃厚である。おいらもよく食べていたお馴染みの日本ちまきはもっとシンプルで、日本菓子の一つと認識していたが、中国ちまきはあくまで一品の料理として主張していたのだ。日本の馴染み深いちまきは、笹の葉で包んで蒸される。笹の葉というのは日本菓子における重要な脇役的地位を有しているので当たり前のように受け取ってきたが、中国ではそんな大前提が違う。竹の葉のご飯というのだから、新しいメニューのようでもある。ベトナム、カンボジアなど、アジアの各国でこの「ちまき」はポピュラーだという。多少の味付けや食べ方の違いはあれども、そんな差異を楽しみながら味わってみるのが乙というものだろう。
ホタルイカの刺身は春先取りの味わい
巨きなニンニクの串焼きを食した
巨大なニンニクの炭焼きを食したのだった。其のニンニクは通常のものの3倍くらいはある巨大なものであった。マスターに産地を尋ねると中国産だという答えが返ってきた。気になっている肝臓病対応のために、とりわけ気にして摂っているのが大蒜である。一房一房を串に指し、炭火でじっくりと焼き上げる。じわっとニンニクの実からエキスが漏れ出てくれたら食べ頃なり。食感も味わいも満足の逸品だ。巨大な国土を有する国だからニンニクが巨大に育つとも考え得難い。ある種の特別な特別変異があったのかとも想像されるが、確かな証拠はどこにも見当たらない。いったいこの巨大な大蒜の正体は? とりあえず記しておくことは、その巨大な大蒜の味わいは充分に大蒜のそのままの味わいであり、美味だったということ。例えば不味かったとすれば却って論点が整理されたのだが、決して不味い食材ではなかった。日本の農家にでも作ってほしいと思われるくらいの代物であったのである。
「イワシのなめろう」で一献
有りそうでなかった八王子「一平」の「カレーコロッケ」
有りそうでなかったという逸品のメニューが「カレーコロッケ」なのである。コロッケ風の揚げ物でありながら、具は通常のジャガイモでもその他のイモ類でもなくて、カレーなのである。カレーの具がコロッケの衣に包まれて、とても味わい深い、云わばソウルフードとしての思いを強くしている。コロッケとはそもそも洋食でありながら日本の大衆食の代表でもある。主にジャガイモを原料としているが、ひき肉、カボチャ、クリームソース等々を原料としたものもある。それにも増して意外な材料の「カレー」を原料にしたのが「カレーコロッケ」。カレー味のジャガイモコロッケではなくて、カレーが丸ごと具の原料として用いられている。馴染みの居酒屋のランチメニューとして出していたカレーの残りを使ってコロッケにしてみたのが、此の新メニュー誕生のきっかけだと聞いた。まさに揚物界のニューウエーヴの味わいなのである。箸で衣を突つくととろりとしたカレーがしみ出して行きピリリとした馴染みの辛さがのどを突つく。此の具材はインドカレーや洋食カレーではなくとろみの備わった日本風カレーでなくてはならないのである。
■一平
東京都八王子市東町11-5
042-644-8512
アメ横「カドクラ」で「和牛バラ焼丼」のランチを味わう
上野アメ横の「カドクラ」といえば、今では立ち呑み居酒屋として有名である。我が国において立ち呑みスタイルを普及させた代表的な居酒屋であり、毎日の夕刻からは呑兵衛たちの足跡が消えることがない。1杯250円の酎ハイ等の安価なメニューはもとより其れのみならず、呑兵衛向けの豊富なメニューで人気を博しているのだ。
■カドクラ
東京都台東区上野6-13-1 フォーラム味ビル1F
03-3832-5335
同「カドクラ」店の魅力は立ち呑みメニューにとどまらず、ランチの丼があるのだ。「バラ焼丼」は同店の代表的な丼メニューであり、ランチに集まる人々に支持されている。こってりと焼いた牛のバラ焼きをベースに、キムチと温泉玉子とキャベツの千切りが一体となって丼が完成されている。2012年のTD-1グランプリというイベントにて、3位入賞したという云わばお墨付きのメニューでもある。和牛と和風調理の美味いところ取りとも云えるくらいに胃袋に染込む味わい。ランチの「カドクラ」を見直したメニューなのだった。
八王子「道の駅滝山」の名物「滝山うどん」を食す
八王子北の郊外に「道の駅滝山」というスポットが存在する。東京都内では最初に生まれた道の駅なのであり、地元の農産物を中心にした直売場がメインとなって地元食材をアピール。販売処にとどまらずに地元食材を使った料理を展開する食事処もある。地元民としては地元食材にこだわるこうしたスポットの存在はとても気になるのであり、屡々足を運ぶのである。
■道の駅滝山
〒192-0011
東京都-八王子市滝山町1-592-2
042-696-1201
http://www.michinoeki-hachioji.net/
道の駅滝山にて食事処を展開するのが「八農園」だ。そんな八農菜が提供するメニューは、地元八王子の新鮮野菜や旬の屋しをふんだんに使い、こだわりの調味料や独自の調理法でやさいのちからを巧みに引き出したメニューを取りそろえているという。近頃の代表的なメニューが「滝山うどん」なのである。所謂つけ麺うどんである。素朴な中にもパワーを感じさせる。大きくカットされた葱、豚肉、茄子、油揚げ、等々の地元食材を丁寧に調理した漬け汁にツルンとしてのどごしの良いうどんを浸してツルンと食すれば、地元の味覚にうっとりとしてしまうこと請け合い、美味いことこの上なき味覚なのである。
高級食材化する「ホッケの開き」を味わう
このところホッケの漁獲量が減り、値段も高騰しているというニュースを耳にした。一節によればホッケの漁獲量低下の原因が、地球温暖化によるものだとされ、一時的な現象ではなさそうなのだ。そんなことからこのところ久しぶりに食指が動いていた。いつもはあまり行かないスーパーを周り、沼津産のホッケの開きをゲット。朝食にホッケの開きを食したのだ。脂が程よくのっているその身の味わいはあっさりしていて食べやすい。朝食の一汁一菜の具材としては充分上出来な逸品である。昔からこのホッケの類いは長い間冷遇されてきた。某百科事典には「不味い魚」という記述があったほどなのである。高級魚か大衆魚かといった評価はさておき、食べられるうちに食べておきたい日本食のひとつである。
関東風「串かつ」は関東でしか味わえないソウルフードとなりつつある
地元の何時もの居酒屋で一献。今宵は「串かつ」がお供のメニューである。由緒正しき関東の「串かつ」とは、大阪界隈のジャンクフードの串揚げとは似て非なるものであり、串かつのネギと豚肉のハーモニーの絶妙さを思えば串揚げなどは邪道的フードとしか思えない。そもそもおいらは串カツが大好きである。豚肉のカツと揚げられたネギの甘味と香ばしさとの調和した味わいは、串カツならではのものであり、関西的ジャンクフードこと串揚げの比ではない。串揚げには断然勝っていると云ってよいのである。由緒正しき関東の「串かつ」とは、大阪界隈のジャンクフードの串揚げとは似て非なるものであり、串かつのネギと豚肉のハーモニーの絶妙さを思えば串揚げなどは邪道的フードとしか思えない。おいらは串カツが大好きである。豚肉のカツと揚げられたネギの甘味と香ばしさとの調和した味わいは、串カツならではのものであり、関西的ジャンクフードこと串揚げの比ではない。串揚げには断然勝っていると云ってよいのである。かねてから思うに、串揚げを食べてもなかなか満足できないものがあったのだが、しかしながら、あえて限定すれば関東風の串カツ口にしたときの感動や満足感は、他を圧倒していたものなのである。関西ジャンクフードの限界とともに、関東圏の食文化の歴史を改めて感じ取ったという訳なのだ。関西的串揚げには無くて串カツに有るものとは何か? まずはその豚肉とネギとの相性の良さであろう。豚肉の質、ランクはそれ程良いものを求めなくても、豚カツとネギ揚げとの相性の良さで、串カツの美味さは決定付けられると云っても良い。関東風「串かつ」は関東でしか味わえないソウルフードとなりつつあるようなのであり、これからは関東風の串かつの良さをアピールしていく必要性が求められているのだ。
「菜の花のおひたし」で春の香りを味わう
地元の定食屋煮て春の香りの漂う「菜の花のおひたし」が夕食のメニューに載っていた。黄色い花を咲かせる菜の花は、花を咲かせる前の蕾がとりわけ美味である。毎年2月にもなればこの味が欲しくなる。春の灰汁とも云うべき鮮烈な苦みが喉を潤してくれる。黄色い絨毯と称される花か咲く前に収穫されて食用に供されるものである。しかもビタミンCやミネラル豊富であり、春季の豊富な栄養素たっぷりの、春を代表すべき食材の一つなのである。どこぞかの地方で菜の花の黄色い絨毯が咲き誇る前の畑をレポートをしていた。そんなことも手伝って、菜の花は大変至極に待ち望んでいたのだ。そんな地域は房総であろうか、あるいは伊豆地方だろうか、四国の某地域なのであろうか? 何処であろうとも既に春の準備は整っているということだろう。
冬の根菜+生なめこのクリームシチューに舌鼓なのだ
冬の根菜を使った料理は和風の煮込みや煮染め料理ばかりではないのである。本日作った料理はと云えば、日常的に作られるクリームシチューである。ただしいつもと違っていたのは、冬の根菜としてのじゃが芋、人参、玉葱にプラスして、生なめこをたっぷりと使ったこと。牛乳ベースのスープになめこの甘くてまろやかな味覚が融け合って想像以上にほっこりと温まることができたのだった。シチューに代表される洋風メニューには、牛乳等の乳製品が主要な地位を有しているのであり、和風料理には見られないものだが、山なめこを和風料理にばかり限定させていては勿体無いのであり、敢えて洋風のシチューに用いてみたのである。酒のつまみとしてもとてもナイスなのであった。