
居酒屋にて大衆的メニューの「ハムカツ」を食したのだ。大衆居酒屋における定番的メニュー、すなわち「おすすめ」のボードに日々書かれて提供されるものではなく毎日日常的に看板に乗っている代物だったが、ついぞ注文することにためらいがあった。だがここは社会体験、後学のためと割り切って、注文することにしたのだった。提供されてテーブルに乗ったのは、厚さ1cmもあろうかという分厚い代物だった。そもそもおいらが少年期に食していたハムカツとは、だいぶ風体が異なっている。こんな分厚いハムカツは、大衆料理メニューとは云い難いという印象を持ったのだった。世に云う鍵っ子としての思春期を送ったおいらは、夕方近くになって帰って来た母親からはよく、このハムカツのおやつをもらって食べていたものであった。そのときのハムの厚さはと云えば、2~3mm程度のものだったことを明瞭に記憶している。トンカツやメンチカツとは一ランク下の食べ物という印象だったが、間食としてのおやつには最適だったのであろう。だからハムカツはあくまで薄いハムを挙げたものでしかあり得なかったのである。ところが昨今のハムカツと来たら、とんでもない、まるでトンカツにも匹敵するくらいの厚さである。トンカツと競ってどうするんじゃ! という突っ込みをしたくなるくらいの異様な風体。こんなハムカツは本来の正当的ハムカツじゃあないぞ! ということを主張しておきたいのである。いつの間にやら時代の空気は「ハムカツ」に好意的てはある。トンカツにも増してカロリー高そう。しかもハムカツに特化したブログがブログ界をも席巻しつつあるという。嗚呼何たるおそれいりやの鬼子母神か。
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自家製「牛スジカレー」は期待以上の味わい

圧力鍋を使って定番の牛スジ煮込みをつくった。何時ものとは味付けを変えて、カレー味にしたら、此れが期待以上の完成度を有する味わいだったのである。カレー味の牛スジ煮込みは此れまで何度が食してきたが、此れが完成度の高いメニューとなることは意外な発見だったと云えよう。そもそも一般に牛スジとして流通しているものは、主に牛のアキレス腱を指している。ほのかに赤く、煮込むと渋い茶褐色に姿を変える。だがその姿かたちは煮込むことによってその存在感を増すのである。煮込みの一連の調理工程を経た後の牛スジはと云えば、一見地味にも映るが、その実はその姿を凛として示している。他の素材ならば煮込まれて姿を無くすものを、牛スジばかりはしつこいように姿を消したりすることが無い。しかもまたこの煮込み牛スジの栄養素というものが、コラーゲン豊富な栄養素である。若い女性を虜にする要素というものがこの食材に隠されている。
今季初の「初ガツオ」に舌鼓

春が来て日が経つが、幸運なことに本日は美味い初ガツオにありついたのだった。遅ればせながら春の味覚の代表としての「初カツオ」を味わったという訳である。其のカツオの赤身がキラキラとしてまぶしく感じられるくらいである。カツオの赤身は透明感があり重々しくない、清々しいくらいのことが何よりの特徴である。こんな美味なる色味はマグロなどでは決してみることができないのだから、カツオの美味しさの希少性を示しているとも云える訳ではある。フレッシュさみずみずしさ至極であり、此の季節の食欲を謳歌させる食材にもってこいであった。マグロよりも小ぶりではあるが上品な味わいであり、人間の健康生活に必須の成分であるところのEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の含有量が多いと云うことが挙げられる。しかも季節の旬を味覚で味わいつつ季節を愉しめるのだからこのうえも無い食材だと云って良いだろう。「目には青葉 山時鳥(ほととぎす)初松魚(かつお)」という山口素堂の有名な句に象徴されるように、「初ガツオ」といえば春を告げる味として有名だ。脂身濃厚なモドリカツオは、例えてみれば中トロのマグロではあるが、鮪の赤身以上のフレッシュさを味わうことができるのが、初カツオなのである。近頃では春というより も、現代では5月から6月にあたる、初夏に近い季節の味として広くいきわたっている。
海のパイナップルこと「ホヤのポン酢」に舌鼓
ホヤとは主に岩手のリアス式海岸沿いで収穫される、海のパイナップルとも称される逸品である。おいらは此れがことのほか好きであり、海鮮居酒屋で此のメニューを目にするとほぼ反射的に注文してしまう。本日久しぶりに食した「ホヤのポン酢」もまた、鮮度の良い生のホヤとポン酢との相性が抜群であり、海のパイナップルの称号に恥じない味わいなのであった。外見はグロテスクなことからなかなか口にしない日本人も多いというが、この味を知ってしまったら食べないわけにはいかないと云えるくらいに逸品の味わい。ポン酢が素材の味を引き立てている。東北の地場食材としてもっとも愛着に満ちた逸品である。まさに東北からの恵みの味だ。そもそもは上京して間もない頃のおいらは、「ほや」は食べられなかったと記憶している。原始的記憶以降のものであるので、その信憑性は大である。いつから「ほや」が食べられるようになって、しかも何時からかは「ほや」こそ酒の肴の逸品であると思うようになったのであるから人生はまた不可思議なのである。日本における主な生息地は東北の北東部であろう。一部では「海のミルク」などと称されることもあるようだが、決してミルクのような味わいはないだろう。むしろ、磯の香りがぷんぷんと漂っていて、とてもはじめての人にとっては箸を付けたくないような、そんな香りの肴なのである。
関東の「串かつ」は関西ジャンクの「串揚げ」を凌駕する味わい

今宵は「串かつ」がお供のメニューであった。普段の居酒屋にて串かつを食したのだった。そもそもおいらは串カツが大好きである。豚肉のカツと揚げられたネギの甘味と香ばしさとの調和した味わいは、串カツならではのものであり、関西的ジャンクフードこと串揚げの比ではない。串揚げには断然勝っていると云ってよいのである。由緒正しき関東の「串かつ」とは、大阪界隈のジャンクフードの串揚げとは似て非なるものであり、串かつのネギと豚肉のハーモニーの絶妙さを思えば串揚げなどは邪道的フードとしか思えない。串揚げには断然勝っていると云ってよいのである。かねてから思うに、串揚げを食べてもなかなか満足できないものがあったのだが、しかしながら、あえて限定すれば関東風の串カツ口にしたときの感動や満足感は、他を圧倒していたものなのである。関西ジャンクフードの限界とともに、関東圏の食文化の歴史を改めて感じ取ったという訳なのだ。関西的串揚げには無くて串カツに有るものとは何か? まずはその豚肉とネギとの相性の良さであろう。豚肉の質、ランクはそれ程良いものを求めなくても、豚カツとネギ揚げとの相性の良さで、串カツの美味さは決定付けられると云っても良い。
地元居酒屋の「自家製厚揚げ」で一献

おいらが住む界隈の地元の居酒屋には「自家製厚揚げ」というメニューがあるのだが、これが存外酒の肴としていける逸品なのだ。所謂「揚げ出し豆腐」とは異なっていて、しっかりとした衣がさくさくとした食感を醸しており、中は絹豆腐のトロリとして繊細な風味が舌を襲う。生の豆腐を注文を受けてから植物油で揚げて調理されるものなのだからであり、それだけ手が込んでおり、料理人の思いが詰まっているのだ。こんな料理はまさに「Tokyo is a city of Dinamic ・・」云々と云った前東京都知事こと猪瀬直樹の言葉を惹起させるが、実際は其れ以上の逸品的な代物ではある。そもそも厚揚げとはどこのスーパーにも置いてある日常的大衆メニューであり、取り立てて騒ぐこともないのは重々承知なのではある。だがしかし、こんな自家製厚揚げはといえば特別な裏メニューなのだ。おいらの出身地、群馬の田舎では、厚揚げのことを「生揚げ」と呼んでいる。生のままの絹漉し豆腐をそのまま油に潜らせる。10数分を経て揚がり上がったほ くほくのものを、葱、生姜、鰹節をのせ醤油を掛けていただく。まさしくほっかほっかの豆腐の旨みに加えてカリカリとした殻の食感がたまらない旨さのハーモ ニーを醸し出すのである。
故郷で春爛漫のスパゲッティーを食した
都市の棲家に暮らすカラスの親子像をキャッチ

帰省中の上州前橋にて、街路樹の一角に巣を作って暮らすカラスの親子像をカメラにキャッチしたのだった。2匹いるカラスの右が親で左が生後1ヶ月くらいの子供である。
そもそも本年最初にカラスの巣作りを発見したのは、春が訪れかけていた頃の3月半ばであっただろうか。母が入居している施設の窓からはほど近い、街路樹の一角に巣作りをしているカラスの夫婦を見掛けたのだった。細かくて頑丈な木の枝を持ち寄って器用にも巣を完成させていたのではある。人間ごときに真似できる芸当ではなかった。施設の窓からは近いのだが、人が行き来する地上からは10mくらいはある、そんな地上の一角であり、人間が簡単に手の届くエリアではない。人間界からは距離を取りつつ、それでも都市の街に違和感もなく生活の場所を確保する其の姿には、敬服の思いが自然と沸いていたことを思い出している。其の時は手持ちのカメラの標準レンズでは捉え得なかった姿を、本日は望遠レンズにて捉えたという訳なのである。1ヶ月ほど前に生まれたばかりのカラスの子供は、はじめは白い嘴を空に向けて親から与える餌にパクツイていたが、今では其の体毛も黒く羽が生えていて、もう直ぐの一人前の旅立ちをアピールするかのごとくである。カラスの親と子を捉えた記念碑的なる珍しいショットなのである。
暑い日にこそ「石焼ビビンバ」で暑気バテ解消なのだ
「ほうれん草のベーコン炒め」に舌鼓
喉と胃袋に優しい「ふわふわオムレツ」の味わい

美味しいオムレツを食べることができたのだ。喉を潤す清涼な味わいを感じつつ、胃袋にも優しかった。美味しいものは箸とともに酒がすすむのは何時ものこと。ふわふわとして柔らかくそしてクリーミィである。この触感は他には見られない代物ではある。近頃の大衆居酒屋で美味いオムレツを出す店は少なくなっている。手に職を付けた味職人が減ったということ、そして悪しきコスト追求がその要因ではあろう。時間とコストを天秤にかけたコストパフォーマンスはこれに勝るものはないと云えよう。そんな状況の中で美味いオムレツを出している居酒屋のメニューには、敬服に値するのである。今や多くの大衆居酒屋の主的アイテムは揚げ物であり、時間とコストを天秤にかけたコストパフォーマンスはこれに勝るものはないと云えよう。そんな状況の中で美味いオムレツを出している居酒屋のメニューには、敬服に値するのである。
「やまん家」の八王子ラーメンに舌堤

関東地方では真夏日とも云われる日には、昼食にていろいろ考えた挙句に地元グルメの八王子ラーメンを欲しくなり、食したのだった。今回訪れたのは八王子駅南口のらーめん「やまん家」である。其処のラーメンを、玉葱盛りにて食していた。濃厚な醤油ベースのスープに刻み玉ねぎのトッピングが特徴の八王子ラーメンを提供するニューウエーブ店である。醤油ラーメンには珍しく麺は細麺。濃厚なスープを充分過ぎるくらいに吸い込んで喉に入る麺の味わいはド~ンとしたインパクトだ。細麺が八王子ラーメンに適しているかについては疑問があるが、八王子ラーメンの個性的な一杯であることは間違いない。八王子市内には「八王子ラーメン」の名店が数十店、百店舗ほどが存在する。濃厚な醤油ベースのスープに刻み玉ねぎのトッピングが特徴の八王子ラーメンを提供するニューウエーブ店が「らーめん百馬」である。醤油ラーメンには珍しく麺は細麺。濃厚なスープを充分過ぎるくらいに吸い込んで喉に入る麺の味わいはド~ンとしたインパクトだ。細麺が八王子ラーメンに適しているかについては疑問があるが、八王子ラーメンの個性的な一杯であることは間違いないのである。
■麺工房 やまん家
東京都八王子市子安町4-10-9 西村ビル1F
玉葱が主役の「春玉葱の天ぷら」

春玉葱の天ぷらで一献したのだ。この時期の玉葱は見るからに瑞々しくて、しかも天ぷらの具材にもってこいときている。よくあるかき揚げ天ぷらの主材料が玉葱だが、玉葱だけで天ぷらとして成立させてしまうほどの味わいが、春玉葱にはあるのである。輪切りにして揚げられたその天ぷらは、口にすれば春を感じさせるのだ。
そもそも玉葱には、血液をサラサラにする成分を含む食材としても注目が高まっている。成人病の原因とされる血漿を予防する成分としての硫化アリルが玉葱には多く含まれているのである。玉葱に含まれる硫化アリルという成分はビタミンB1の吸収率を高めるのであり、スタミナ増強にはもってこいではある。常温ではニンニク様の匂いがあるので扱いにくいのだが、少々の水分にて浸しておくことでこれを解消することが可能である。
前橋名物のとんとんうどんを味わった
豚肉で町おこしをという掛け声で始まった上州前橋の料理が、トントン料理である。「トントン汁」はトントン料理を代表するメニューとして地元に浸透しつつ在る。前橋市内の名だたる料理人11人(チーム名:前橋の食を作る料理界の11人)が考案した前橋のオリジナル豚汁。その特徴とは下記の通りとされている。
1 群馬県産の豚肉と豊富な野菜を使い具だくさん。
2 きのこをバターソテーしてから入れるため、味はまろやか。
3 白と赤の合わせ味噌使用のため、コクがありちょっと洋食風。
4 〝豚のつみれ〟や〝ねじっこ〟(すいとんのようなもの)が入った昔懐かしい味。
一般的な豚汁ともけんちん汁とも違っていて、上州前橋の土着的な風土にマッチした味わいが伝わってくる。ちょいと甘辛な味がしつこくもあるが、却って土着的な特徴を際立たせているのである。ゴボウ、ジャガイモ、大根、コンニャク、等々の根菜類に厚揚げや小麦粉の練物等が加わって、食覚や味覚のバラエティーが広がっている。豚汁という地味目な料理が逸品的B級グルメとしての存在感をアピールしていることを実感させられる。
簡単に述べればトントン汁にうどんを加えたのが「トントンうどん」ということになる。お腹の減った昼食や夕食のメニューとしてもまた、逸品の料理として認定しておきたいものである。
■パーラーレストラン モモヤ
群馬県前橋市千代田町2-12-2
人形町「筑前屋」の「トロたんタタキ刺」に舌鼓
「ハナミズキ」に遅い春の訪れを実感した
「アジの干物」は最もポピュラーな朝食料理
八王子地元民に人気の「八王子油そば」を食した
昼時、おいらは地元民に人気の「八王子油そば」を食したのだった。
太麺を調理油としての油に和えて食べるというメニューである。ずっと此のメニューは油過多により、健康には不向きの、不健康なものとばかりに感じていた故に、殆ど食べたという記憶が無いのである。だが本日は、ひょんなる機会から食することになっていたのだった。実際に食したその麺は、想像通りのストレートの太麺、そして和えていた油はピリッとして辛味が深くて、想像以上の食べ応えなのだ。しかも此の時のおいらは大盛りを注文していて、大わらわ。食し終わるにはゆうに40~50分の時間を要してしまっていた。思いの外に、油味は感じ取ることなくして食することとなっていた。
旬のブロッコリーを炊き込みご飯とキンピラにて味わう


旬のブロッコリーを用いた料理を作って食した。この季節はブロッコリーが美味しくなる季節である。通常は茹でて食べたりするのが慣わしの食材なのだが、ちょいと趣向を変えて炊き込みご飯にしたら、これがすこぶる意外性の高いヒットメニューであったのだ。炊き込みご飯が炊かれる其のときから、室内は馥郁としたブロッコリーの香りが充満していた。まるで春の香りのごとくである。春季の炊き込みご飯にこれほど似合う食材は無いのではなかろうかとさえ感じさせてしまうのだ。そしてブロッコリーを用いたもう一つの料理が「キンピラ」なのであり、またまた季節感を充満させるに相応しい逸品なのであった。茎の部分が絶好のキンピラ食材になるのである。ビタミンB、C、カロテン、鉄分、等々の栄養素を豊富に含んだブロッコリーは、この時期が旬であり、とくに葉のついたものは国産品として流通し、人気である。蕾の塊の部分をさっと茹でればその独特の香りや触感に魅了される。食材となるのは蕾のところばかりではなく、茎の部分も栄養価が高く、捨てるにはもったいないので、おいらはこの部分をきんぴらにして食べる習慣がある。今回も蕾を調理した後の茎を用いてきんぴらにした。少々固いが食物繊維が豊富で、牛蒡とともにきんぴら料理にはもってこいの食材なのである。
「山芋磯辺揚げ」はとっても良い味わい

山芋が美味くなっている昨今、「山芋磯辺揚げ」を食していた。すなわち山芋の磯辺揚げを食したのだった。大地の食材としての山芋をふんだんに味わえるメニューであった。それは山芋を海苔でくるんで揚げたというシンプル簡単なメニューである。粘々の山芋が油にくぐらすとぷくっと膨れて見せている。滑稽でもあり、愛嬌もあり、見た目にも愉しませてくれる。家では揚げ物はなかなか作り難いから、外食メニューで時たま口にすることになる。見た目にもふっくら感のある美味しい磯辺揚げに接すると、見ただけで涎が垂れてくるのを感じるくらいだ。揚げて食べれば、粘々感は消失するのだが、味は濃厚になり、山芋のふっくらとして大地の恵みさえも感じさせてくれるのだ。ところで旨い「マグロ山かけ」の条件とは、何か? 先ずにはマグロは新鮮な赤身であることが必須条件である。へたに脂の乗っている中トロの身などはいただけない。山かけの山芋については、あまり条件として制限すべきではないが、やはりしっとりとした食感をもたらすくらいには細かなすりおろしが求められるであろう。その他の条件としては、美味い海苔と新鮮な大葉等の薬味がトッピングされていることである。









