吉祥寺の焼きトンの名店「いせや」の本店を訪問した。久しぶりに訪れた同店は新装となっていて、眺めた外見はまるで高級料亭かと見紛うほどの奇麗なつくりである。懐かしい店舗の姿をイメージしつつ訪れたのだが、些か想像以上の変わりようであった。休日だということもあり、店内に入るには行列に並ばなくてはならなかった。待つこと10分程度で、店内に踏み入れることが出来た。こ奇麗な店内は以前の雰囲気を残しつつ、カップルや家族連れが大部を占めていた。そしておいらはかつてのメニューを懐かしむかのように、串焼きとシュウマイを注文して頬張っていたのである。
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前橋「モモヤ」のトントンうどんは故郷の味だった
簡単に述べればトントン汁にうどんを加えたのが「トントンうどん」ということになる。お腹の減った昼食や夕食のメニューとしてもまた、逸品の料理として認定しておきたいものである。そもそもは、豚肉で町おこしをという掛け声で始まった上州前橋の料理が、トントン料理である。「トントン汁」はトントン料理を代表するメニューとして地元に浸透しつつ在る。前橋市内の名だたる料理人11人(チーム名:前橋の食を作る料理界の11人)が考案した前橋のオリジナル豚汁。その特徴とは下記の通りとされている。
1 群馬県産の豚肉と豊富な野菜を使い具だくさん。
2 きのこをバターソテーしてから入れるため、味はまろやか。
3 白と赤の合わせ味噌使用のため、コクがありちょっと洋食風。
4 〝豚のつみれ〟や〝ねじっこ〟(すいとんのようなもの)が入った昔懐かしい味。
一般的な豚汁ともけんちん汁とも違っていて、上州前橋の土着的な風土にマッチした味わいが伝わってくる。ちょいと甘辛な味がしつこくもあるが、却って土着的な特徴を際立たせているのである。ゴボウ、ジャガイモ、大根、コンニャク、等々の根菜類に厚揚げや小麦粉の練物等が加わって、食覚や味覚のバラエティーが広がっている。豚汁という地味目な料理が逸品的B級グルメとしての存在感をアピールしていることを実感させられる。やはり、上州前橋「モモヤ」のトントンうどんは故郷の味だったのである。
■パーラーレストラン モモヤ
群馬県前橋市千代田町2-12-2
茅場町「ニューカヤバ」で焼き鳥焼き体験をしながら一献
東京日本橋に近い茅場町界隈には、夕刻になると仕事を終えたサラリーマンが大勢つどるう酒場がある。その一つが立ち飲み店の「ニューカヤバ」である。此処は大勢のサラリーマンが仕事の疲れを癒す場所であるのだが、その入り口はとても分かりずらくて誰もが容易にアクセスできる場所とは云い難い。そして狭い入口をくぐって中に入れば、立ち飲み場としての熱気に圧倒されていく。基本的な酒類は自動販売機にコインを投入して入手するというすたいるである。まったく変な場所ではあるのだ。おいらはこの酒場の自販機ででホッピーの焼酎を注ぎ、つまみとして、焼き鳥とつくねを注文した。ともに1本100円とリーズナブルなり。だがそこからがこの店特有の面白いスタイル。すなわち炭火が燃える焼き場で自分で焼き鳥を焼かねばならない。否、この自分で焼くというスタイルが魅力である。焼き鳥とつくねを炭火の焼き場に乗せて、たれにつけたりひっくり返したりして待つこと10分くらいだろうか、ちょうど程よく焼けた自家製的焼き鳥を味わうこととなってしまった。思いがけない体験なのであった。
納豆オムレツは懐かしい味わい
北寄貝は日本二枚貝の王道の味わいだ
地元の居酒屋にて「北寄貝(ホッキガイ)」の刺身を食したのだった。二枚貝の中でも北国にて収穫され、かつ冬季には味覚的な旬を迎える貝類の代表が「ホッキ貝(北寄貝)」である。学術名では「姥貝(ウバガイ)」と呼ぶ稀有な貝であるという「北寄貝(ホッキガイ)」。殻は厚く堅いが中の身は赤黒い奥深い身の味わいに魅了される。主に北海道で収穫されるものが東京関東圏内にて流通しており、北国からもたらされた貴重な二枚貝と云うイメージが染み付いている。通常、寿司ねたとして見かける北寄貝は、赤と白とのツートン色が特徴的だが、刺身の北寄貝はと云えば、もっとデリケートな色合いに感動させられる。奥深い褐色系の色合いが何とも見事だ。近頃ではこのホッキ貝はフランス料理の具材としても重宝されているようだが、日本人のおいらとしてはやはり生の刺身として味わうのが一番である。通風持ちのおいらにとって、二枚貝は禁じられた食材の一つなのだが、どうしても我慢できなくなり、時々は口にしてしまう。何とも貴重な逸品食材なのである。
甘海老のとろける食感に舌堤
「冷やし担々麺」のピリ辛風味は夏場には頼もしい
サザエつぼ焼き苦味が暑気ばてにも利くようだ
地元の居酒屋にてサザエのつぼ焼きを食する機会に恵まれたのだ。サザエはもとよりおいらの好物である。肝の美味さといつたらこの上ないくらいだ。そして、暑気ばてにも効果がありそうな位にググっと内臓を刺激する。その昔は伊豆だとか特殊な海浜地方に旅しなければ口にすることさえ出来かねていたという貴重な食材なり。だが近頃はといえば、ちょっとした料亭だか日本料理店だかに足を運べば簡単に口にすることができるという、だが、おいらはそんな料亭だか日本料理店だかに足を運ぶ軍資金が足りないのであった為、ここ数年来はずっと我慢をし続けていたのであろう。そしてふと、地元の居酒屋にてメニューを目にし、先ずは注文と相成ったのである。ところでいつもサザエを目にして思うのだが、サザエ貝や親類の巻貝と云うものの持つその形態の稀有な要素についてである。先ずは巻貝の形態が持つ渦巻き的に盛り上がっていく形に感動する。渦巻きと生物が鼓動し伸長する様との容態は著しく関連があるのだろうと感じさせる。そしてもう一つのサザエ的形態が有する要素が「星印」なのだ。手足を伸ばすようにその星の突端が伸びている。丸くてごつくてとても愛らしい。サザエ貝と云えばその肝の苦さと磯の香りが逸品的な食材であるが、それに足して、星印と巻き印の形態の妙に感動することを、繰り返しているのだ。
トントンの街の「前橋うどん」
今年もシャリキンホッピーの季節になった
既に夏日に入り、シャリキンホッピーが美味い季節となった。ぐいっと冷たいホッピーを味わうには、「シャリキン」という手があったのである。シャキシャキのカキ氷の中身はといえば全くの焼酎であり、焼酎のカキ氷をホッピーで割るというのが正確な表現である。シャリキンホッピーに口をつけると、まず初めには苦味走ったホッピーのほろ苦さが咽をくすぐる。そしてその後に襲ってくるのが、キンミヤ焼酎のキーンと来る刺激なのだ。カキ氷の姿と化したキンミヤ焼酎はグラスの表にぷかぷかと浮かんでいて、口をつけたおいらの唇、舌面、咽越しに、ピリリと刺激を与えていく。ぷかぷか浮かんでいるキンミヤ焼酎カキ氷のアルコール度は結構高いのである。心地よい刺激である。これこそホッピー文化が育んだ呑兵衛にとっての理想郷に近いものがある。
「らあめん大安」のラーメンは八王子系ニューウェイブの味わい
八王子駅南口すぐそばの「らあめん大安」のラーメンを食した。見た目はすこぶる普通っぽいが、口にした途端にその個性が際立つというラーメンだ。先ずはビジュアルでは感じ取れないくらいにその麺がもちもちとして存在感がある。まるでうどんのように極太であり、しっかりとちぢれていており、中華麺としての食感も持ち合わせている。スープはこれまたシンプルながら、カツオが主体の魚介系の出汁が効いた醤油味である。一昔以上前のラーメンと云ったらこういう味を指したのであろうが、一昔前のラーメンよりも確かにガツンとした個性的な味わいを感じさせるのである。八王子ラーメンの中でも個性派であり、八王子系ニューウェイブの味わいと云って良いだろう。
■らあめん大安
〒192-0904
東京都八王子市子安町1丁目11−10
042-644-5529
イオン的ショッピングモールのブームには渇!なのだ
高齢者専門の施設に入居している母の夏用のパジャマが足りなくなったということから、おいらは急きょパジャマの買出しにと走っていたのである。おいらが住む多摩地区八王子市内には、ほんの少し前までは「ダイエー」という総合スーパーマーケットがあったので、ほとんどの買出しは其処へと足を運べば済んでいたのだが、ところが、本年の2月には思わず知らずの閉店となってしまっていて、おいらは女性用夏向けパジャマをどのように購入すべきかしばし思案した上、隣駅の「豊田」へと足を運んでいた。此処には新規に、イオンのショッピングモールが開店したと聞き及んでいたのであり、ダイエーが潰れたらイオンで何とかなるさという、云わば安直な考えであったと今では思う。何となればショッピングモールと化したイオンショップには通常の衣料品店が見当たらずに、店先を賑わせているのがTVCMでよく見かけるブランドショップばかり也。ブランドショップにあらざれば衣料品店に在らずとも云うような、無言のメッセージを受け取りつつ、おいらは同モールを跡にしていた。実家のある群馬県内にはイオン風ショッピングモールが花盛りであるが、其の反面では旧市街地のシャッター通り化が顕著である。このまま廃墟にもなりそうな気配さえ感じさせる。イオンモールからの帰り道、ふと横丁を見渡すと、「セイユー」の懐かしい看板を目にして足を運んだところ、幸いにして其の昔ながらの衣料品売り場には、女性用の夏向けパジャマが並んでいて、おいらは其処で目的のパジャマを購入することが出来たのだった。所謂一つの、終わり名古屋的目出度しのエピソードかもしれないが、終わり目出度しにして置けない理由がある。それはイオン的ショッピングモールが、旧市街地の商業施設はおろか大衆的スーパーマーケットをも蹂躙して、消費者動向に邪な働きをもたらしているのではないかという疑いである。イオン的ショッピングモールは、日本の消費者生活をある意味で蹂躙しているという一面を見逃してはならない。渇!なのである。
「とんこつラーメン(キクラゲ足し)」で暑気払い
早くも夏日の昼食は、とんこつラーメン(キクラゲ足し)で暑気払いだ。煮込んで白濁したスープは、余計な味付けがほとんどされていなくて、そこにお好みで辛子の素的なオリジナル調味料を足して食するのが流儀である。紅ショウガやゴマもお好みで。シンプルな「ラーメン」のほかに、トッピングされた幾つかのメニューが並ぶが、中でもお勧めなのが「きくらげラーメン」である。コリコリとした独特の食感が心地よく、不老長寿の素とも云われるきくらげがどっさりと盛られて出されるさまは、ことのほか食欲をそそる瞬間である。余談になるが、おいらはダイエット中の為、「替え玉」は注文しない。その代わりにスープはそっくりと飲み干すのだ。コラーゲンたっぷりのスープこそ美味なり。
今宵は山菜尽くしで一献なのだ
地元の居酒屋にて一献。今宵は手摘みの山菜豊富なるメニューにて特別なる酔いを満喫できたのでした。そもそもは、マスターが自ら手摘みして収穫した山菜類が食べられるという特別な日であったので、マスターの手摘みの山菜料理を満喫したのである。最初のメニューは定番の「ワラビのお浸し」。おいらはシャキシャキとして鮮度満点の食感が紛れも無い山菜なのでありとても満喫していたのである。これ以上の山菜味覚は無いだろうという間もなくして、次なるメニューの「ふき味噌」にも圧倒されていた。ふきを火で炙って味噌とあえたという逸品なり。そしておいらは定番の「山菜天ぷら」を食したのであり、美味い酒と共に、春爛漫を横溢したというべきなのであろう。と
ゴーヤチャンプルの苦味にうっとり
ゴーヤチャンプルを食したのだが、その苦味にうっとり。ゴーヤチャンプルこそは、これからの夏には無くてならないゴーヤを素材にし、その苦みを生かしたメニューである。苦味食材といえば、春に旬を迎えるたらの芽、ふきのとう、タケノコ、等々あるのだが、ところがどっこい、其れ以上の苦みとして「ゴーヤ」「ニガウリ」と云った夏本番の食材に遭遇していたのである。ゴーヤは夏に旬を迎える食材だが、良い味わいを提供してくれるということを発見した。ゴーヤチャンプルはゴーヤを用いた代表的なメニューであり、そんなゴーヤチャンプルに舌鼓なのだった。此の苦味は尋常ではなく身体に染みてくるのである。あらためて述べることも無いが、ビタミンC群をはじめ健胃効果のある苦味タンパク質も豊富なのである。夏だけの食材としておくには勿体ないこと限りなのである。
ところで夏になって夏野菜のゴーヤが実るころから「ゴーヤチャンプル」は日本人の国民食となっている。そのルーツは云うまでもなく、沖縄の郷土食としてのチャンプル料理の歴史は長いのではあるが、今となっては日本全土に亘る郷土食と云っても過言ではないだろう。台湾や中国本土に近いという地理的背景から、「ゴーヤチャンプル」があたかも中華料理の亜流と捉える見方が無い訳ではない。けれども決して中華の亜流では無いことを、その味わいやら食材やらが物語っている。まずその出汁の基本が、鰹の削り節からとられていること。沖縄での肉は「SPAM」等のランチョンミート、本州等の他県では豚肉の切り身が用いられている。そしてカツオ出汁に卵とじの行程で全体が一つの料理として交わっていくのであり、チャンプル料理本来の円やかさが広がっていく。最後に削り節をたっぷりとかけて皿に盛られる。更にと云うべきカツオの底力が皿一杯に広がっていくのである。
脂がたっぷり乗った「イワシの丸干し」を食した
イワシの丸干を食した。調理する時からその脂の乗った姿に興奮を覚え、食欲を刺激されていた。青魚の代表的魚類でもあるイワシは、丸干しにしたらとても味わい深く、しかも丸ごと味わえるのだから隅には置けないのだ。魚の加工品的食材の中には「丸干し」と云うものがあり、イワシやサンマを天日干しや機械乾燥などで乾燥させた食材を指している。丸干しと云う加工魚食材の特長は、半生的な魚の良さを引き立てていることである。生の食感や味わいには遠いが、開きもの等の乾燥ものには有り得ない魚特有の苦みやアクを味わうことが出来る。特に好みなのは「イワシの丸干し」であり、先日は干し加減が良好な大ぶりのそんなメニューにありつけていたという訳なのである。イワシとはそもそも幼魚のころからシラスやちりめんじゃこ、目刺し、煮干し、等々として食されてきた。成魚となっても生で食されることは多くはなくて、干して目刺しや丸干しと して食されている。ちなみにおいらはイワシの丸干しが大好物なのだが、実はこれには痛風の原因物質たる「プリン体」が多く含まれているために、禁忌的食物 となっている。たまには食べるが、大量に食することが出来ないのだ。だがメリットも多くあり、最もポピュラーな青魚として動脈硬化症を予防する成分に注目が集まっている。脳梗塞、心筋梗塞を事前に防ぐ食材としては、青魚がナンバー1であ る。健康な血管を維持することがすなわち健康な身体を保つことにつながっているのであり、EPA、DHAといった特別な栄養素は青魚からとるしかないのだ。
ピータンは癖になる病みつきのメニュー
中華料理店で晩酌するときついつい注文してしまうのは、餃子の次にはピータンということになる。此のメニューだけは和食に無く中華料理の独壇場と云うべき卵料理である。何とも云えない臭みと酸味に病みつきになる。ピータンが食べたくなったおいらはまたまた地元の中国料理店の扉を開けて、「ピータン」をオーダーしたのでありました。そもそもピータンという中国料理は、本来はアヒルの卵を用いてつくられるものだが、最近では鶏卵が原料となるものが少なくないのだとか。ピータンのレシピはといえば、1ヶ月あまり、塩、石灰、木灰、その他の混じった甕に卵を入れて密封される。白身は独特の茶色のゼリー状となり、この食感がたまらないのだ。元黄身の部分もまた、卵の成分を自らの作品に表徴とさせるがの如くに独特な味わいを提供している。このような不可思議な食材はあまり目にしたことが無い。
「ゼンマイ炒め」で初夏を実感
大阪風串揚げ店の「変り種の串揚げ」で一献
前橋で「猫展前橋 NEKO-EXPO IN MAEBASHI」開催中
帰省中の上州前橋で「猫展前橋 NEKO-EXPO IN MAEBASHI」というイベントに遭遇した。会場は4箇所あり、そのうちのメイン会場となる、前橋文学館3階ギャラリーに足を運んでいたのだった。
■前橋文学館
前橋市千代田町3-12-10
TEL 027-235-8011
多数の作家による猫を描いた作品が大量に展示されている。一言で云えば、猫好きのアーティストによる猫をテーマにして猫礼賛の展示会イベントと云った趣である。猫をテーマにしてアート作品を描くという試みはおいらもかつては行なっていたが、それが生涯のテーマになったことは無かった。それだけこのイベント出展者達の意気の強さは否応なく襲い掛かってくる。出店者の中に知悉の作家の名前は見当たらなかったが、前橋に限らず様々な場所にて同様の展覧会を開催しているようなのであり、改めて猫好きアーティストたちのネットワーク、および強固な猫好き愛好家たちの存在を感じさせていた。