池波正太郎「夜明けのブランデー」風に、たまには洋風のリカー&メニューもありなのだ

池波正太郎の「夜明けのブランデー」を読んでいたら無性にブランデーが飲みたくなって、駅ビルで買って飲んでいるのです。

今でこそ焼酎、あるいは焼酎割り、ホッピー、等々との付き合いが増えている昨今なのだが、その昔のおいらは、さる板橋区内のカラオケスナック等ではブランデーをキープしていたものである。そんな記憶も懐かしく、時空間を行き交う記憶のあれこれを今宵も愉しんでいる。

ブランデーとはワインを蒸留して精製した蒸留酒のこと。コニャック・アルマニャック等の高級酒をはじめとして様々な品種が販売されている。ウイスキーよりも口触りがよく、女性にはことによく口が合うとされている。そもそもウィスキーやバーボンといった蒸留酒とはまた違う洋酒、ヨーロッパ酒として認められたものとして、ブランデーの持つ意味は大きいのだといってよい。

さてっと、ブランデーにもよく似合いマッチするメニューが上に掲げた「Penne alla Pescatora」である。イタリアの家庭で食べられる田舎風パスタに、タコ、イカ、エビ等々の魚介をトマトソースであえてみたものである。まるでイタリアの食卓のメニューみたいではありませぬか?

夏バテによく効く辛味大根の蕎麦

 酷暑猛暑の夏は未だ過ぎる気配も無く、おいらはずっと夏バテなのです。

いろいろ対策は考えて実行しているのだが、最近ビビッと来てやってみたら結構いけたのが、「辛味大根の蕎麦」なのです。蕎麦は普通のスーパーで売っているやつでOK。そして薬味に「辛味大根」をおろしたものを使う。茎の部分は刻んでそれも使う。

結局ただそれだけですけど、ピリッと猛暑に渇を入れる刺激的な味わいが、思いがけない感動をもたらしたのです。

夏バテの中、日記の筆も進まずに、これ以上コメントのしようもありません。こんなときはさっさと寝よう。

夏かぼちゃを使った「かぼちゃうどん」

夏の野菜で忘れてはならないのがかぼちゃだ。他の夏野菜に比べて頑強なボディで、夏が旬なことをついつい忘れがちである。緑黄色野菜の仲間で、細胞の老化を予防するβカロチンが豊富である。

かぼちゃを使った代表的料理には「ほうとう」があるが、別にほうとう麺で無くてもよい。今日は一般のうどんを使って「かぼちゃうどん」をつくってみたのです。味はほうとうと変わりは無い。麺はつるっとして喉越しもよく、夏場はかえって普通のうどんのほうが似合っていると感じたのです。

余談だが、子供の頃のおいらはかぼちゃが好きではなかった。パサパサとして中途半端な甘さが、喉を受け付け難くさせていた。それが大人になって、ほうとうの味を知ったときからかぼちゃの美味しさを知った。丁寧に出汁で煮込んだかぼちゃに味噌の風味が加わることで、煮込んだかぼちゃが一段と美味しいメニューに一変することを知ったのだ。それ以来「煮かぼちゃ」料理は定番メニューの一つに加わったという訳なのです。

夏向け、らっきょうの浅漬け風あえもの

自家製のらっきょうも、この頃は味が染み込んで食べごろ。今日はそのらっきょうを使って「らっきょうの浅漬け風」メニューをつくってみたのです。

材料はらっきょう(縦半分にカット)、きゅうり、なす、ゴーヤ、みょうがを用意。きゅうりとなすとゴーヤを塩もみしておき、材料を混ぜてらっきょうの甘酢と少量の醤油で味付けする。ここにフレッシュな米酢あるいは今話題の黒酢をかけるのがポイントだ。これで出来上がり。簡単なメニューだがビールのおつまみとしても相性抜群だ。

少しく個人的な事情になるが、このところ夏バテが続いているのでその原因を探っていた。一つには汗として放出されたミネラル、すなわち塩分の不足であると気付いたのは数日前。梅干を水割りに入れたり、料理に塩を大目に振りかけたりなどして危急の状況を凌いでいたなり。そしてもう一つの不足していた成分が「酢」の成分であったことが判明して、特別に米酢などを足してみたというわけなのである。

夏野菜をたっぷり使った「ミネストローネ」は夏の定番

夏季の食生活の基本とは、夏野菜をたっぷり摂ること。外食に頼っているとそんな基本的食事さえままならなくなってしまうようだ。こんなときこそ「ミネストローネ」の出番である。

冷蔵庫に眠っていた野菜に加え、地元の八百屋で仕入れてきた夏野菜で、ミネストローネをつくったのです。ミネストローネとは一言で云えばイタリア風野菜スープ。用意したのはゴーヤ(にがうり)、ナス、トマト、ズッキーニ、パプリカ、ブロッコリー、それらに定在野菜の玉ねぎ、シメジ茸を追加した。それらをたっぷり1cm程度のザク切りにして鍋に入れ、軽く炒めた後15分程度じっくり煮込む。味付けは塩、胡椒とトマトソースで。すっきり酸味がのどを潤すように、シンプルにまとめるのがポイントだ。ズッキーニ、パプリカ等の西洋野菜はトマトスープにすればとてもまろやかに味わえる。

多めにつくって冷蔵庫で保存しておけば、スパゲッティのソースにもなる。簡単でいながらとても重宝する夏の定番メニューである。

「いかすみ丸ごと缶」で炊き込みご飯をつくる

以前に当ブログでも紹介した「いかすみ丸ごと缶」の缶詰は、360円というリーズナブルな価格でありながら、本格的なイカ墨料理が丸ごと味わえるのだが、本日はそれを使って創作料理、その名も「いかすみ丸ごと炊き込みご飯」にチャレンジしたのでした。

レシピはいたって簡単である。お米を研ぎ、その米を炊く煮汁に、「いかすみ丸ごと」缶詰の汁を使うのだ。研いだお米と缶詰の汁とを合わせて小1時間ほど置き、炊き上げればよいというだけのものである。こだわったポイントといえば、おいらの家にはご飯炊き用の専用土鍋があるのでそれを使った。普通の炊飯器でももちろん問題なく炊き上げることが出来るので心配無用なり。そしてもう1品を加えたこと。その1品を何にしようか? 何が良いか? と考えた末に、夏野菜の主役でもあるゴーヤ(にがうり)を使用することにした。苦いイカ墨の煮汁に張り合えるのがゴーヤであると考えたのであった。

そして結果は見事といって良いくらいに正解であった。イカ墨炊き込みご飯のワイルドな味わいに、さらにワイルドなゴーヤの苦味が加わったことにより、そのワイルドさ、気品ある野生の苦味は、2倍ならぬ2乗にも深まって舌と喉とを愉しませてくれたのである。極めて苦々しい炊き込みご飯の味わいこそ、猛暑酷暑の日にはことさらに似合うものなのでありました。

久しぶりに自家製のモツ煮込みにチャレンジ

地元のスーパーにてモツの盛り合わせが出ていた。それを見たら無性に自家製のモツ煮込みがつくりたくなって、久しぶりにチャレンジしたのでした。新鮮なモツが手に入れば旨いモツ煮込みが出来たも同然だが、あわせて煮込む食材選びも重要だ。あわせて買い求めたのは、蒟蒻と牛蒡である。蒟蒻はもちろん群馬の下仁田産。

選んだ食材は圧力鍋で煮込む。強火で沸騰したところで弱火にし、約10分。これだけでモツと牛蒡と蒟蒻が程よく柔らかく煮込まれる。最後の決め手は群馬県産須川味噌なり。

猛暑によく効く「麻婆(マーボー)トマト」はたしかに美味かった

本日は「大暑」だという。こんな猛暑に打ち勝つには夏野菜を摂ることが肝心である。夏野菜料理には様々あるが、中華の麻婆料理に夏野菜を取り入れてみれば、これがまた美味かったのです。

麻婆料理といえば「麻婆豆腐」「麻婆茄子」「麻婆春雨」などが知られているが、夏には夏の食材を取り入れることは基本中の基本。殊にトマトの存在を忘れてはならない。

「麻婆トマト」の調理方法は「麻婆茄子」のレシピと基本的に違いは無い。食材としてトマト、茄子、ピーマン、そして夏の常備菜の茗荷を用意する。ひき肉を少々加えるのが中華風だが無くてもかまわない。調味料は豆板醤、甜麺醤、とろみの片栗粉が基本、これに味噌を少々加えれば日本人向けのこくが出る。

まずは茄子とピーマンを少量のサラダ油でじっくり炒める。それに水と調味料、それにトマト、茗荷を加えて煮込み、最後に片栗粉でとろみを出せば完成である。至極簡単であり、トマトの酸味と麻婆の辛味とがよくマッチして食欲を刺激するのである。いちどお試しあれです。

今年初めての群馬風「冷や汁」をつくる

梅雨も明け、今年一番の猛暑だそうである。食欲もいっこうに湧く気配などない。こんなときにはさっとつくれて胃袋にも優しい「冷や汁」が経験的に、舌にも咽にも胃袋にもぴったし来る。日本人に味噌汁が似合うように、これがあれば間違いないのだ。

マスコミ的に「冷や汁」といえば宮崎県が本場とされるが、全国的な夏の料理であり、おいらの出身地、群馬県にも歴として「冷や汁」は存在する。今日は今年初めての「冷や汁」をつくったので、記念に写真に撮っておきました。

ネットや料理本やその他で調べれば様々な冷や汁レシピが載っているが、肝要なのは、いかに美味い味噌を材料に使うかということ。味噌選びににかかっていると云って過言ではない。おいらが年中使用している群馬の須川味噌こそは、季節にかかわらず味噌料理の基本ともなっている必須の食材なり。そして味噌以外の食材やらは、自分の舌や咽や胃袋に相談しながら時々の体調に合ったものを選べば良い。

群馬の須川味噌は「豊楽味噌」として市販されている。
http://takuminosato.or.jp/horaku/shoping1.html

まずは、豆腐となめこ茸を用意。これだけで立派な味噌汁がつくれる。それにみょうがとシラス、すりゴマ。宮崎風冷や汁には定番のきゅうりが無かったので、代わりに漬物を細かく刻んで加えてみた。想像通りにびりっとした酸味が効いて良い塩梅である。それにしてもこれからの季節は、冷や汁の材料となる食材を切らさぬよう注意しなくてはいけないな。

冷奴を美味くするトマトと特製のラー油

夏には冷奴である。だがそれだけでは味が無い。もともと冷奴の元である豆腐というものは、味が無い。京都人ならばさしずめそんな味無き薄き味を「湯豆腐」などに調理してわびさびなるものを味わうものなのであろう。ところがどっこいおいらは関東人であり、そんな雅風流を受け止める素養は無い。冷奴に+一味足して味わうということは、当たり前の習い事なのである。

という訳で今宵は「トマト」「ラー油」という食材の協力を得て、特製冷奴にありついていたのである。「トマト」はその他冷蔵庫に眠っていた食材とともに軽く炙って炒める。実はここにシラスなどがあればもっと良かったのではあるが、そんな贅沢は禁物。あくまで主役はリコピン豊かなトマトなのである。

根菜の煮込みが胃腸を癒すのです

近頃の暴飲暴食がたたって、おいらの胃腸は悲鳴を上げている。そこでおいらは自らの胃腸を癒すべく、根菜の煮物を調理してみたのでした。牛蒡、蓮根、蒟蒻、等々を食材にして。

みかけはごっついのが難点だが、根菜類には「食物繊維」か豊富に含まれている。この食物繊維こそは、胃や腸の掃除をしてくれるというありがたい栄養素なのである。五大栄養素の次に来る「第六の栄養素」として評価が高い。中々外食では摂取しにくいものなので、ときどきはこうして家料理しながら家呑みしているという訳なのである。

本年は天然の「鰺」がとてもあぶらがのって美味しいのだ

今年の「鰺」は、海流の要因やらその他諸々の要因が重なって、とてもあぶらがのっているそうなのだ。そんなニュースを聞きつけて、近くの居酒屋に「鰺」の刺身を食べに行った。だがいたってフツーなのである。「こういう鰺はいつも食べている鰺だよな」。

先日は地元のスーパーで鰺の刺身のパックを見かけた。それを購入し、味わってみたところ、う~む、なかなかあぶらがのっていて美味いのである。今年の夏の鰺は、おすすめですよん!

マクロビオティックの定番「レンコン(蓮根)ハンバーグ」を調理する

久々に「レンコン(蓮根)ハンバーグ」をつくったのです。肉類を使わないで調理するハンバーグであり、玄米菜食を基本とするマクロビオティック・メニューの中でも、定番中の定番とされているものである。

まずは蓮根をおろし、それを手で丁寧にこねてハンバーグの生地をつくる。蓮根だけでは水っぽくて生地としてまとまらないので、山芋、豆腐などをつなぎとして加えていく。小麦粉や片栗粉などを使用しても良いが、使いすぎると折角の蓮根の食感が損なわれてしまうのでほどほどに抑えておくべきだ。蓮根をすっておろしてフライパンで熱を加えて焼いた風味は、しゃきしゃき、もちもちっとして口内にまとわり絡み付くような独特の風味、味わいである。この風味と食感を味わうことが蓮根ハンバーグづくりの最大の愉しみなのであり、夾雑物は少なければ少ないほど蓮根ハンバーグの真髄が味わえるのだから、レシピもシンプルに行きたいのだ。

以下に「蓮根ハンバーグ」の簡単なレシピを記しておきます。

[ハンバーグ生地]
・蓮根 生地の全体の半分以上
・山芋 4分の1程度
・豆腐 4分の1以下
・小麦粉 好きならば少々
・片栗粉 好きならば少々
・塩 少々

[ソース]
・エノキ茸 適量
・トマト 適量
・片栗粉 適量

[調味料]
・醤油 適量
・みりん 適量
・砂糖 適量

[付け合わせ]
・エリンギ 適量
・青梗菜 適量

[ハンバーグ生地]を手でよくこねる。フライパンにサラダ油を引き、ハンバーグの生地を中火で約10分程度焼く。[ソース]の材料をフライパンで火にかけ、[調味料]を加えて材料がしんなりするまで煮込む。[付け合わせ]をフライパンで焼き、塩と胡椒で味付けする。以上を皿に盛り付けて完成。

トマトソーメンはおすすめ。夏真近の今こそトマトパワーで乗り切るのだ

日本人にはリコピンが足りないと、常日頃思っているおいらである。リコピンという栄養素は、トマトで摂取するのが早道であり、また食事の幅を拡げるので大賛成なのだ。活性酸素というものが人間の健康を阻害する要素であることはひろく口伝されてはいるが、トマトに含まれるリコピンが、活性酸素の除去に役立つことはあまり知られていないようである。βカロチンの仲間であり、トマトの赤く熟した成分に多く含まれている。

先日スーパーで見かけた「トマトソーメンの素」は、少々キワモノの風情ではあったが、おいらは迷わずに購入したのだ。夏バテ予防にトマトが一番良いことは経験上知っていたからでもあり、もともとおいらはトマト好きだったこともある。どうであろうか、この清々しい酸味の香りが漂うメニューは。トッピングしたトマトはもちろんであるが、なめこ茸、みょうが、しらす、海苔などを添えれば一段と食欲も増す。

余談であるが、毎日のように朝食のメニューには納豆があったのだが、この納豆にトマトケチャップをかけて食べるのが好きであった。上京して間もなくの頃にある女性にこの話をしたところ、面白がってトマトソースと納豆とを用意されて「本当だったら食べてみて」と云われたことがあった。もちろん大好きな取り合わせに躊躇することなく「トマトケチャップ納豆」を食してみせたのではある。その後、女性からは「お母さんに話したら気持ち悪いと云ってた」と云われて、ぎゃふんとしたものでもある。それだからと云っておいらのトマト好きはなくならないのである。

沖縄特産の「食べるラー油」でメニューも豊かに

沖縄の特産物フェアで「食べるラー油」を見つけて購入。いろいろ調理に利用したいところなのです。

とりあえずは「木綿豆腐」にのっけて食してみた。う~ん、単なるラー油ではないな。最初はまずまずのまろやかなる口当たり。肉類を使用したというだけあり濃くのある味わいが咽を包む。そして時間が少し経つなり、ラー油独特のピリッとした辛味が口吻を突くのである。まさに食べて味わえるラー油の名前に相応しい。おいらはこの「食べるラー油」を支持するのである。

これだけでは足りないなと思い、焼きそばに「食べるラー油」をかけて食してみたのです。やっぱり想像通りにGOOD!な味わいなのでありました。

初夏の味覚「らっきょう」を数年ぶりに漬けたのです

地元のスーパーで泥付きのらっきょうが出ていたのを発見。早速、らっきょうの甘酢漬けにチャレンジしたのでありました。

らっきょうの漬物にも「塩漬け」「浅漬け」「醤油漬け」など様々あるが、やはり王道である「甘酢漬け」が一番だろう。夏の猛暑を乗り切るのはらっきょうの酢漬けがもってこい。初夏から夏真っ盛りの頃にらっきょうの甘酢漬けを口にすれば、疲れも吹っ飛んでしまうくらいに効能がてきめんである。

インドやタイなどエスニックな料理の副菜として、らっきょうは欠かせない。日本でも江戸時代には食用というより薬用として珍重されていたというくらいに効能が豊かである。以前は毎年のようにこの季節に漬けていたものであるが、ここ4~5年は漬けることもなく過ごしてしまった。らっきょうの記憶が無い年月は、漫然と時を過ごしていたのだろう、やはり良い記憶が無い年月であった。

泡盛古酒に似合う肴メニュー 大根を使った三種

「瑞泉」という泡盛古酒を飲んでいる。泡盛を深く寝かせて熟成させたもので、とてもまろやかで繊細な味わいでありながら、米こうじを原料とする泡盛独特の素材の香りが香ってくる。「ベルギー優秀味覚賞」を受賞したとある。国際的にも認められた日本の酒である。こんな上等なお酒によく調和し、しかも負けない味の主張をする、酒の肴を紹介してみましょう。

■大根ちゃんぷる
沖縄のちゃんぷる料理の代表格は「ゴーヤちゃんぷる」だが、ゴーヤの苦味はどうしても古酒のまろやかな香りにしっくり来なかった。何か良い素材はないものだろうかと思案していたところでふと閃いたのが「大根」である。旬の大根の葉を活かしたちゃんぷるは、とても瑞々しく、味わい深く調理ができた。豚肉ではなく豚のソーセージを使用したのもポイントの一つだ。

■ぶり大根
大根という野菜は、ぶりなど魚類の旨みを上手に吸ってとても旨みを増す食材である。ぶりも大振りのものを選んでみたが、正解であった。味付けは醤油とみりんで薄味に仕上げるのがよいだろう。旬の魚の旨みを充分に染み込ませたぶり大根こそ、古酒に相応しく美味なり。

■大根のぬかづけ
大根料理のもう一つのおすすめが、大根のぬかづけである。ぬかの香りがぷーんと来るくらいに漬かった大根は、とても甘味が漂ってきてたいへんに美味いものなのである。

マクロビオティック&ひっつみ風、オリジナルなすいとん料理。

体調不良の日々が続いているのだが、こんなときこそ、自らのオリジナルな創作料理を食して健調を快復したいと想い、晩飯作りにはげんだのです。

先日外食で食した「すいとん鍋」がいまいちだったので、自らのオリジナル「すいとん鍋」作りにチャレンジ。人参、大根、椎茸、蒟蒻、牛蒡、等々の野菜を一口大にして、かつお出汁と醤油、砂糖の純日本式のスタイルで煮込んでいく。そして主役の「すいとん」には、小麦粉とともに蕎麦粉をあわせたのだ。比率は5対5、フィフティフィフティの黄金比率である。蕎麦粉だけでも「蕎麦がき」という立派な料理になり得るのが蕎麦粉だが、小麦粉とあわせればよりもちもち感が味わえるので、おいらはこの比率が好みなのである。すいとんといえば戦時、戦後の貧しい料理というイメージが染み付いているが、岩手県の郷土料理の「ひっつみ」は、すいとん風の鍋料理でありながら極めて健康料理のスタイルが特徴的である。マクロビオティックに郷土料理の奥義をプラスした素敵で身体に優しい伝統料理なのである。久々の手料理は掛け値なしに満足なのでありました。

太宰治流「卵味噌のカヤキ」+ふきのとうの香りは絶品なり。

 

卵味噌の素朴な味付けとふきのとうの独特な苦味が絶妙のハーモニーなのだ。

久々においらも創作料理に励んだのでした。先日ここでも紹介した「文士料理入門」にあった、太宰治さんのとっておきお勧め料理「卵味噌のカヤキ」ことホタテの味噌卵焼きにチャレンジしたのです。青森県の津軽地方においては定番の郷土料理であり、この料理について太宰治さんの「津軽」にはこう記されている。

「(前略)卵味噌のカヤキを差し上げろ。これは津軽で無ければ食えないものだ。そうだ。卵味噌だ。卵味噌に限る。卵味噌だ。卵味噌だ」

よっぽどこの料理に愛着があったと想像するのだが、その調理法にも独自の作法を必要とするのだ。

まずはできるだけ大振りの殻付き帆立貝を用意する。そして帆立貝の殻に味噌と卵に出し汁と葱を乗せて中火で炙るといういたってシンプルな焼き料理である。帆立に葱と卵と味噌というのが基本の取り合わせではあるが、ひと工夫したのが、春の味わいとして最大の味覚でもある「ふきのとう」を取り入れたこと。季節の食材を取り入れて創作料理に活かすことは基本であるからして、ふと思い付いた。そしてそれが的中したというわけなのである。

ふきのとうは味噌とよく調和する。過去のある場所で「ふき味噌」なるものを味わったことの記憶は深く刻まれている。そんな春のふきのとうの苦くて香り高い食材が、太宰さんの地域料理と完璧にマッチしたことこそ、本日最大の発見であった。

岩手県軽米産の「韃靼蕎麦」を食す

昨日の筑前煮風根菜煮込みに、なめこなどの茸類、葱、ホウレン草を加えて蕎麦にして食べました。根菜の甘みを含んでまろやかな汁が、なんとも豊潤な味わいなり。

この蕎麦はただの蕎麦ではなく、知る人ぞ知る「韃靼蕎麦」なのです。ロシアの韃靼人という小部族が好んで食べていたことからこの名が付いたとされるが、普通の蕎麦に比べて「ルチン」という成分が百倍以上含まれている。ルチンは血管の弾力性を高め、血液の循環を良くする働きがあり、血管障害の病防止に役立つとされる健康成分である。蕎麦好きに健康者が多いという根拠の一つともなっているものだ。これが通常の百倍というのだから、食べないわけにはいかないのです。

岩手県軽米町は、日本には数少ないこの韃靼蕎麦の産地でもあります。以前は通信販売で取り寄せては時々食べていたものだが、近頃は「いわて銀座プラザ」というアンテナショップにこれが置いてあることを知り、食する機会も増えてきてて居る。お勧めの逸品であります。