本日の朝食は、滋味豊かな百合根の卵とじ丼

今のこの時期、百合根が益々滋味豊かに美味しくなっていく。東北岩手などの北国ではポピュラー食材でもあるこの百合根が、関東に浸透したのはつい最近のことのように思われる。だから今なおとても貴重な食材である。いつものスーパーには無かったので少々遠出して探してきたものだ。

ところで百合根の料理と云うものは、未だ我国、殊に関東圏には広まることは無い。代表的なレシピの一つは、百合根をたっぷりと用いた卵とじ料理、即ち「百合根の卵とじ」であろう。早速その定番料理をつくった。卵とじというシンプルな料理だから、百合根という希少食材の持ち味を最大限に活かせている。

百合根の味わいは、例えば品の良い芋のようであり、かつ漢方素材のようなエグミがある。事実一般的に、百合の根の多くはエグミが強くて食用には適さない。百合根として流通されているのは特別な百合種の根ではある。

ネオマクロビ的料理「大根と厚揚げと手羽の煮込み」

大根丸ごと1本を圧力鍋に入れ、たっぷりの水分と共に20分ほど火にかけて下処理をした。すると、箸でも簡単にほぐれるほどの柔らかホクホクの大根煮が出来上がり。

はじめはおでんの具にしようかとも考えたが、ここはちと考えを改めて、大根を素材にしたスローフード、ネオマクロビオティック風の料理にしようと思いついたのだった。

合わせたのは厚揚げと鶏の手羽。動物系食材を最小限にするという正規、生食的マクロビオティックの教えには少々外れているが、求めていたのは古からの我国の田舎郷土料理である。

そもそも桜沢如一により提唱されたマクロビオティックは、日本の田舎料理、郷土料理がベースとなっているのだから、あながちマクロビで無いとも云えない。最小限の動物的食材はマクロビ関係者も認めているところなのだ。

鶏の手羽はと云えば、醤油と砂糖といった日本の基本的な甘辛調味料にテリとコクを加えてくれる。鷹の爪唐辛子も、スローフードを引き立てる調味料として称揚されている。とてもマクロビ的理に適ったメニューであると云えるだろう。

地場産「葉付き大根」でスローフードを満喫したのだ

地元のスーパーに行くと八王子の地場産「葉付き大根」が売られていた。東京野菜の代表格でもある八王子産大根であるので、自然に手が伸びて購入していたのであった。

その大変に希少な地場野菜「葉付き大根」のメニューとして、まずは「葉」の部分を使って味噌汁をつくった。味噌はもちろん群馬産の「豊楽味噌」である。そして具にした大根の葉はシャキシャキした食感と、清々しい味わいがグッドである。あまり注目されない大根の葉も、立派な味噌汁の具材になり得るということなのだった。

http://takuminosato.or.jp/index.html

葉付き大根の「葉」を使って、「牡蠣と大根の炊き込み御飯」をつくった。大根の葉の清冽な味わいが、濃厚な食材としての牡蠣の風味にはマッチするだろうと考えたからである。そしてその予測は的中したと云って良い。

牡蠣御飯はよく作るが、何時も以上の牡蠣の炊込み御飯を味わうことが出来たのであり、満足至極だった。

おでんに自家製巾着袋を入れてほっこり味わう

最近は週に3日ほど鍋料理をつついている。今日はどんな鍋かと考えていたとき、おでんに入れる自家製「巾着袋」を思いついた。スーパーで売っているおでんだねを鍋で煮込んだだけでは物足りないし味気ない。そんなときにおでんと一緒にグツグツと丁寧に煮込んでやると、これがやさしい出汁が染みて美味しくなるのだ。当たり前のおでんが一人前の料理になる。

巾着に入れるネタは様々あるが、おいらは人参、牛蒡を細切れにしたものを基本にし、ホウレン草等の葉野菜を混ぜて使う。干し椎茸や他の茸類を入れてもよいが、根菜特有の泥臭くやさしい味わいに触れたい場合は避けている。他にヒジキ等の海藻類も面白い味が出て、時々試しているのだ。

油揚げを半分にカットし、その巾着袋に具材を詰めて、干瓢で紐縛りにする。それを買ってきたおでんダネと一緒に、弱火でグツグツ。スープには生姜をすって入れ、30分程度煮込んで味がまろやかに染みたところで火から下げて、熱々を頬張ったのだ。

寒い季節に、出汁としょうがのビリッとした爽やかさが染みて、期待通りのホッコリ感。身体の中が爽快になるのを感じていたのだ。

八戸のイカせんべいで八戸メニューの「せんべい汁」をつくった

ふと出くわした東北応援のブースでは、青森県八戸特産の「せんべい」が売られていた。おいらは数種類の中から「イカせんべい」をチョイスし、これを八戸流の「せんべい汁」に使おうと目論んだのだ。そのまま齧っても良い味だが、「せんべい汁」の具材として用いられる用途がポピュラーであり、かつ最もこのせんべいの特徴を示している。

B級グルメの大会では毎回にて入賞を果たすのだが、然しながらこれまでグランプリに輝いたことが無い。常に2番手、3番手で前を狙ってはいるのであるが、これから1番を取れる確証が、有る訳ではない。何かが足りてない。其れがまたこのせんべい汁の特徴であるとも云えよう。

「せんべい汁」を2、3番から1番に押し上げるには、ある種の食材のインパクトや、或はコンセプトのワープ的展開が必要であると考えていた。そうした中で「イカせんべい」は、1番狙いの所謂一つのアイテムになるかと考えたのである。

イカせんべいは、恐らく八戸界隈で取れた大量のイカを原料にして小麦粉と共にせんべい焼きにされた代物である。イカのエキスが大量に含まれている。だが然しながらおいらが不満なのは、イカ墨の活用が不充分であると云うことなり。イカの身と共にイカの墨こそは、イカを味わい尽くす上での必須のアイテムである。イカ墨パスタはイタリアンながら日本のイカ料理の達し得ないものを表しているのであり、日本のイカ料理はイタリアンを駆逐するべき使命を背負っていると云うべきである。

些か横道に逸れたが、イカせんべいを使って作った「せんべい汁」の味わいは、予想通りのイカ味が、数種類の野菜にも染みていて、満足の出来栄えではあった。これから「イカ墨」を「せんべい汁」に活用することによって、更にインパクトのある「イカ墨せんべい汁」メニューが完成するのだろうと睨んでいるところなのである。

旬のカボチャをシチューとハンバーグで味わった

今のこの時期にこそカボチャは旬である。じっくりと煮込んで味わうと得も云われぬ甘い幸福感で満ち足りてしまう。稀有な素材である。

そんなカボチャをシチューの具としてじっくりと煮込んで味わった。付け合せは椎茸、舞茸、等々の秋の茸類。そして甘い玉葱。

カボチャの甘味はホクホクとして黄色い色合いとなってシチューに彩りを与えていた。

そして第2弾として食したのは、手作りハンバーグのソースである。黄色いカボチャが溶け出して程よく甘く芳醇な味覚を与えていたのだ。こんなソースでハンバーグを味わえたこの秋の季節は特筆されるのだ。

きのこいっぱいの「土鍋きのこご飯」でほっこり満腹

秋の味覚の代表であるきのこを色々買い求めて、それを土鍋のご飯にして炊いたらばとても秋深き味覚を味わうこととなったのでありました。

舞茸、シメジ、椎茸、等々。理想としてはここに「ヒラタケ」が欲しいところであるが、ヒラタケの生産地は福島県内がほぼ独占的に占められているのであり、やはりと云うのかここでも原発事故の放射能汚染の悪影響が、不自然な食生活の原因となって立ちはだかっているのだ。

改めて東電原発事故の影響度の深さを認めざるを得ないのである。福島県内のみならず、何バ百万人もの人々の生活を蹂躙しつつある東電並びに電力関係者の罪の深さを示しておきたい。東電は頑張っている等々の欺瞞的報道も、あるいは個人的主張も垣間みるが、そんな愚かじみた声には惑わされることの無いように気をつけていきたいものである。

数種類のきのことともに、鶏のもも肉をカットして具材にした。鶏の繊細な脂身がキノコにも程よく染み入って、奥深い味わいの土鍋ご飯が出来上がったのだった。

タジン鍋で、秋の「根菜蒸し鍋」をつくった

先日に購入した「タジン鍋」を使った料理にこのところのめりこんでいる。

今回試したレシピは、秋の根菜である蓮根、山芋を主素材にしてみたものだ。他にも秋の食材として舞茸と葱、豚肉等々を仕込んでいざ調理。

鍋の一番下にまずは蓮根を並べていく。蓮根は火に通すととてももちもちとして柔らかくなり、この時期の鍋料理にはもってこいである。その上に豚の薄切りを並べ、そして、舞茸、葱、山芋を並べて、味付けは柚子胡椒を適度に乗せて、100cc程度の水を加えて準備完了。

タジン鍋の下の素材は厚い鉄板であり、直にガス火をつけて大丈夫なので、蒸し料理も比較的簡単に出来上がると云う特徴がある。大雑把な家庭料理づくりにおいてはとても重宝する調理素材であることを、改めて認識したのだ。

タジン鍋料理の第2弾は、タジン風「じゃがバター」

タジン鍋を使った料理の第2弾は、「じゃがバター」を試みた。

まずは北海道の男爵芋をアルミに包んで、電子レンジで5〜6分の前処理を施した。そして、身が柔らかくなった男爵芋を食べごろサイズにカットして用意。鍋にはキャベツ、玉葱、を敷き詰めて、その上に男爵じゃがいもとバターを乗せて準備完了。調味料は日本酒をざっくりと素材に掛けたのみ。

タジン鍋のシルクハットのふたをかぶせて、先ずは強火で沸騰させる。そして蒸気が上がったところで弱火にし、じっくり蒸し焼きにすること10分あまり。キャベツ他の野菜はしんなりとし、主役のじゃがいもにも火が通ってほくほくの蒸し焼きじゃがが仕上がっていた。

北海道風に、イカの塩辛を乗せていただくことにした。バターの香りが染みてほくほくしたじゃがいもに、塩辛の塩味と肝の苦みがマッチしており、奥深い料理を堪能することとなった。男爵芋+バター+イカの塩辛の取り合わせは、流石に味覚の三位一体的トライアングルを奏でており、北海道の食文化の豊かさを感じ取らせるに充分なものであった。

タジン鍋を使った料理の第2弾は、「じゃがバター」を試みた。まずは北海道の男爵芋をアルミに包んで、電子レンジで5〜6分の前処理を施した。そして、身が柔らかくなった男爵芋を食べごろサイズにカットして用意。鍋にはキャベツ、玉葱、を敷き詰めて、その上に男爵じゃがいもとバターを乗せて準備完了。調味料は日本酒をざっくりと素材に掛けたのみ。タジン鍋のシルクハットのふたをかぶせて、先ずは強火で沸騰させる。そして蒸気が上がったところで弱火にし、じっくり蒸し焼きにすること10分あまり。

キャベツ他の野菜はしんなりとし、主役のじゃがいもにも火が通ってほくほくの蒸し焼きじゃがが仕上がっていた。北海道風に、イカの塩辛を乗せていただくことにした。バターの香りが染みてほくほくしたじゃがいもに、塩辛の塩味と肝の苦みがマッチしており、奥深い料理を堪能することとなった。男爵芋+バター+イカの塩辛の取り合わせは、流石に味覚の三位一体的トライアングルを奏でており、北海道の食文化の豊かさを感じ取らせるに充分なものであった。

我が家初のタジン鍋料理は、ちゃんちゃん焼き風蒸し焼き

かつて地元の居酒屋で「タジン鍋」の料理を食して以来、タジン鍋に対する執拗なる関心を抱いていたおいらだが、このほどその「タジン鍋」を購入。早速的に、初のタジン鍋料理にチャレンジしたのでした。

今回の料理の基本コンセプトは、旬の鮭を使った「ちゃんちゃん鍋」風の蒸し料理。ご存知北海道の著名な郷土料理也。キャベツ、玉葱他の大地の恵みの野菜類をたっぷりと敷き詰め、北海道魚の象徴たる鮭を乗せ、そして味噌味で蒸すという、ダイナミックな料理である。今回はこれをタジン鍋を活用して作ってしまおうという試みなのだった。

とりあえずは最初の調理なので地元のスーパーにて調材を確保。大きめに敷き詰めた野菜に鮭の切身と味噌、バター、そして日本酒という、シンプルな味付け。

ガスの炎に当てられた鍋は、野性的に発火点まで突き上り沸騰したところで、スイッチ切り替えて弱火の炎に委ねたのだ。その間の時間的推移は12分あまり。少量の酒だけが水分としてあてがわれている限りの、極めて蒸し料理の基本に忠実な、ちゃんちゃん焼き風鮭蒸し料理が完成したのだ。

ちょっと味噌の量が多かったのか、それと火の掛け時間が長すぎたのか、野菜はしんなりを通り越してびちゃびちゃした触感となってしまった。鮭と野菜類との調和的料理の理想には残念ながら到達できなかった。

けれどもまた蒸し料理がこんなに手軽に手に届くということは、これからの家庭料理のレパートリーに光明を与えているような、可能性を呈示したのであった。これからますます家庭料理の愉しみがいや増したというべきであろう。

秋のほかほか栗ご飯なのだ

土鍋で「栗ご飯」をつくった。冷蔵庫に残っていた椎茸と南瓜を加えて秋の三点盛り炊込みご飯だ。

土鍋の蓋から上がる蒸気が溢れると、ほかほかとした甘い香りが部屋中に漂っていく。水蒸気が吹き上がらなくなるころからがほんのりおこげご飯が出来ていく過程なのであり、耳を鍋に近づけて、しっかりと炊き上がりを確かめていく。火を止めてそのまま15分程度蒸したら出来上がり。

出来たてを口にすれば、栗のとろけるような甘味が口蓋中に広がる。甘味が染みたご飯もまた申し分が無いくらいにほっこりとした味わい。この時ばかりは椎茸も南瓜も存在感が霞んでしまった。殊のほか際立っていた主役は栗のほかほかさだったのであった。

たっぷりの根菜類で「けんちん汁」をつくったのだ

人参、大根、牛蒡、等々の根菜類が自然と貯まっていくこの季節。冷蔵庫の中の椎茸、蒟蒻等を合わせて「けんちん汁」にしたのだ。

素材は料理屋で出されるものよりも大振りにカットし、少量のサラダ油でじっくりと炒める。5分程度して、素材に熱が回って柔らかくなったところで水を加えて、じっくりと煮込む。20分も経てば硬い牛蒡も柔らかくなって食べ頃だ。

元々けんちん汁とは、鎌倉建長寺のお坊さんによって考案された精進料理の一種とされている。肉類、魚類を用いるのはご法度と云う制限がある。普段はカツオ出汁を使うところだが、今回は昆布茶の元を出汁代わりにする。椎茸や根菜類から滲み出る天然の出汁で煮込まれるので、とても優しい味付けに仕上がったのだ。

少々多めに作っておき、後で蕎麦のタレ汁にすればまた2度美味しいのだ。これから我家の常食のひとつになっていくだろう。

我家で食した「納豆とんぶり御飯」は「佐原屋」のを断然に凌ぐのだ

御徒町の「佐原屋」へ訪れるとよく注文するのが「納豆とんぶり」だ。

http://www.midori-kikaku.com/blog/?p=4015

「山かけとんぶり」等とともにおいらの大好きであり、同店の看板メニューでもあるのだが先日は、同店のメニューにおける欠陥を発見したのだ。それは御飯に乗せて食べることが出来ないと云うこと。

先日このメニューを口にしていたとき、ふと思い付いて「御飯が欲しい」と注文したのだが、願いは叶えられなかった。

御飯くらいは何処の飲食店でも用意しているはずだが、「居酒屋」「酒呑処」…等々の看板が邪魔をしていて日本人の飲食の基本であるべき御飯も提供できないと云うのだからがっかりだったのである。

ならば我家で、満足できるメニューを拵えてみようではないかと思い立って、都心のスーパーを覗いてみたら「とんぶり」が見つかった。喜びいさんで持ち帰り、納豆、葱、その他食材を合わせてみてそして、温かい御飯の上に乗せて食べたのだが、想像以上に絶品の味わいなのであった。満足至極のメニューである。

そもそも居酒屋だから御飯を出さない、出せないなどと云う口上は、はなはだ客の気持ちを踏みにじっている行為である。こと飲食店関係であれば、御飯を出してくれと云う客の要望には真っ先に応えるべきであるのに、何故だか勿体をつけて「御飯はありません」等と云うのはまるで、料理屋の基本を蔑ろにしている行為である。

全くもって不条理至極なのだったのではあったが、今宵はこうして美味いメニューと、美味い晩酌の酒にありつけたのだから良しとすべきなのかもしれないな。

【追記 とんぶりとは】
ホオキギという1年草の成熟果実を元にして加熱加工したもの。中国では漢方食材として利用されている。「野菜のキャビア」とも称され、黒緑色のプチプチとした食感が人気だ。旬のものは9月から流通する。注目の食材なのだ。

色川武大氏偏愛の「鮭のまぜ御飯」は流石に美味だった

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先日ふとしたきっかけで、色川武大氏の「喰いたい放題」の文庫本が目に止まって読んでいるのだが、なかなか興味と食欲とをそそられる内容だ。

相当な食いしん坊であった色川氏は、まあ相当な偏愛的美食家でもあったと見える。冷やしワンタンから始まり松茸鍋、上海蟹、鱈子、鰻、等々はまずは定番だが、一番食べたいものが「御飯」、そして副食物の極め付けが「ふりかけ」と云うんだから本物である。

そして、本物食いしん坊の色川氏の同書で、何度も登場するのが「鮭のまぜ御飯」なのだった。一塩の鮭の身をほぐして、大場を揉んだやつと混ぜ合わせる、というこれだけのレシピ。これが何度も登場しているのでついつい作りたくなり、バーチャル食欲が湧き上がっていたと云うことなのだ。

そうして作ってみたのが上の写真である。煎りゴマなどを添えて多少のオリジナルを演出してみた。難しい調理法などは全然採用されていないが、食べたところこれがなかなかの味のハーモニーだった。一流の料理とは素材と素材のハーモニーであることがよく分かる。流石は本物食いしん坊だけのことはある。

サバ(鯖)が、脂が乗って美味い季節となった

猛暑の季節がようやく過ぎ去ろうとしているが、サバも旬の季節を迎え脂が乗って美味さが増してきた。

先日は美味いシメ鯖を食したのだが、家でも鯖の味噌煮をつくってみたら、これも中々の味わいだったのだ。

極力甘さを控えて砂糖は使わず味醂と味噌のみで調理。その代わりに玉葱、ネギ、生姜をたっぷりと加えて煮込んだ。天然の野菜の旨みが滲み出ており、鯖の青臭さも抑えてくれて満足の味わいだったのでありました。

かつおの土佐造りとトマトはとても相性が良いのだ

あぶらが乗って美味そうなカツオの刺身を仕入れて土佐造りをつくった。玉葱のスライスに茗荷、大葉を細かく刻んでポン酢であえる。カツオはたたきよりも断然に刺身が上だが、それに薬味をくわえることで特に夏の季節の季節料理の有力メニューに昇華されたのだ。

そして今回のポイントは「トマト」を加えたことだ。イタリアンだろうが四国の郷土料理であろうがスパニッシュだろうがカツオとトマトは好相性であり、その真実を今更ながらに体験的に享受したのである。

この取り合わせは国際的な夏の定番と云っても過言ではない。無駄な火を通さずに涼しくあえるのが涼しく味わうコツ。猛暑の季節が途切れるまでに何度でも食べたい逸品メニューとなったのである。

「だし奴」にみる美味い「冷奴」の条件

昨晩は「だし奴」に触れながらもその詳細について書き記すことをしなかったのは、睡魔に襲われていたからと云うのが主原因だが、然しながらそればかりではなかった。冷奴の中の筆頭メニューとも云うべきだし奴というものが、はてな通常の冷奴こと比べてどうなのか? そうした思いを整理する必要が在ると感じていたからでもある。

「だし奴」の「だし」というのは、山形県の郷土料理として名高いものであり、胡瓜、茄子、葱などの夏野菜を醤油ベースのタレに漬け込んだものだ。それを冷やして保存食とする。御飯に掛けて食べるのが定番だが、豆腐に掛ければ「だし奴」となる訳である。葱+生姜+鰹節といった通常の冷奴の具材に比べて夏野菜が主要具材であることから、夏のほてった身体を冷ます効能が発生する。鰹節を使わないで天然の野菜から生じる「だし」が隠された味わいの決め手なのだ。野菜出汁が主役なのだから美味くないはずが無かったのである。

洋風「パプリカ」は「ひじき」と相性が良い

ひじきの煮物を作った。我家の定番料理の一つである。

普段は大豆か人参か干椎茸とあわせて煮るのだが、今回は「パプリカ」を相棒にしてみたのだ。ピーマンと同種の食材だが、ピーマンのツーンとした匂いや刺激は少なくほんのり甘いところが、ひじきと合うのではないかとにらんだからだ。そしてその予測は的中したのだ。

砂糖、醤油、出汁汁などはいつもより抑え目にしたところ、淡白な乾燥ひじきはパプリカの甘味を吸って、とても複雑な味わいになった。これまた和洋折衷の逸品メニューと云えるだろう。

異端の香りを振り撒く「茗荷(みょうが)」の蕾の清冽さ

茗荷が美味しい季節になった。

その昔、茗荷を食べると馬鹿に成る、物忘れが酷くなる、等々の俗説が蔓延していた。子供の頃は俗説とも知らずにその「馬鹿に成る」理由をあれこれと詮索していたことがあった。当時思い当たったその根拠はと云えば、その強烈なる独特な香りが神経を麻痺させるのではないか? ということだった。

今ではお笑いものではあるが、子供心にその根拠は正当なものであると何年間も信じ続けていたものだ。特に幼少年期の初心な感性にとって、茗荷のような異端の香りは強烈な印象を与えていたのであろう。

ところで食用にされる茗荷と云えば、花開く前の「蕾」の部分である。いくつかの蕾が寄り合った形状であることからこの部分を「花蕾」と呼ぶこともある。我々は花として開く前の清冽な香りと味わいを愉しんでいる訳である。

食し方としてポピュラーなのは、「薬味」としての利用である。冷奴、蕎麦、等々に添えれば主食材を一段と清冽にさせ、特に夏の体力維持にはもってこいである。個人的には刺身の薬味としてもナイスな取り合わせであり、時々利用しているのである。

その他、朝漬け、味噌汁、天ぷら、酢の物、等々の具としても使える。これらの料理だと茗荷が主役にもなり、茗荷冥利に尽きるのだと云っても良いくらいだ。

今年もらっきょう漬けの季節が到来

八百屋には土付きのらっきょうが並ぶ季節がやってきた。店頭に並ぶのは、500gもの、1kgものとあるが、今年は500gものが多い。

聞くところによれば今年のらっきょうは例年よりも不作なのだという。いくぶんその大きさも、例年よりも小ぶりに見える。

ともあれ今年も1kgものらっきょうを買い込んで、らっきょう漬けを仕込んだのです。

まずは土付きらっきょうの芽と根の部分を包丁でカットし、薄皮も丁寧に剥いでいく。この行程に約1時間。そして流水でしっかりと洗い、沸騰した湯の中に入れ数十秒。年間を通して保存食材として利用するため、殺菌の為の行程は欠かせないのだ。

塩漬け、醤油漬け、等々と漬け方は様々あるが、今年はオーソドックスな甘酢漬けにしてみた。特にこれからの猛暑を乗り越えていく上で、酢の力は大いなパワーになるのだから、じっくりと漬け込んでいきたいものである。