コリコリっとして海の野趣満点「サザエの刺身」

普段は壺焼きで食するサザエを、刺身で食べてみたのだった。

身の部分はコリコリっと硬く、海の野趣が満点に味わえる。しかしながら尻尾のように丸く縮こまっているところには、人や哺乳類の大腸のようなものではあり、しかるにうんち的部分には違いないのだ。

其処の部分を口に含むには多少の躊躇いが未だに生じるのである。何度かは食している「サザエの刺身」であるが、未だにこの点のおいらの中での解決は未知数なのである。

イカ(烏賊)が美味い愛好家の聖地的スポット、荻窪の「やきや」を探索

荻窪の「やきや」を探索した。実に異色のいざかやである。焼き物が中心の立ち飲み居酒屋店だが、なかでもいかのつまみが豊富でしかも格安であり、地元の呑兵衛を中心に人が絶えることが無い。

元々昨年まで、「焼きや(「やきや」の前身)」は荻窪駅北口の一角にあった。それが昨年の何時か、いつの間にやら無くなっていたのでおいらはとても残念な気持ちでいたのだった。

ネットで調べたところ、荻窪駅の南口に新しく店舗をオープンしたという情報を入手。やっと新生「やきや」への訪問探索が叶ったのであった。

当店の売りはあくまでも「イカ(烏賊)」なのである。何故に「烏賊屋」「イカ屋」「いかや」と名付けないかと、かねてからおいらは疑問ではあったのであった。

それでも「やきや」が再開していたということは喜びであった。

先ずは「イカ軟骨焼き」を注文した。今ではコンビニのおつまみメニューで一般的なものではあるが、やはり生ものの「イカ軟骨」はと云えば、その触感やら生々しさやらにおいては絶品の一品ではあった。

そして二品目に頼んだのは「イカ耳の刺身」である。高級店では捨ててしまう部所ではある。身よりも硬く歯応えがある。それがまるでほのかにピンク色をしていて工芸品のような包丁捌きの一品として出されてきたので、それで第一発目のパンチを食らったようである。触感はそれ程は硬くなく噛み応えもあり、呑兵衛のつまみとしては申し分が無い。

地元で食べた「筍焼き」は大地のアクの味がした

筍は春に大地に芽を出してその日に採られ出荷される。少し育ってしまったものは筍にはならないのであり、云わば幼生の食材だと云えるのである。そんな旬の筍を焼きのメニューで食したのだった。

春ももう後半に近づいて、筍の出荷もピークを超えたようであり、希少性も失せ、注目度も低いのだが、こんな時期こそ美味なる筍が味わえると常々期待しているところなのである。

焼く前の大きな筍を目にしていたが、実際に焼き上がって提供されたものはとても小さかった。そして幾重にも重ねられた皮は硬くて厚くてとても人間の歯では噛み切れる類のものではなかったのである。

食した部分は少なくて、でも焼き色も少々付いていて、目にも口にも愉しませてくれていた。味付け、調味のほうはと云えば特別な工夫など無く、それが却って筍本来のアクのえぐみを強く感じさせていた。これは筍の本来の味わいの一部であり、摘むことなどあってはならないと感じ取っていた。それかあらぬかこの晩春の筍には、おいらも特別な思い入れを強くしている今日なのではあった。

夜の吉祥寺「井の頭恩賜公園」と「いせや」を散策

夜の吉祥寺、井の頭恩賜公園の界隈を散策した。JR中央線幹線の吉祥寺駅から徒歩で10分以内の場にある井の頭恩賜公園は人の行き来は多かれども、とてもひっそりと佇んでおり、夜間の公園ならではの樹木や池畔、鳥類等の息遣いを感じ取っていた。

見えない場所を想像しながら歩を進めて行くと、池の中のたぶん鯉であろう魚がぷくぷくと息をする姿が浮かぶ様であった。

そして散歩のあとは、夜の「いせや公園店」にて一献。総本店が近代的な鉄骨ビルディングに建て替えられてからは、この公園店こそがいせやの面影を残している。

その昔はいせやにはホッピーが無かったが、いつの間にかホッピーは此処でもポピュラーなメニューとなっている。焼き鳥が有名な名店ではあるが、煮込みや餃子もまた旨い。もつ焼き類は荒削りのもつの素材を味わえるが、餃子、煮込みは、古くからの昭和の面影を伝える味わいが魅力である。

やはり「ホタルイカ(蛍烏賊)」は酢味噌和えが一番だと合点した

上野アメ横の居酒屋「大統領」新店に立ち寄り一献。

この界隈は立ち飲み店の強豪店が軒を並べる一角であり、そこにアメ横の名店とも称される「大統領」が進出したのは、ライバル店の進出に対抗してアメ横界隈の影響力を行使しようという意図等がうかがわれる。

名店の冠を戴いていた「大統領」が新興店の進出には無視出来ない事情があったのだと推察可能である。

そんな新規店舗「大統領」は、馬モツの「煮込み」をはじめとして定番メニューを提供しつつ、旬のメニューも看板に名を連ねている。

「ホタルイカの酢味噌和え」もまた、そんな旬メニューの一品。ボイルしてぷくっと太ったホタルイカに酢味噌を和えて出されており、まさに旬の美味を味わうことが出来たのだった。

今期、「生ホタルイカ」を食していたおいらではあるが、ホタルイカの味わいはボイルして酢味噌で和えるのが一番だと合点したのであった。

新じゃが芋の揚物は、ポテトコロッケより美味かった

この時期に食べないと勿体ないのが、新じゃがいも、新玉ねぎ、そして新キャベツの春の新素材トリオである。春も佳境に入り、新とのたまうには遅きに過ぎるかもしれないが、今でもなお、春の新素材に遭遇すると注文したくなる。

このたび遭遇したのが「新じゃが芋の揚物」だった。そして出てきたのは、小ぶりだが丸ごと一つのじゃが芋に衣をつけて揚げられたメニュー。きっと下茹でなどの処理をしているのであろう、揚げ衣の下から身を現したじゃが芋はほくほくと柔らかく甘く、そして味わいが深かった。

揚げ物はカロリーが高いため、あまり口にすることは少なくなっていた。それでも時々はポテトコロッケ、アジフライ等のメニューは口にしている。コロッケはそんなソウルフードの一種であるのだが、この「新じゃが芋の揚物」はそれ以上の新鮮な味わいだったと云えるだろう。

居酒屋のブーム的メニュー「栃尾の油揚げ」

少し前からであるが「栃尾の油揚げ」というメニューが目に付くようになり、酒の肴に時々は口にしているのだ。お気に入りというには早いがまずまずのお勧めである。

大まかに説明すると、新潟県長岡市内の「栃尾」という地域で生産され食されているものを指しているのだが、一般的な油揚げよりは厚く、大ぶりであることをのぞけば、食する店によってその形態や味はばらばら。ジャンボな油揚げというキャッチコピーも散見されるが、全てに当てはまる訳ではない。

おいらが好きな「厚揚げ」くらいの厚さでありながら、それほど重くは無い。これを基本的に火にあぶって焼く。ガスで焼くより炭火で焼いて出されるのが旨いは当然で、この焼きの入った「栃尾の油揚げ」を時々あてにして一献傾けているという訳ではある。

ところがこれ、栃尾の地域一押しのメニューの割にはあまり印象に残らない。これが「栃尾の油揚げ」だというインパクトに欠けていると云って良いのだ。

それでもほぼこのメニューには外れは無いようである。厚く刻まれた豆腐を丁寧に揚げ込んでつくられたものだから、職人たちの心意気が染み込んでいるとみたのである。

今が旬の「ホタルイカ」の、刺身を食した

今時は「ホタルイカ」が旬である。ボイルされて酢味噌が和えられるメニューがほとんどであり、他には「沖着け」などがメニューに上っている。だがその他の希少メニューには「ホタルイカの刺身」なるものも有るのであり、この度はそんな絶品的メニューにあずかったのであり紹介して欲しくなりましたのだ。

今回「ホタルイカ」の語彙にてググってみたところ、刺身即ち生ホタルイカには、内臓には旋尾線虫という寄生虫が生息しているとされている。激しい下痢、腹痛があり、腸閉塞を起こす場合もあるが、たいていは腹痛が起こったり皮疹が出る程度、とのことであるが、生ホタルイカを食べると何だか寄生虫が沸くかの如くの表現ではある。

同様の事象は牛の「レバ刺し」にも当てはまるのであろう。「ホタルイカの刺身」が某寄生虫に汚染されているから市場に出してはいけない。或いは寄生虫に侵されているかもしれないので市場には出すな、等々の政治的パフォーマンスは、まるでちんどん屋の流しの芸のごとくに情けないの一言ではある。

小金井「大黒屋」のクサヤとハブ酒で一献

その昔は「クサヤ」と云えば居酒屋の定番メニューであったが、近ごろはその匂いが敬遠されてか、中々メニューに見かけなくなってしまった。小金井の「大黒屋」はその「クサヤ」が味わえる今時の希少な店である。

■大黒屋
東京都小金井市本町5-17-20-101 1F

炭火にかざしてクサヤを炙れば、その匂いは店内に広まっていくのだ。酔客がその匂いにクレームを付けることも今では珍しくはないのである。

自家製の「ハブ酒」が提供されていたので注文してみた。35度の泡盛をベースに、ハブ蛇に十数種のハーブを漬け込んだという代物だった。

滋養強壮に良いという触れ込みだが、強いアルコールに強烈な眩暈を感じた。最近は強い酒はどうも苦手となってしまった。

至極的上品な旨味が光る「キントキの刺身」

「キントキダイ」というぎょろりと大きな目をした赤い魚がいるのだが、この刺身の味わいは白身魚の中でも秀逸な味わいなのだ。関東の料理店では中々この魚に遭遇することは無かったが、偶然にも地元の居酒屋にてこのメニューを目にし、早速注文。予想通りに上品至極の味わいに遭遇して大変な満足を味わってしまったのであった。

関東でもメジャーな魚ことキンメダイにも、身の色が赤いことや白身の感触が、あるいは触感が似ているが、別物である。おいらは「キントキ」の身が大好きなのであり、メジャー級の「キンメダイ」以上だと確信しているのだ。

見た目もまた麗しいのである。紅色のピンク系色彩とでも云おうか。一般にピンク系は俗的印象を与えてしまいアンチ麗しの代表的要素ではあるが、こと「キントキの刺身」の身の色合いはそれらとは一線を画して優雅で麗しいのだ。この見た目も鑑賞に値すると云ってよいのだ。

カツ丼の具である「カツ煮」を肴に一献

地元でときたまに足を向ける大衆居酒屋に「カツ煮」なる新メニューを発見し、早速注文してみたところ、これは「カツ丼」の具の部分をそのまま提出したメニューであることが判明したのだ。

先ずはカツと玉葱他の野菜類とを、出し汁にて煮込んでいき柔らかくなったところで卵とじにする。それに三つ葉の若葉をのせて出来上がり。日本人であれば日常的に食している「カツ丼」の具、そのものではある。

試しにこれを肴にして一献やったところ、まずまずの相性であった。揚物料理のとんかつのメタボ的要素は控えめになり、肝心の味わいはと云えば、日本人の食味に似合ってマイルドな味わいなのであった。

これならばメタボ指導を受けているおいらにと、優しい肴の一品となるのであろう。侮ることは出来ないのである。

浅草の「伝一郎」にて「キムタク炒め」を味わった

花見に浅草へと乗り込んでいった後で、「ホッピー」の看板に引き付けられるようにして入ったのが天空酒場の「伝一郎」。まるで仮の芝居小屋かと思わせるような木造の建物。天空との境は半透明の板で仕切られていて開放感が漂っている。

賑やかな店内に入るとモヒカン刈りの青年が注文を取りに来た。パンクロックのボーカルでもやっているのだろうか。バイトがこんな店では正規職にも感じさせ溶け込んでいるから不思議だ。大衆居酒屋らしく串焼き、煮込み、唐揚げ等々がメインのメニューであり、先ずはホッピーと共に串焼きの盛り合わせを注文する。

咽と胃袋とを潤わせながらメニュー表をめくっていると「キムタク炒め」というメニューが飛び込んできた。初めて聞くメニューであり、料理の写真の代わりにキムタクこと木村拓哉の写真が添えられている。キムタクが好き好んで食べる料理なのか? 或いは…?? との疑問は抱きつつ、試しに注文することにしたのだ。

そして出てきのが上の写真である。一見して赤々としたキムチが大量に使用されているメニューを見てすぐさま合点がいった。これは「キムチがたくさん入って炒めた」料理だから「キムタク炒め」なのだということ。

何だ駄洒落じゃないかとほくそ笑みながら、当のキムタク本人も駄洒落CMで世間を賑わせていることを思い出し、所謂一つの駄洒落症候群の具体的現象をこの目と舌とで確認したという訳なのである。

キムチの他には玉葱と少々の豚肉、それに白胡麻、唐辛子などが用いられていて、キムチの瑞々しくピリリとした食感を生かしていてそこそこいける味わいであった。

■伝一郎 浅草炭火焼き天空酒場
東京都台東区雷門2‐20‐8

東小金井「太平楽」の餃子とお新香(糠漬け)で一献

おいらがかつて住んでいた小金井市内を散策。帰りに、東小金井駅近くの「太平楽」にて一献傾けたのだった。

手作り餃子が人気の店である。流行的中華のショウロンポウの如くな、肉汁がジュワ~といった類いのきわものではなく、キャベツやニラの野菜がたっぷりとのったアンがジューシーでいて優しい。胃に優しく身体に優しいことを実感できる。餃子は野菜がいっぱい肉汁少な目の、しかしながらに大降りのものに限るのである。当「太平楽」の手作り餃子はまさにこの条件に叶っているのであり、呑兵衛には逸品のメニューとなっているのであった。

手作り餃子の後は、お新香を注文。今では珍しくもなった糠漬けなのだ。日により具材は変わるが今日の具材は、キュウリ、カブ、そして何ということかのサプライズの「山芋」が漬けられていたのであった。あまり重い漬物ではなくて浅漬け風の粕漬けであった。これはサラダ感覚であり、お新香のイメージを新たなものにさせたと云って良い。

■太平楽
東京都小金井市東町4-43-13

「奈良漬」の奥深き味わいには、日本のスローフードを感じ取ったのだ

我国には「奈良漬」と呼ばれる漬物が在る。奈良地方で定着した漬物の一種と見えるが、なかなかこの漬物には、独自の道を行くという心意気にも似た方向性を感じ取るのであり、常に外食のメニューにはこれが在ったらとにかく口にしてみよう(美味い不味いは問わずに)という嗜好性をこのところ持っているおいらである。

奈良漬はとても風味豊かであり、其れはまず「甘い」のが特徴である。何度も新しい酒粕(さけかす)に漬けられながらその姿を琥珀色に染めていくのだ。材料となるのは、白うり、胡瓜、西瓜、生姜などの野菜であり、我国に一般的に自生する野菜の類に他ならない。つまり特別な食材へのレシピを施すのではなくて、一般的な野菜を素材にしつつ、極めて個性的な稀に見る類の逸品が生み出されているのである。

酒粕というものはいまでは「甘酒」の原料としても流通している。これが「奈良漬」の準主役的存在である。主役はやはり日本で自生もする白うり、胡瓜、西瓜、生姜などの野菜類である。母屋が店子に店を取られることは無いのであるからして、主役はあくまでも野菜類であることは強調しておきたいのだ。

何度も漬け込まれることにより、塩見が次第に引いていき甘味が際立っていくのである。これこそは我国におけるスローフードの代表的メニューではないかと考えているところである。

莫迦の比喩に等しい「大木」と揶揄される「ウドの酢味噌和え」は繊細な味わいだった

ウドが美味しい季節となった。一般家庭ではなかなかウドのメニューを調理することは困難である。しかる理由にて多くは外食にてこの季節の食材を味わうことになってしまっていることは残念ではある。

ウドという植物は単にがたいが大きいだけでなく、その身の瑞々しさが特筆される。水分量が極めて大きく、サクサクとした触感のほとんどがその瑞々しさによっているということが云えよう。

今回食した「ウドの酢味噌和え」は、厚さ2mm程度にスライスされたウドが、酢味噌に味付けされて提供されていた。一口齧ってみるととてもサクサクとして瑞々しさが際立っていた。栄養素などが薄くてもこの触感だけは特別なものであると納得。もっと厚くスライスしてじっくりと時間を掛けて煮込んだならば、もっとおいしく調理できるのではないかと想像した。いつか生ウドを手に入れて調理したいと考えているところなのである。

赤羽の「OK横丁」に在る「八起」の逸品「ホルモン煮」と「チャーメン」

下町の外れとも云うべき「赤羽」には、戦後から呑兵衛に継承されて息づく町並みが存在している。「OK横丁」とはまさに、そんな呑兵衛の息吹を発する界隈となっており、地元の活性化にもしとどに寄与しているのであるから侮ることは出来ないのだ。


■ホルモン煮
「タン」「ハツ」「コブクロ」「ガツ」「ミミ」等の食べどころのモツ部分を、焼くのではなくて煮て提供される逸品たち。

■チャーメン
大量のモヤシに、ニラ、ホルモンのミンチを炒めたメニュー。モヤシが麺の代わりと見えて、麺類は使用されてはいないのでとてもヘルシーなメニューである。

(株)八起
〒115-0045 東京都北区赤羽1丁目18−8
03-3901-5843

初春の苦みと香りが美味しい「ふきのとう味噌」にうっとり

小金井の「大黒屋」に途中下車して立ち寄った。目当てはこの季節限定の逸品メニュー「ふきのとう味噌」。

ふきのとうを細かく刻んで味噌と味醂などであえて、そして炒めてから、竹べらに広げて炭火で焼くというメニューである。手が込んでいるがとても素朴なふきのとうの香りが漂ってくる、伝統料理のひとつなのだ。

砂糖を加えるレシピも多聞するが、大黒屋のメニューは砂糖は入っていたとしても極めて控えめだ。辛党向けに限定した味付けと云ってよく、これで温かなご飯があれば申し分がないくらいだ。

久しぶりに中華の「火鍋」を食した

久しぶりに「火鍋」を食する機会が持てた。「麻辣」「白湯」の二種のスープで味わう中華鍋の代表的メニュー。具材は豚肉、海老、豆腐、白菜、人参、椎茸、春菊、春雨、と充分すぎるほどのバリエーションだ。

先ずは赤々とした辛いほうの「麻辣」スープで豚肉をしゃぶしゃぶ風に味わう。辛味が食欲を刺激する。細長い一般的な唐辛子と共に丸くてずんぐりした唐辛子が沢山スープに浮いている。これが例の四川唐辛子(朝天辣椒)なのだ。細い唐辛子ほどは辛くなく、味に変化がついている。中国山椒も入っているだろうが極少量のようであり、この痺れるような辛さを感じられなかったのが残念だった。

寒い冬ももうすぐあけて春近しのこの頃、これがこの冬の鍋料理の食べ収めになるかもしれないが、やはり侮れない鍋料理ではあった。

近頃その好さを実感した「イカ納豆」の美味しさ

イカに納豆という組み合わせである。最初は何処かの日本料理店であったろうか、それ以来、時々メニューを目にしながら中々食することがなかったのだが、近頃その美味しさを実感したと云うくらいに遅れてきたおいらの好物なメニューなのである。

鮮度の良いイカの身はまさに白光りしており、ネバネバの納豆が脇役としてとても好い味を出している。先ずは見た目で愉しませてくれる。じっと見つめるに絵になる取り合わせである。しかも脇役の納豆はと云えば、ネバネバ食材としての役割を充分に発揮して、淡白なイカの身を奥深いものに変身させていた。御飯が欲しくなった逸品メニューなのであった。

春の訪れを告げる「小鯛の酢漬け」

昨日に続き、春の訪れシリーズの第2弾である。

地元のいつもの居酒屋にて「小鯛の酢漬け」というメニューを味わったのだ。

小鯛とも或は桜鯛とも呼ぶ、稚魚から成魚へと育ちつつあれども未だ成魚とは云えないという、そんな成長期の鯛の刺身を酢漬けにしたものだ。成魚には無いピチピチした食感が魅力である。元々淡白な風味である鯛の身を、その成長途上の身を酢漬けにするのは、成長過程の鯛の身の弾力をほどよく引き締めている。些か大仰かもしれないが、日本料理の技が映える逸品といえよう。