宮崎県産「鶏炭火焼」でホッピーもいける

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そう遠くないその昔の話。九州の宮崎県ではそのまんま東という芸人が知事になって、宮崎県産の「鶏炭火焼」の知名度が格段にアップして、酒に合う逸品のつまみとして評価が定着したものである。そのまんま東というタレント知事はその後、県政を投げ出して「鶏炭火焼」のブームも去ったが、「鶏炭火焼」自体のうまさは今も変わらぬものではある。いかがわしいタレント知事の話はともかく、「鶏炭火焼」は九州宮崎県のローカルフードであったところから全国区の料理、或いは酒の逸品的おつまみとなっている。

その外見上は黒々とした炭の斑点だらけの料理だが、鶏料理としての優れた調理法は特筆される。強にした大量の炭火を用いた炎で短い時間で焼き上げる。がぶりと噛めば異様な外見とは裏腹に、ジューシーな鶏肉の味わいが口腔の奥までに充溢していく。おいらの定番的アルコールことホッピーともよく似合うのである。

「あさりとトマトのタジン鍋」をほっこり味わう

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いつの間にやら気候も変化して夏日が頻繁に訪れている。トマトやナスといった夏野菜も身近に感じられるこのごろなのである。そんな折りであることからか知らぬが、地元の居酒屋にはトマトを使った新メニューが登場していた。その名も「あさりとトマトのタジン鍋」なり。夏も近いこの時期の鍋だからこそのトマトとあさりの鍋なのだ。

タジン鍋料理らしく、三角頭の蓋でじっくりと素材を蒸した料理が提供されていた。鍋の一番下にはキャベツが敷きつめられており、天然の甘味が染みている。その上のトマトの酸味が夏味の風味を添えている。そして味付けはと云えばよくある日本の出汁に塩味のみであり、大変にシンプルな料理なのだった。日本的鍋料理の逸品である。鍋料理はけっして冬に限らないのであり、夏野菜やあさりといったこの旬の食材を使っただけで、充分に味わえる鍋料理が存在するのだ。

訪れた店は飛騨の里 八王子店という。飛騨高山の古民家をイメージしたつくりの店内では、数種類の日本酒をはじめとして美味しい酒とともに、旬の料理が味わえる。たまに訪れては美味しい酒を味わえる店である。

■飛騨の里 八王子店
東京都八王子市東町1-10 グランデハイツB1

立川の「だるま」で赤々として美味い「タコ酢」に出会った

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タコは茹でると赤くなるが、酢漬けにするとよりいっそうその赤味を増していく。以前はこの「タコ酢」なる料理に遭遇してその異様なる姿かたちを目の前にして、いささか閉口していたものではあったが、今ではとんと気にならなくなり、それどころか却ってこの鮮紅の色合いに対してとても親近感を感じ取っている。食欲をそそられるくらいなのだ。なんとなればその赤紅の発色は天然のものであり、近頃の中国産食材の危ない添加物の色々の類いとは一線を画しているし、その相貌はまるで酔いつぶれる前の充血して赤ら顔になった呑兵衛を彷彿とさせるのであるからにして、おいらもかなりの愛着を抱いている料理のひとつだ。

立川の「世界堂」に画材の買い物で訪れた帰りに立ち寄った「だるま」という居酒屋にて一献傾けた際に、おいらは久々にタコスならぬ「タコ酢」という懐かしいメニューを口にしていたのであり、好き好きとの思いを益々に累乗させていたのだったという訳なのである。

余談になるがこの立川の「だるま」という居酒屋には、近くに場外馬券を取り扱うビルがあることから、競馬ファンが昼間から集って酒をあおっている。とくに土曜日曜の日には、競馬の生中継をするテレビの前には競馬マニアの団体が陣取ってたむろしているというすこぶる珍しい光景に立ち会うことになる。店内で堂々と競馬新聞を広げるカップル。向かいの集団では競馬新聞をテーブルに広げてあれやこれやの競馬レースの検証が行なわれている。ギャンブル好きの呑兵衛の会話は聞いていると飽きないものがある。

「男のひとは可愛いわね。赤ちゃんといっしょね」とは、競馬ファンと思しき中年女性の声。続いて聞こえてきた言葉は、「でもねえ、競馬にのめり込むのは趣味だから赦せるわよ、お小遣いの範囲でやっていればだけどね。でもね、こっち(指を立てて女のことをアピール)のことは駄目ね。絶対に駄目。そんな女に払う金があるならば、もっと生活費を入れてよっていいたいと思うわよね‥」と、大声で説教していた光景はとても印象的だった。家族もちの有閑マダムなのかも知れない。

■だるま
東京都立川市柴崎町3-2-14

イカの身をイカ墨味で炒めた「イカスミ炒め」は目と口で味わうべし

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イカの身をイカスミ味で炒めた「イカスミ炒め」を食したのだ。イのてカの身を、イカスミ(イカワタとも云う)で味付けして炒めるという、至極シンプルな料理であるが、これが何度食べても逸品の味わいなのに感動するのだ。

イカの身はまずは軟骨や内臓を取り除いて、幅1cm程度の細切りにされている。新鮮なイカならば種類は問わないが、ある程度の量のイカスミが必要なのであるから、ヤリイカがてきしてい
る。ゲソも美味しく味わえるのでなおさらである。

イカ墨の色素成分はメラニンである。さらにはアミノ酸の含有率が高く、健康成分を多く含んでいる。黒いしきそはそれだけみればまがまがしくもあるが、調理に用いられたものを観察していくと、とても深遠なる色彩であることを発見する。そもそもは、イカ墨を原料とした顔料のことを「セピア」と呼ぶのであって、黒い色彩とばかりとは限らないのである。深い褐色の黒味をふくんだ色彩なのであり、その色彩表現力は強力なのである。イカの身をイカ墨味で炒めた「イカスミ炒め」は目と口で味わうべしなのである。

「イカソーメン」はけっして邪道的メニューにはあらず

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その昔のおいらの友人は、「イカソーメン」を見る度に口を開けば貶していたものだった。その彼曰く、「ただのイカの身を細くしただけのものだ」「イカの本来の姿を見せにくくしている」「イカの身をソーメンつゆで食することなど出来ない」…云々と。

彼の気迫に気圧されて一時はおいらもそんな気分になってしまったが、やはり「イカソーメン」はそれなりの存在感と旨味とユニークさを有しているということを、先日は「イカソーメン」に箸をつけながら感じ取っていたという訳なのである。

鮮度の高いイカの刺身は、白いながらに透き通った艶とも云うべき彩度を感じさせるのであり、そんな鮮度眩いイカの身を、細く切りそって素麺仕立てにしたものは、イカの刺身とはまた違った食感と共に味わいのバリエーションをもたらしてくれるものではある。さらに加えて述べるならば、鮮度の良い細く切りそろえられている生イカの身の光沢は、その透明度や光輝度に勝るものが無いくらいの稀有なる姿かたちを示していたということでもある。「イカソーメン」はけっして邪道的メニューにはあらず

その昔のおいらの友人は、「イカソーメン」を見る度に口を開けば貶していたものだった。その彼曰く、「ただのイカの身を細くしただけのものだ」「イカの本来の姿を見せにくくしている」「イカの身をソーメンつゆで食することなど出来ない」…云々と。

彼の気迫に気圧されて一時はおいらもそんな気分になってしまったが、やはり「イカソーメン」はそれなりの存在感と旨味とユニークさを有しているということを、先日は「イカソーメン」に箸をつけながら感じ取っていたという訳なのである。

鮮度の高いイカの刺身は、白いながらに透き通った艶とも云うべき彩度を感じさせるのであり、そんな鮮度眩いイカの身を、細く切りそって素麺仕立てにしたものは、イカの刺身とはまた違った食感と共に味わいのバリエーションをもたらしてくれるものではある。さらに加えて述べるならば、鮮度の良い細く切りそろえられている生イカの身の光沢は、その透明度や光輝度に勝るものが無いくらいの稀有なる姿かたちを示していたということでもある。決して「イカソーメン」を侮るべからずなのである。

久しぶりの「のびる(野蒜)」の味に舌鼓なのだ

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のびる(野蒜)という貴重な食材に出会い、もう何年ぶりかのその味に舌鼓なのだった。野蒜とは野に生える葱の別称という意味である。エシャレットやラッキョウに近い味だが、野性味については野蒜がまさっている。ほどよくピリリとした刺激が喉を刺した。

その昔はニンニク、ニラ、ネギ、ラッキョウと共に五葷(ごくん)に数えられていたという。メジャーな食材であるネギの一種なのだが、なかなか口にする機会はないので、この食材ばかりは特別な出会いにも感じさせるに充分なのだ。

この季節の茹でた「空豆(そらまめ)」は是非食うべし

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今季はじめての「空豆(そらまめ)」を食した。さわごと茹でて塩味で出された。初めての味わいに心躍ろかされていたと云ってよい。

見た目も青々としていて、豆類の中では大降りの存在感を示すのが、この季節の「空豆(そらまめ)」である。名前の由来は、豆果が空に向かってつくため「空豆」とされたという説が有力である。これからの季節には、「空豆(そらまめ)」が酒場のメニューにのる機会が増えるのであり、チェックも怠り無くなる。

調理法としては、そのさやのまま焼いたものや揚げたものなどあるが、ふつうに茹でたものが実に美味いのである。もちろんこの場合もさやごと茹でるのが基本だ。

空豆については豆の大きさが特筆されるが、大きいことは良い事だということばかりではないのである。押しの強い見た目に加えて、ビタミンB群をはじめとする栄養素豊富であり、食感もまた他には得がたいものがある。豆の生豆として味わうならば、空豆を第一番に推奨するのが常識的でもある。

高円寺の居酒屋「四文屋」の、琥珀色した梅割りの「金宮焼酎」

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高円寺の居酒屋「四文屋」ではホッビーが提供されていないので、仕方なくおいらは、酎杯やらを頼んでちびちびとやっていたのである。そして少し経って後に、「金宮焼酎」と云うメニューに気付いて其れを注文してみた。すると店員はと云えば、それとわかる「金宮焼酎」の瓶と共に、「梅割り」の入った瓶を持っておいらの前に突入する如くに出現して、一合カップに金宮焼酎を注ぎ、そして「梅割りはどのくらいにしますか?」と質問したのだった。咄嗟の質問、問いかけにはおいらは「普通で…」と答えていたが、結構どぼどぼと店員は梅割りのエキスとやらを注いでいたようではあったのだ。見れば梅のエキスが金宮焼酎に混ぜあわっていく様が琥珀色の姿にて目を奪っていた。

そしておいらは其の後は静かに、注がれた「金宮焼酎」のグラスに口を近付け味わっていた。久しぶりに口にする高濃度、高アルコール度の金宮焼酎であったが、梅のエキスはそんな刺激を緩和してくれていた。金宮焼酎の味わい方としては此れもまたありであるなと合点していたのであった。

この季節には絶対に食べたい逸品が「筍の炭火焼」

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筍(たけのこ)が芽吹く季節となった。美味しい筍はこの季節にしか味わえないのだから、筍メニューには注目である。なかでも旬の季節の筍でしか味わえないのが「筍の炭火焼」なのであるから、このメニューを逃してはならない。

本日はまた偶然的に訪れた居酒屋にてこの「筍の炭火焼」にありつくことができたのであった。

地上に芽を出してからは数日以内のものが収穫されて食用にと提供されるが、若芽のごとくの筍は、芽を出したその当日に収穫されたもののことを指しており、其れが特に珍重されるのだ。

多少厚い皮に包まれた筍をそのまま炭火に掛けて焼いていくと、外皮の部分は黒く焼き目が付いていき、中にはほくほくして蒸し上がった筍のエキスが充満していくのであり、そんな調理の妙を経て得られる「筍の炭火焼」こそは、この時季の逸品メニューに恥じない代物なのである。

可愛くてしかも美味しい「イイダコ」料理はおすすめ

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マダコ科 マダコ属に分類されるタコの1種であり、小型のものが「イイダコ」と呼ばれている。二枚貝の貝殻に生息していることなどから、二枚貝を用いて漁の仕掛けがなされている。古代より食用として漁獲されているが、あまり見かけることは多くは無い。小型で可愛くて、しかも味わいも美味なのであり、メニューに見かけたらば注文することをおすすめする。特にこの季節のイイダコの頭の部分には、卵が仕込まれており、この卵こそイイダコの食味を代表すべき味覚である。

通常のタコ類と同様に、軽く茹でて、酢味噌などの調味料とともに提供されるのが一般的である。小型で一口で噛み切れてしまうのであり、タコのまた一味異なった食感を味わうことが可能である。

今宵はそんなイイダコの酢味噌和えと串焼きの料理を味わったのであり、久しぶりにイイダコ料理に舌鼓を打ったのである。

とんぶり料理の定番「佐原屋」の「納豆とんぶり」

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「納豆とんぶり」を食した。御徒町の「佐原屋」へ訪れるとよく注文するのが「納豆とんぶり」である。同店の看板メニューであり、とんぶり好きのおいらにとっては必須メニューのひとつとなっている。ご飯の上に乗せればその味わいが倍増する。納豆とんぶりご飯こそは、此処「佐原屋」の超定番的なメニューと云ってもよいくらいだ。

名店と云える店ならばこそ、店のつくりは変わっても、その店の伝統と意気込みを象徴するメニューは存在するが、佐原屋に「納豆とんぶり」あり、というくらいに、豪いメニューである。天晴れ晴れ晴れなのである。

■佐原屋本店
東京都台東区上野5-27-5

春本番を前に旬の「ホタルイカ」を味わったのだ

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ホタルイカは春を代表する味覚でもあり、春が先かホタルイカが先かは知らぬが、両者が相まっての風物詩なのである。春の夜には、海上に青白い光を放つ。その姿は、神秘的な光そのものではある。

そんな神秘の光を思いながら味わうホタルイカ(蛍烏賊)の味わいは、春のこの時期ならではの逸品である。

ホタルイカの料理には様々あるが、さっと湯通して茹でたホタルイカは「桜煮」と呼ばれており、もっともホタルイカらしい料理だとかんがえることが可能である。酢味噌などの味付けは、この茹でたホタルイカには必要ない。

「アンコウの唐揚げ」は白身魚の奥深い味わいがした

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冬の味覚を代表する深海魚のアンコウを、唐揚げにて食したのだった。白身の魚であり、そのほとんどが深海魚である。そういった特長が如実に感じ取ることが出来る、稀なる海洋生物がアンコウだということになる。Wikipediaにもまた非常に興味深い記述がのっている。

―――――(以下、Wikipediaより引用)
アンコウは主に小魚やプランクトンを捕食するが、種によっては小さなサメ、スルメイカ、カレイ、蟹、ウニ、貝などを捕食するものもある。さらに、たまに水面に出て海鳥を襲うこともあり、食べるために解体したら胃の中にカモメやウミガラス、ペンギンなどが入っていたという報告もある。
―――――(引用終了)

アン肝や鮟鱇鍋でなくてもこうした料理が存在するのだから、アンコウと云う魚の存在感は益々高まっていくのである。

「白子のホイル焼き」で、ホットに温まったのだ

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タラの精巣こと「白子」はよくポン酢で食されるが、今夜は珍しく、ホイル焼き料理で味わった。味付けは薄めの味噌味である。ポン酢以外にも鍋料理に白子が脇役として添えられることはままあるが、「白子のホイル焼き」という白子が主役の温ったかメニューは、とても有り難い思いがしたものである。寒い季節には温かな白子料理は良くできたメニューであった。

つるつるっとした食感に、奥深いほんのりとした甘さと旨み。たんぱく質が豊かであり、ビタミンDやビタミンB12といった成分も豊富な食材である。最大の難点は「プリン体」が多いということで、通風もちのおいらにとっては鬼門的食材なのだが、それでもたまには口にしないとおさまらない。有り難くもあり危険でもある、扱いが難しいことこのうえないのである。

今年度の食べおさめ的な、静岡風の「おでん」をほっこりと味わった

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本日はまたまた寒波の到来ということで、真冬並みの寒々しい日となっていた。おいらもまた、上州の実家から帰京する途中では北関東の栃木県を震源とした地震による、鉄道網の混乱などに見舞われて、寒々しくかつ陰鬱な時間をすごすこととなっていた。

帰京して立ち寄った居酒屋で、先ず注文したのは「静岡おでん」だった。だがあまり静岡風が強調されているでもなくて、関東のおでんとしても通用するくらいのポピュラーなるものであったので、おいらもほっこりと、何の違和感も感じることなく温まることができたのであった。

大根、蒟蒻、がんもどき、ちくわぶ、等々それらのどれもがおいらの大好きなおでんねたであり、関東風であれ静岡風であれ、正統なおでん料理として は、逸品的の味わいであった。今年度の食べおさめ的な、静岡風の「おでん」をほっこりと味わったのであり、すこぶるうきうきなのである。

ピリッと辛い「エシャレット」は黒ホッピーに好相性

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このエシャレットとはラッキョウが早生的に刈られたものだと云うのだが、ラッキョウとはやはり異質の食物であるとの認識が強いのである。ラッキョウは生では食べ難いがエシャレットは食べ易い。そういう点では日本料理的食材である。更にはラッキョウに比べて香味が豊かであり、更にはブーンと鼻腔に抜ける鮮度がたまらない魅力である。

脂っぽいつまみを食した後にはもってこいである。串焼きの豚モツにはとても似合っているのだ。

お酒は「黒ホッピー」である。刺激的な味覚を放つエシャレットその他、辛み系のつまみには、黒ホッピーがなかなかの好相性なのである。

東松山焼鳥のルーツは実は寄居町にあるという説に納得

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先日は埼玉県寄居町「金太郎」にて美味い焼鳥にありついたのだった。

だが「焼鳥」とは名のみで実は、豚のモツが主材料の「焼きトン」というべき料理なのではある。豚の「カシラ」「タン」等々の部所に軽く塩をまぶして丹念に炭火で焼いていく。炭火で時間をかけて程よく焼いていくことで芳ばしい香りが立ち上っていき、注文を待つ客には否が応でも食欲を刺激されていくこと必至といった成り行きである。

カウンターに出された豚モツの「焼鳥」を眺めれば、もう口腔内はの涎たらたら寸前的状態。ぐっと喉を引き締めて、豚モツの焼鳥を食らったのであった。

焼鳥とともにカウンターに添えて出されていたのが、特性味噌だれである。赤唐辛子がたっぷりの辛味味噌であり、焼鳥に乗せればピリリとしてひき締まった味わいに変貌するのだ。

ところで豚モツを使った焼鳥と辛味味噌といった取り合わせはといえば、辛味味噌をなめたときにぴんときていたのだが、「東松山」で食する焼鳥と瓜二つではある。ぶりだったろうか、数年懐かしい味わいをほおばりつつ、店長に辛味噌だれのことをあれこれ尋ねていたら、やはり東松山焼鳥との接点が浮かび上がっていたのであった。

店長から聞いた話の要点は以下のとおりである。

そのむかし、寄居町には沢山の豚モツ的焼鳥店が存在していたという。当時はまだ水道のライフラインもままならなかったので、溜めた水で食器を洗ったりしていたのだったが、戦後のある時期に保険所のチェックが厳しくなり、寄居から東松山に移っていたのだという。東松山で「焼鳥店」を経営している多くは、もとは寄居の出身者によるものだというのだ。

鮮度の良くぷりぷりと噛みごたえも麗しいモツの串焼きと、ピリリと刺激度満点の個性的「焼鳥」のルーツは、寄居町にあるということのようである。

■金太郎 寄居駅前店
住所 埼玉県大里郡寄居町寄居1227
TEL 048-581-5005
営業時間 17:00~22:00

http://kintaro890.com/omise2.html

国産「あか海老」の刺身に舌鼓

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「あか海老」の刺身を食した。体長10センチ以上もある大降りの、名前のとおり赤い色をした海老であり、一見して甘海老を大きくしたようだが、その身のコクや頭部の味噌(海老味噌)のガツンと濃厚な味わいは、甘海老の比ではないのだ。ボイルすることなく生で味わえる海老の中では、味わいや食べ応えともに抜きん出ている逸品食材である。

ところで一口に「あか海老」と呼ばれる海老の種類にも多々あり、「 アルゼンチン赤海老」「北国赤海老」等々、国際色もゆたかてある。食したものは水上げの産地は判らなかったが国産ものであることが見て取れた。頭部は大きく殻が隆起している様が見た目の好奇心をいたく刺激する。指で頭部を持ち上げると殻は簡単に身からぶんりされていた。身のぷりぷりした甘さは先述したとおりに甘海老以上なのであり、味噌をふくんだ頭部に噛り付けば、鮮度抜群の海老味噌にありつくことができたのであった。

酒のつまみに意外といけた「にら納豆」

にらのお浸しに納豆を加えたシンプルなメニューが「にら納豆」。これが意外や意想外に結構いけたのである。

そもそも納豆大好きのおいらではあるが、酒のつまみに納豆という取り合わせの発想は、これまでほとんど無かったものではあった。謂わば未経験的取り合わせであったのであるが、此れににらのお浸しが一品目加わったことで、見事な酒のおつまみとして主張することとなっていたのだ。出されたメニューは丁寧にも、葱の微塵切りや鰹の削り節、生卵がトッピングされていて、なかなか深い味わいである。卵が入ったら粘り気は程よく中和するのであり、これまた納豆を旨くしている。これからおいらの好物になること間違い無しの逸品であった。

別名「バクダン」とも呼ぶ「ニンニクの唐揚げ」

「ニンニクの唐揚げ」を食した。メニューには唐揚げと銘打っていたが、丸ごとに素揚げしたものである。別名「バクダン」とも呼ぶ「ニンニクの唐揚げ」だが、予め底の部分に切り込みを入れて揚げる。バクダンのように爆発することもあるのだと云う。

生ではとても口に出来ないニンニクも、油でじっくり火に通すことにより、まろやかに甘みさえ感じさせる。ひと房まるごと、袋にして10個以上のニンニクは、この唐揚げくらいでしか食べられないであろう。精が付くことこの上無いくらいのスタミナ料理である。