カレーにはらっきょうがよく似合う

このカレーに、らっきょうは5粒は食べたい

このカレーに、らっきょうは5粒は食べたい

かつて掲示板にこう書いて喝采を浴びたのはmelodyさんであり、おいらではない。「富士には月見草がよく似合う。そしてカレーにはらっきょうがよく似合う」。このエスプリは見事だった。その見事さは、かつておいらがネット掲示板の管理人を務めていた当時の記憶の中でも筆舌に尽くしがたい鮮明なものがある。しかるにこのタイトルにはおいらに著作権は無いのであるが、ちょいと借りたい気分なのだ。

銀座三原の階段をくぐった界隈を歩くとあるのが、人情酒場「三原」である。昼間は何店か定食ランチなどを提供する食堂である。此処で提供されるカレーが絶品なのだが、たんにカレーの味が秀でているというのだけではなく、カレーと一緒に食する「らっきょう」が、まさにカレーによく似合っている。これが無くてはカレーを食した気分にならないくらいに、カレーと一体化しているさまが、これまた見事なのである。遠くから車を乗り継いでも銀座三原に食べに来る価値があるということは保証してよいのである。しかも通常料金でカツカレーが700円なりが、「金曜日はカレーの日」と銘打ったキャンペーンにより、550円のサービス価格で味わえるのだから嬉しい。

今日もまたこのカツカレーを食しに「三原」を訪れていたのだ。キャンペーン当日に人が集まるのは致し方なく、ちとばかりぎゅうぎゅう詰めの店内ではあった。それ以上に期待に応えるカレーライスとらっきょうのハーモニーは、銀座三原の食文化と云っても過言ではないだろう。

炒飯にはたくあんがよく似合う

昨日「中華三原」のことを書いたせいなのか、無性に三原の店内が懐かしくなってたまらなくなってしまった。という訳で、何ヶ月ぶりかで、銀座の名店「中華三原」の店の前の行列に並んだのでありました。

今日のお目当ては「炒飯」である。あまり注文する人はいない。だから後回しにされるメニューである。何十分も並ばねばならない覚悟を持ってのチャレンジなのだ。実は以前、この店で、一人黙々と炒飯に喰らい突く銀座風体のおやじを目にしたときから、「今度来るときは炒飯」と胸に決めていたからなのである。

迷いは大きなものがあった。折角の並んで待つ十数分を、秋風吹きすさぶ風街に立っていなければならないのである。それならば折角のご褒美として誰もか賞賛する「タン麺」にありつくべきなのではないかと、おいらも自分自身を省みながら悩んだのである。だが結局、おいらは初志貫徹を貫いたのであった。

席についてからも五分程度の間はあったかとおもう。そしてやってきた「炒飯」。↓写真参照。

炒飯とたくあんの相性がなかなかよいのだ。

炒飯とたくあんの相性がなかなかよいのだ。

昭和の風情が漂う脂っこい炒飯である。ここのオリジナルの叉焼をふんだんに使っているせいか値段も高めで800円なり。じっと見つめる限り、特別な炒飯には見えない。普通盛というのに多めである。通常の大森に近い。盛り土されたかのごとくの炒飯の表面には、フライパンで焼かれたおこげのようなしみも見えてくる。一体これがかの銀座名店の炒飯であるのか? 甚だ疑問の時間を過ごして、いざ炒飯をほお張る。そうそう、これが昭和の味だったのである。脂っこい炒飯にかぶりついて食する光景など、今やほとんど過去の遺産だとして軽んじられる光景が、まさにおいらの身に起こっていたのであった。美味い炒飯は脂っこくてよいのである。しかもトッピングとして添えられているのが「たくあん」。たくあん和尚が愛した逸品である。脂っこさに辟易したときに、このたくあんをつまんで一呼吸置く。これが通の、炒飯の食し方なのである。つまり「炒飯にはたくあんがよく似合う」なのである。

炒飯と格闘しても冷え切った体はいっこうに温まらない。ほとほと「秋はタン麺だな」という教訓を胸に、今度はタン麺を食うぞと誓ったのである。

20分近く並んだ。

20分近く並んだ。

銀座立ち食い満腹ランチ

ボリューム満点の「秋刀魚蒲焼丼」。480円なり。

ボリューム満点の「秋刀魚蒲焼丼」。480円なり。

銀座のランチといえども、気取った高級店舗のものばかりではない。裏道散策してみれば、いろいろ面白い店舗に遭遇すること数多く、おいらも実は2日に1日はそうした裏道ランチ(そのほとんどが立ち食い系)と決めているのです。

写真は本日立ち寄った行き付け店の一品、季節限定品の「秋刀魚蒲焼丼」なり。「蒲焼」というのは不当表示であり実は「揚げて」あるのだが、そんな秋刀魚の半切身揚げがどーんと3つ乗っている、豪快さも満腹感も併せ持った代物である。ちなみに同ランチ店舗は夕刻後には立ち飲み店舗に模様替えされて、なかなかの繁盛店でもある。

おいらの昼食タイムの後半即ち大体立ち食いの後は、公園のベンチで読書タイムと決め込んでいる。村上春樹、糸井重里、天童荒太、等々を白昼のベンチで活字を追うのも悪くない。時々は雨露に襲われる日があり、銀座某交差点界隈の「PRONT」で雨露を避ける。そこでは大衆的スパゲティなどをかっ食らう、否、かっ食らうのは立ち食いランチ丼の話であり、スパゲティの場合などは雨を愛ながらしっとりと優雅なイタリアンランチタイムを過ごすのである。

昭和的レトロカレーランチ

トウキョウ銀座の、隠れ家的お奨めランチまだまだありました。それで今日も、そんな中からとっておきを紹介するのだ。昭和の香りがぷんぷんと漂う、絶品レトロカレーのお店である。

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普通盛なのにいつの間にか「大森」となっていた。

 

久しぶりに行ったら、ずいぶんでかくなった実業之日本社ビルの向かいに、昔のままのたたずまいのお店が、多分その僕が云十年前に通っていた頃のままの看板を携えて現れたのだった。

その名も「ニューキャッスル」というほどレトロなネーミング。もう笑っちゃうくらいに微笑ましいのでありました。ここのメニューはカレーのみ。普通盛の「大井」、目玉焼きが乗っかった「大森」、そして昔ながらの大森(大盛)が食べたい人向けの「鎌田」と、そのネーミングもユニークな昔ながらのままで、これまた微笑ましい。昔と違っていたのは、普通盛以下の「品川」の存在感が極めて薄くなっていたこと。これは寂しいかぎりなり。

はぜ天丼ランチ

銀座の穴場ランチをもうひとつご紹介。
江戸前の定番ながらなかなか見かけないはぜの乗った天丼

江戸前の定番ながらなかなか見かけないはぜの乗った天丼

天丼である。しかも江戸前。どこにでもありそうでいながら少しだけ違うのが、はぜが乗っていること。はぜといえば江戸前天丼には欠かせない素材であったはずなのだが、近頃はそのはぜてんぷらさえ見かけることが少なくなった。そんなはぜ、少し小ぶりではあるが、どーんと丼の中心に乗っかっているのだから嬉しい。一目見てからずっとこのはぜが大好きになって、時々通うてはほっこりほくほくの天丼を愛でている。たれがまた江戸前尽くしで食欲をそそる甘辛の定番。ほっぺが落ちそうになるくらいに愛でていきたい逸品である。

「三原」
中央区銀座5丁目 鄙びた映画街「シネパトス」の並びにあるお店

本格イタリアンランチ

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上の写真のローストビーフは、銀座のランチメニューで先日食したもの。これに、前菜(又はスープかサラダ)とコーヒー(他の飲み物もOK)とフォカッチャ(ピザにも似た手作りパン)がついて、850円なり。

食欲旺盛なOLにこの写真を見せたところ、食欲を抑えきれなくなり、本日は大挙してランチツアーと相成りました。銀座ランチの穴場かも。お勧めです。

「イタリアンバール」
中央区銀座5丁目 東銀座に近い木挽町通りに並んだお店